「一人にしてよ。」
ぼくのお節介が、君を傷つけたのか。
君は暗闇に目を向けて、溜息をついてた。
「一人にしないでね。」
そういったのは君じゃないか。
約束を守るのは普通でしょ?
小さな小さな哀しい背中に声を掛けた。
「一人にしないから。二人にさせてやる。」
一人きりが嫌なのでしょう?
ならば、二人きりになってやる。
嫌がる君を無理やり抱き寄せた。
「約束は、守るから。」
腕の中の温もりが加速した。
「私が誰かに注ごうと思ってる愛は、きっと歪んでいるんだろう」
いつからだっけ、こう思いだしたの
私に話しかけてくれる君
私に答えてくれる君
話せるだけで舞い上がりそうなの
顔がすごく熱くなってるの
でも君は気づいてないよね
隣に来た女子とも
楽しく会話を広げる君を見て
気持ちが沈んでること、気づかないのね
君の行動で、私の心は揺れる
どうかお願いです、気づいてください
極めつけは今日だ。英語の時間、課題をやってきていないのがバレておこられ、部活では動きが悪い、集中しろと先輩に注意され、些細なことで帰り道、友人とケンカし、そのまま別れた。こんな気分で帰ってきて、親からかけられた言葉が、
「お帰りなさい、碧。サンタさんへのお願い事、決まった?」
だ。その言葉自体になんの悪意もない。しかし、碧は"サンタ"という単語が出る度に消したい、忘れたい記憶があった。碧は、そんなことも知らない、自分をちゃんと見てくれていない親が嫌いだった。
小学校二年生の時、調度今くらいの時期だ。碧は、サンタがいるということをずっと信じていた。同級生とそういった話をしているときに言われた。
「「え、お前まだサンタなんて信じてんの?馬鹿じゃん!幼稚園児かよ!」」
小学生の碧は、そう言われたことがショックで、以来、サンタなんていないと、非現実的な事は信じないと言い聞かせてきた。
しかし、母の言葉。あまりにも子供扱いをし過ぎている。小学校二年生以来、欲しいと書いていないのにも関わらず置かれ続けているプレゼント。それは、本当にその時に欲しいプレゼントで。
(……くそっ…。)
幼い時の自分を見ているようで、本当に嫌だった。
続く
よく、無口で一人ぼっちの子を空気みたいな存在っていうじゃない。
でも、それって何か違う気がする。
だって、私たちは空気がなければいきられない。
だけど、一概には言えないけど、無口で一人ぼっちの私は、私なんて必要ないって思ってしまう。
だから、空気に変わる言葉を探してみた。
でも、いくら考えても答えは見つからなくて。
そうしたらふと思ったんだ。
やっぱり答えはないのかも。
やっぱり誰かが言ったように必要のない人はいないのかなって。
だけど、私は今日も空気に変わる言葉を探してる。
何処までも透明な水に
青ざめた心と言葉を浸ける
きっとそれは今まで見た事も無い
綺麗な色に染まるだろう
ほら、また泣いてる。
泣いたって何も変わらない事 わかってる。
でも悲しくて悔しくて、涙が止まらないの。
痛いんです。
苦しいわけじゃないんです。
自室のカーテン、揺れる。
痛覚じゃ足りない この虚無感が
僕を襲ってくる 冷めた珈琲が冷たい
この気持ちが編めない
しなくていいから、言葉にならない
曖昧な僕を夕日だって嘲笑う
僕だって僕を嘲笑う
信用できるのはキミだけ
って、呟いて天体望遠鏡を構えた。
僕の感情が消えた
大事にしていたはずの僕の感情
愛した人も嫌った人も笑った人も
何もかもが消えた
いつ消えたのか
どこで消えたのか
なぜ消えたのか
誰に取られてしまったのか
感情は僕の大事な大事なもの
愛した人も嫌った人も笑った人も
なにも覚えてない
感情が取られただけなのに
記憶もなくなってしまった
記憶が消えた
記憶を取られた
記憶を奪われた
神様僕の感情と記憶を返してください