薊の叫ぶ声は悲鳴と化している。
震える朔は、それでもしっかりした面持ちで紗那の父を見る。
「さ、紗那殿のお父上。
しかし、そ、それでは母が殺したという確固たる証拠がございません。」
必死に大人の口調を真似る。
薺は肩で息をしていて、不安そうに子供二人を見上げていた。
「それは__お前達が鬼だからだ。」
空気が凍った。
紗那の父親の目は据わっている。周りを見れば、他の村人もそうであった。
「人間じゃない。俺達とは違う。
違う"力"を持っている。」
「な、何を…。」
「いつかボロを出すと思ってはいたが…こういった形で俺らに歯向かうとはなあ鬼共!」
再び薺を蹴り、そして踏んだ。顔を、だ。
朔は薊を庇い、見せないようにする。
「お前達もだ。いつまた、ここにいる誰かを殺すかもわからんからな。」
そう言うと、違う人が、朔と薊を連れ出す。
「やめて!
せめて二人は見逃してやってください!!」
「おーおー命乞いか!?」
「母様は殺してなんかいない!」
「だったら誰が娘を殺した!」
「母様じゃない!」
紗那の父親と薊は止まらない。しかし、力で薊が勝てるわけがなかった。
「ちょっと黙れ嬢ちゃん。君も母様のようにしてほしいか?」
「__触るな。」
何かの圧力がかかったような感覚。
深い翠の目で睨む兄に守られた妹。
その瞬間を、薺は見逃さなかった。
「人生に疲れたよ」加藤はシューアイスをモゴモゴ咀嚼しながらそんなことを語る。僕は、教室の隅から、そんなことをシューアイス食べながら語るな、といきどおる。シューアイスだぞシューアイス。廃れた校舎の夕方に似つかわしくない天使の食物。神の慈悲、感涙すべき僥倖、なんと言う幸せ。夕日に照らされ赤茶けたロッカーから体操着の腐敗臭、黒板の周囲にチョークの粉末等々が漂う中で鬱屈した青春の唯一の救い、シューアイス。僕らは間違っていた。人生に疲れているのではない。シューアイスのない人生に絶望するのだ、とかの有名なニーチェでさえ言ったかも知れない、あの時代にシューアイスさえあれば。加藤は相変わらずふて腐れながらシューアイスを頬張っている。もう限界である。僕は、シューアイスの何たるかを理解しない加藤に天誅を下すべく決意した。僕は目の前の女子共を蹴散らし行く手を阻む体育会系男子共をちぎるように投げ飛ばす。加藤はおののく。シューアイスを食べる手を止めた。僕は、机の上に置かれたシューアイスに目をやり、融けないで、と心の中で祈る。僕が助けるまで、どうか。加藤は遂に立ち上がり、早速シューアイスに対してのあること無いこと罵詈雑言、誹謗中傷を繰り返す。僕は聞く耳を持たない。仇を取ると決意したのだ。見ていてくれ、このあけすけな青春に、シューアイスの花が咲く。
いつだって、揺れていたいよね。
忘れずに見た夕焼けはロゼワインの溶けた色。
明日は早起きの日、たぶん眠れない夜。
そっと目を閉じた。
瞼の裏にホワイトノイズ。
ぼくだって生きている。
産声には言語も国境も人種もない。
獣から遠ざかるほどに 神さまからもかけ離れて。
理解し合うには複雑すぎるほど 人間になってしまうのだ。
それだって 許しあってしまおうぜ。
分かり合えなければ 笑い合えないか?
知り尽くさなければ 愛し合えないか?
