マカロニ茹でた塩ふった
台所でもそもそ食べる
少しだけ前髪を切ったんだ
雨がよく降るこの街を知らない君は
あたしの知らない街で今日も眠る
一枚だけ残しておいた写真は
夜行バスの中で消しました
なにしてるの
あたしは
赤いタワーのふもとで
大人のふりして生きていくから
「ドロドロに溶けてしまったね。」僕は目を覚ます。ベニヤと埃の匂いがする。ぼんやりとした視界が段々ハッキリしてきて、目の前には神崎がいる。麗しの神崎照美。1組のマドンナ。僕がシューアイスの次の次くらいに好きだった女性。霧がかかったような思考で僕は何が起こったか必死に思い出そうとしてみる。そうだ、僕はあの下劣極まる加藤をボコボコにぶっ倒したあと、やつが食べていたシューアイスを救おうとしたんだ。「こんな、形の無いクズみたいなもののために人の彼氏殴ってんじゃねえぞ、落とし前つけろよ。」ドスの効いた声が響き、咄嗟に逃げようとするが動けない。ロープで縛られ、地面に転がされている。僕はあの時、今にも崩れてしまいそうなシューアイスを掴もうと手を伸ばした。あと少しでその純白の肌を劣悪な環境から救ってやれる、そう思ったとき、背後から何者かに殴られ昏倒したんだ。「そんなに大切ならくれてやるよ、ほら。」頭に何かトロリとしたものをかけられる。僕は咄嗟に目をつぶるが、甘い香りが鼻につき、神崎が僕の頭にかけたものの正体を知ってしまう。不敬だ。これは、何よりもしてはいけないこと。シューアイスを、僕の体で汚すなんて。何という愚行。何という失態。僕は怒りと恥ずかしさでわなわなと震える。助けてやれなかった、その罪を、僕は今身をもって味わっている。
「蒼、足!」
跳ぶ蒼の背に背をぶつける。
「姐さんは?」
「大丈夫。怪我は?」
「無し。――近距離戦に持ち込む。」
「平気?」
まるでしゃぼん玉を追いかける子供のよう。不適に笑うと、
「武術をたたきこまれてるんでねぇ…反撃だ。」
互いに体重を背に込め、反動で前に駆ける。朔は東の雑木林、蒼は西の廃屋を目指して。
名前を呼んで、
春っぽいよねとあの人がいったから
春はあのひとの季節。
嫌われたくなくてホントの自分を隠してキャラを作った
嫌われたくなくて無理して話を合わせた
いつの間にか自分が誰か分からなくなった
自分がたまらなく嫌いになった
そんな時あなたに会えた あなたと話した
今あなたは遠く離れた地
夢を追いかけるあなたに伝えたい 「私はいつも想ってる。」
君の前ではいつもそっけない。
でもホントは気づいて欲しい。
君が好きだって
「君は好きな人いるの?」
「君は僕のこと好き?嫌い?」
「君ともっと仲良くしたい。」
そんな気持ちを胸の中いっぱいにして
昨日も、今日も、明日も
君のキラっと輝いてる笑顔を
そっと横目で見ているね。
川を流れる蓮の葉を眺めながら、食べ終わったお弁当箱にふたをする。誰か気づいてくれないかなぁ…。そう思いながら、今はただ、無心で働く。
好きならすきっていえばいい。
好きなものがあるってすてきなこと。
どこへ行こう
いったい僕はどこへ行こう
こんな時間にどこへ行こう
たったのひとりでどこへ行こう
夢も見ないで