ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ⑭
「へー」
転入生かーと師郎は彼女の顔を覗き込む。
「どこから来たんだ?」
師郎がそう聞くと、坂辺さんはますます顔を赤くする。
「え、えーと」
「ほら師郎、相手が怖がってるじゃんかー」
師郎の顔が怖いからだよーとネロが師郎の腕を引く。
「えー仕方ねーじゃん」
元々こんな顔ですーと師郎は笑う。
「ごめんね、坂辺さん」
わたしの友達、ちょっと変わってるから…と言いかけた所で、不意に坂辺さんが口を開いた。
「…大丈夫」
大丈夫だから、と坂辺さんは帽子を目深に被る。
「大丈夫って…」
わたしがそう言いながらふと前を見ると、”彼ら”の姿はそこになく、”壁”だけがあった。
「…え」
わたしは思わずポカンとする。
「あれ…?」
わたしはそう呟いたが、それを遮るように坂辺さんがこう言った。
「行こう、不見崎さん」
あ、でも…とわたしは言ったが、坂辺さんは気にせずショッピングモールの階段の方へ向かう。
「…」
何なんだろ、とわたしは思いつつ、彼女に続いた。