人生が天国から落下していく過程にすぎないとしてもだ。
下らない人生はあまりにも退屈だから。
坂道を下り続けるのだ。 高らかに笑いながら。
遠い何処かで
飢え死ぬ人がいるからなんだっていうの
瞬きの間に
殺された人がいるからなんだっていうの
目の前で苦しむ私のことすら救えない
そんな貴方が都合のいい時だけ
ポルノとして それを持ち出すことのほうが
そうして優越感に浸ることのほうが
よっぽど傲慢なんじゃないの
『A.L.N(オール・ランド・ネイチャー)』
その大陸はとにかく長かった。
東西南北至るところに大地が手を伸ばしていた。
北へ、南へ、西へ、東へ。
そこは住むには悪条件が集いに集っている場所だった。
少し北へ行けば極寒の気候に、
少し南へ行けば湿気の酷い熱帯気候に、
少し西へ行けば原生物の住み着く遥かに広い森へ、
少し東へ行けば古代文明の残像が残っている場所だった。
しかし彼ら彼女らは運命的兵器である。
気候でさえ蹂躙していまう。
彼ら彼女らはそこに国を建てた。
運命的兵器の楽園を、
哀しき運命を断つ刃を。
その名は【A.L.N】。
国旗は蓮の花と鉛の刃である。
To be continued #63 『全世界運命的兵器機構』
P.S.自分のPCをwin10にしながら書いています。
だって暇だもん。
閉じた箱は失った。
塗り替えられた新たな箱は、禁じられた言葉を含む。
私が見ている緑の残像。
もう、どこにもない。
変わる掟に追いつけないなら。
秩序の形が見えないのなら。
飲み込めない違和感に潰されるなら。
ここに「私」は存在しない。
「紗那を…殺した…!?」
聞こえてきた単語に、薊は色を失う。
思わず、といったように薊は扉へ向かう。朔は止めようと自分も向かうが、立ち止まってしまった。
村人全員と言ってもいい。皆、家を囲んでいる。鬼柳家の家を、火を掲げて囲んでいる。
薺は、その内の一人の男に髪を無造作に掴まれている。力なくその場に座り込んだ姿は痛々しい。
「母様!」
「来ないで!薊!」
「待って!薊!」
母と兄の声が重なる。
「なんで…なんで!」
薊は睨む。母を掴んでいる男を。
男は口を開く。
「紗那の友達の嬢ちゃんか?
…うちの紗那が殺されたんだよ、お前の母親にな!」
薊は理解出来ていない。
「なんで…紗那が殺されるの!?
それに…母様は殺してなんかいない!」
「黙れっ!」
びくっとする。大の大人に着いた四歳の子供が勝てるわけがない。
紗那の父親は口を開く。
「なんで殺されるかなんて…俺が聞きたい…こっちは愛娘殺されてどうしたらいいかわからないってのにっ…!」
「じゃあどうして母様が殺したなんて言えるの!?」
父親は吐き捨てるように言う。
「紗那と最後まで一緒にいたんだ、こいつが!村人が見ているんだ、家の前まで送っていたところを!」
「ですから私は__」
「黙れ!」
蹴り飛ばした。夜だというのに、緋い血が鮮やかに散る様子が目にはいる。
「母様!」
ルナの傍らで見守る母、ふと懐かしい気配を感じた気がした、彼女がまだ小さいときに、ずっと側にいてくれた、彼に似た気配...
「だぁ!」
「まだまだぁ!」
「くっ...」
決着が付くはずもなかった、二人は完全に互角だった
「くそっ、こうなったら!」
龍騎サバイブがバイザーにカードを挿入する
STRANGE VENT!
バイザーが再び開く
CONFINE VENT!
リュウガのサバイブ形態が解ける
「よし!なんとか成功した!」
龍騎サバイブがバイザーにカードを挿入する
FINAL VENT!
「くらぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
リュウガはなす統べなく消滅した
「はぁ...はぁ...はぁ...」
龍騎は変身を解いた
「オラクル、大丈夫か?」
「えぇ、私は大丈夫よ...それより、シンジ、あなたこそ...」
「俺は...大丈夫...だ...」
シンジはその場に倒れこんだ...
「クソ!これも失敗か!」
『そこ』で戦いを見ていた影はどこかへ飛び立った...
苦しい時期を過ごした
たくさん傷付いた
動けなくなった
立ち上がっては
打ちのめされた
でも また立ち上がれる
でも まだ戦える
最高の戦いを
最後の戦いを
今こそ始めよう
私と彼らの違いとは、努力の違いなのかしら。
人生のほとんどを、家にこもって生きてきた。
ぼんやりと、時間が過ぎるのを待っていた。
努力どうこうは信じていない。
けれど、頼るものが素地の良さしかないなんて、きっと情けないことだろう。
(思えば、小学校から不登校で、高校も予備校も行かなくて。勉強もまともにしてなくて。なんて不思議な受験。)
ひとつ、内省を始めたら、生まれたことの間違いに着く。
仕方ないと甘んじて、すべてを隠してしまいたい。
それでもいいでしょう?明後日までは。
(受験より先に、解離を治すべきだった。センター利用しか受けないので、土曜日が最初で最後。)
言葉なんていらなかった
ただ一緒にただ隣にいるだけで心が満たされる大好きだよ