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我流もの書きスタイル “書き溜め”のすゝめ

随分前になるけど、「(ポエム掲示板に作品を)コンスタントに投稿し続けられる人はそうそういない」と言われたことがある。
自分からしてみれば先駆者がいたので驚くことでもないのだが、なぜコンスタントに投稿し続けられるのか、ちゃんと理由がある。
それは、「ある程度“書き溜め”を行っている」から。
自分が書く物語はいくつかのエピソードに分かれているのが基本だが、最低でも1エピソード分(1ヶ月分)は“書き溜め”ておいているため、忙しい時期でもコンスタントに投稿し続けることができるのだ。
あとそもそも、掲示板の投稿フォームで直接文章を作るようなことはしないようにしていることもある。
単発の読み切り作品ならともかく、長編作品はその場その場で文章を書いていると前後の文との整合性がとれなくなったりするため、それを避けるために事前に文章を書き出すようにしているのだ。
また、“書き溜め”を行うことで書いた時から投稿するまでに時間を置くことができるため、投稿前に文章におかしい所がないか確認することもできる。
面倒なようにも見えるが“書き溜め”はメリットが大きいのだ。
という訳で、「コンスタントに投稿することが難しい!」という方はまずある程度“書き溜め”ることをおすすめする。

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視える世界を超えて 番外編:愛娘

「よォ、馬鹿息子」
高校からの帰り、校門を出た鎌鼬の背に、種枚から声がかけられた。
「ぐ……だからその呼び方やめてって……うわっ」
鎌鼬がそちらに目をやると、種枚が足の甲を街灯に引っかけ、逆さにぶら下がっていた。
「なァ鎌鼬、携帯電話持ってないか? 貸してくれ」
街灯から飛び降りながら、種枚が話しかける。
「スマホッスか? 別に良いですけど……師匠、持ってないんスか?」
「残念ながらなー」
鎌鼬から放られたスマートフォンを危なげなく受け取り、種枚は電話番号をプッシュし始めた。
「で、誰に電話するんです?」
「お前の姉」
「いや俺一人っ子…………あぁー……『娘』ッスか」
「そういうこと」
ニタリと鎌鼬に笑いかけ、通話が繋がったために種枚はすぐそちらに集中し始めた。

それから約10分に及び、種枚は電話口の相手と楽しそうに会話を交わし、満足げな表情で通話を切った。
「助かったよ鎌鼬。あの子、元気そうだった」
そう言いながら種枚が放り投げたスマートフォンを、鎌鼬は一瞬取り落としそうになりながらも、どうにか受け止めた。
「もっと丁寧に扱ってほしかったなぁ……あ、そういえば」
「ん?」
「俺の……姉弟子? って人は、どういう人なんです?」
「たしか今中2くらいだったっけかな?」
「俺より年下」
「あの子はねぇ、『河童』を喰った子だよ」
「かっぱ」
「ああ。お前なんかよりずっと上手く折り合ってる良い子だぜェ」
「子供どうしを比べて評価するもんじゃねッスよ」