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どうして泣いてるの?
大丈夫だから、大丈夫だからって
出ておいでよ
隙間から覗く目が
せっかく元通りにしたのに
メチャクチャになるかもって
何も怖がることなんてないよ
君は君でいてね
誰もいなくても僕には分かるよ

4

色、

真っ赤な夕日は
誰かの心臓でしたか

真っ白な朝は
あなたの涙でしたか

青く澄んだ空は
大きく広がった翼を守るためでしたか

藍色に染まった夜は
輝く星を忘れない為ですか

何者にもなれない私は
何色ですか

5

おやすみ即興詩。

見えない泪でくすぐったい鼻の頭、
いつからかなんて知らなくていい。
目を瞑って、このまま溶けて眠れるのなら。

ふ と、遠くなった
世界はぼくを置いたまま
転がってどこまでも
向きなんてもう わからないから
おやすみ、おやすみ。



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無題

ぱくり ぱくりと
空を食む

腹の足しに なりもせぬ

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第2交響曲

あれから2日、全ての準備が整った...
「パチェ、いくわよ!」、作戦はこうだ、クランがサーチ魔法と転送魔法を同時に展開し、サーチ魔法で補足してその後、ルナの分身(コウモリ)を、そこに転送するというもの、問題があるとしたら...
「パチェ!まだ!?」、「今やってるわよ!ん........いた!ルナ!準備!」、「了解、じゃ、やりますか」、「ルナ、早く!結構、維持大変なんだから!」、「わかってるわよ...」、ルナの分身であるコウモリが、魔方陣に飛び込んだ...
とある山道、団子屋でくつろぐ女性が1人、「(これ...けっこういけるわねぇ...ん?)」、目の前に魔方陣...そして、コウモリ、「(もう...あの子達ったらぁ...そうだ、ちょっと驚かしてあげよう)」、その後、呪文を唱えだした、これが、いけなかった...
魔方陣から飛んだ、一閃の閃光、それが、ドアの陰から見ていた、サクに直撃した...
クランが魔方陣から飛び出して来た、「ちょっと母さん!今の魔法何!?」、「え?潜在能力開放の魔法だけど...」、「1人に当たったんだけど!」、「あの面々なら大丈夫じゃない」、「違う!境界を越えてきた子よ!とにかく来て!」、彼女は魔方陣に入った...
「さて...当たった子は?」、彼女の名前は、レイナ・スカーレット、ルナとクランの母で、最強クラスの魔法使いなのだが、重度の放浪癖持ちで、突然出ていくため、娘たちにも、どこにいるかわからないというのだ、「この子よ!」、「んー?ほれっ」、レイナはでこを軽く叩いた、「ん...あれ?」、「よかった...」、ルナが半べそかきながら言った、「さて...何が覚醒したかな...?ねぇ、ちょっと力んでみて」、「え?いいけど...ふん...!」、その後、数秒、彼の体は人の形をした、灰色の狼になっていた...

4

君の好きな音楽をガンガンにかけて寝たい

君が好きだったハードロックは僕に愛のなんたるかを懇切丁寧に教えてくれるけど何にしたって、今日はいなくなった君の代わりがどうしても必要なんだ。そうなんだ、どこまで行ったって地続きで、離れられないと思ってた夜は、ジントニックの切れ味鋭くスパッとどっかに切り離されちまった。掛け布団をぎゅっと集め抱き留めて、嫌にカチカチになっちまった顔面を解きほぐすように泣いた。声が外に漏れないように気遣って、頭ん中ドロドロになって叫んだ。君が言ったんだ、君が言ったんだぞ。どうにも終わりは来そうにないって、君が言ったんだ。世の中は常にもがもな渚漕ぐ、なんて思いついて、いよいよ嘘っぱちだ、こんなの、世界がそれを愛と呼んだら壊れちまうほど笑ってやるよ。そうだ、それは、君が好きだったハードロックの、唸るように叫ぶ一瞬の愛と、どこまでも響いていくギターの無鉄砲で馬鹿げた勢いみたいに美しくて、夢みたいに美しくて。

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無題

振袖に袖を通して
貴方の臆病を一蹴する権利を得るの

美味しいアテの作り方
綺麗なビールの注ぎ方

花嫁修行にしては安っぽいけど
貴方のために覚えたの

水回りのお掃除
洗濯物のアイロン掛け

みんな私に任せてね
ネクタイだって 毎朝私が選んであげる

だから だから
2度目も 気の迷いだなんて
そんなふうに誤魔化したりしないで
私の想いを 踏み躙ったりしないで

ね、お願いよ 先生

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もう

理不尽な世界に、あたしは一度心を閉ざした。
あなたが無理矢理引きずり出したんだ。
だのに、今度はあなたがその理不尽な世界そのものだと言う。
あたしはどうしたらいい。

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こころのなかの絵本

小さい頃、よく、眠りにつく前、
繰り返し、読んでもらった絵本。

物語の中は空でも飛べて、
大きな怪獣も、必殺技の一撃で倒せる、
ビー玉の中に海がある世界。

初めての憧れ。

ページをめくる、
紙と指の擦れる音に心を踊らせ、
次の世界の虜になる準備をする。

小さかった頃みてた世界は、
もうないけれど、
続いてく世界の中で、
変わらずに、今日も生きてく。

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待ってて、いま行くよ

ひとつまたひとつと瞬く星の合間を縫い、柔らかに笑う月を「せーの」で飛び越え、昼間に溢した涙の海に溺れる君を助けに さ