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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

『ん?そんなに、はしゃいでどうしたんだ?』
「あっ、先生!!先生、先生、みてみて!!」
私は窓の外を指差す。

『あぁ、そういう事か(笑)。やっと花が咲いたな、桜の。』
「そうなの!満開じゃないけど、可愛い花がちらほら咲いてるの!!」
先生は子猫を見るような目で笑う。

「何??なんでそんな顔で笑うの!?」
『いやいや、珍しいなと思って(笑)。』
「何が??」
『そんなにテンションがあがってるの(笑)。』
「そうかな〜??いつも割とテンションあがってると思うんだけど……?」
『いつもと違うあがり方だ(笑)。』
「いよいよ春が来たって感じしない(笑)?」
『そうだな。春を感じるようになる時期だ(笑)。』
「私は季節の変わり目が好きなのかもしれない(笑)。いよいよ変わりますよって香りが好きなのかも(笑)。」
『ならば、年に4回程しか見れないテンションのあがり方だな(笑)。』
「も〜、いじらなくていいから!!桜見ようよ〜!」
『今度は満開になったら花見をしよう(笑)。』
先生はニコッと笑うと、私の隣に座る。

「次は、春休みに入ってからだね〜!」
『そうなるな。』
「楽しみにしてる(笑)。」
『あぁ。なにか食べたりしよう。……あっ、そうだ。良いものがあるぞ。』
先生はそういうとポケットの中を漁る。

『ほら、チョコレート(笑)。』
「なんでそんなとこに入ってるの(笑)?あっ、貰うけどね(笑)。」
『ぷち花見(笑)。』
「先生だって可愛いとこあんじゃん(笑)。」

私達はお互いの事を笑いながらぷち花見をした。
花が満開になる頃にはもう春休み。
先生の横顔を眺めながら、新たな学年へ向けての不安が少し募った。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

今日はなんとなくだがいつものようにお気に入りの窓がある廊下へと向かっていた。
いつもは私が先にいるが、今日は先客がいた。
「先生??今日は用事ないのにいるんだね、珍しい。」
『あぁ。君が見ている景色を見たくなってな。』
「結構いいでしょ?ここ。」
私は先生の隣で、窓に手をつく。
『君がお気に入りにしている意味がわかったよ(笑)。』
「先生、何かあった??」
『何を言ってる?(笑)何もないさ(笑)。』
先生は誤魔化すかのように笑う。
「そっか〜。じゃあ、私の話聞いてもらおうかな〜。」
『もちろん。何だ??』
「あっ。1つ約束。途中で口挟まないでよね!」
私は先生を見ていたずらに笑う。
『あぁ、わかったよ。保証はできないが。』
「じゃあ、いくよ?」
『あぁ。』

「先生にはね、もう愛着しかないの(笑)。初めはね、嫌な奴って見てた所も、今となってはもう、あぁ〜好きだなぁ〜って見てる。こんなにも愛おしくなる人なんだなぁ〜って(笑)。先生、自暴自棄になってたでしょ?でも、その事憎めないな〜って(笑)。なんて素敵な人なんだろうって。もう好きすぎて心臓持たないよ(笑)。あっ、好きって先生としてだからね〜?(笑)。」
言いたい事を放った後に先生を見ると、頬から涙が伝っていた。
先生が何を思って何に悩んでいるかなんて実際にはわからないけど、一度は伝えておきたかった事だ。

「だからね、先生の事だけは信用してるの。先生、これからもよろしくね。」
『何で今、それを言うんだ?(笑)』
先生は涙を隠して笑う。
「なんとな〜く、なんとなく言いたくなっただけ〜。」
『ありがとう。ここに来て良かったよ。』
「先生、悩む前にここ来たらいいよ。私はいつでもここにいるから。」
『言っただろう?悩んでないさ(笑)。』

先生は嘘が下手くそだ。
私の言ったことが少しでも先生に届いていれば私の出番は終わりだ。
「私は先生の事見てるからね(笑)。」
そう言ったとき、春の温かい風が二人を包み込んだ。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

最近、先生が校長になるという噂が流れている。
手を伸ばしてもスルリと抜けていく先生に、少し寂しく思っていた。

廊下の角を曲がろうとすると声が聞こえた。
現校長の声だったので、隠れて会話を聞く。
先生と話をしていた。
“先生、校長になる気はありませんか?”
『今、答えを出さなければなりませんか?』
先生は質問を質問で返す。
“いやいや〜。今でなくていいんです。考えておいて下さい。”
『わかりました。考えておきます。』
会話が終わりそうだったので、私は静かに、でも急いで、踵(きびす)を返した。

私はお気に入りの窓に腰掛け、空を眺めていた。
『またここにいたのか?』
先生の声がするので振り返る。
「あ〜、先生。なんか久しぶり?」
『昨日会ったばかりだ。』
「そうだった、そうだった。」
『何かあったか?』
「別に何もないよ?」
『またここに来てるし、何もないと言ったときは大体何かある。』
「じゃあ、本当に何もないんだけど、1つ聞いていい?」
『あぁ。もちろん。何だ?』
「先生は校長になるの?」  『え?』
「先生、校長になるの?」  『何で?』
「噂がウジャウジャしてる。」
『私が校長になると君に何か不都合があるのか?』
「別にないよ?」
『じゃあ何でそんな事を聞くんだ?』
「先生が昇格すれば、おめでたいよ、そりゃあ。でも、今みたいに一緒にいれない。先生がどんどん遠くに行っちゃう気がする。ただそれだけ。」
『そうか。ただ、私は校長になるつもりは無い。』
「本当?」
『あぁ。本当だ。君もそう言ってくれているし、踏ん切りがついたよ。』
「何でならないの?校長。」
『私には似合わぬ職だろう?笑 それに、今のままで私は十分満足だからな。』
「ありがとう。」
『何でお礼を言うんだ?』
「今のままで良いって言ってくれたから?」
『何なんだ?それ(笑)』
私達は少しの間笑い合った。

先生が、これ以上スルリと抜けてしまわないように私はそっと“レプラコーン”にお願いをした。