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七夕

いつもと少しだけ違う夜に
人は願いを込め空を見上げる
酸っぱい雨を降らせる雲の上では
惜別の情に俯く星々の涙
離れ離れになっても尚その強い光を失わぬ愛は
それらを見守る一際輝く星とともに
夜空に大きなアステリズムを描く
雲海に隠される星々の逢瀬に
人々は浪漫を抱く
天からの贈物のような綺麗な着物を着た貴方
別れの発ち際にようやくその愛に気付いた僕の
ただあの頃に戻れたらと届かぬ願いを込めた光は
ただ俯く僕の頬を落ちて行った

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もうそんな季節です。

「……アツいね~」

「そうだね……」

今年の夏は一段とアツくなりそうだ。

……君のせいで。

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×烏の微笑み×

今僕が考えなくてはならない大事なこと。
まあ、部活とかも考えなくてはならないのだが、もっと大事なことが。

父のあの話を聞いて一つ思った。
それは……

(母さんを殺したのって父さんなんじゃ?全部、父さんの嘘なんじゃ?)

ということ。

そう広くもない川に飛び込んで、未だに死体が見つかってない。
普通はすぐに見つかるのではないか。
それでも見つかっていないのは母が飛び込んでいないからではないか。
母は父に殺されたのではないか? 

父は吸血鬼だ。
母は人間だ。
父は母を襲ったのではないか?

そう思った。

でも、それを僕には証明できない。
どうにかして証拠を見つけ出し父の嘘を見破りたい。
なぜそう思うのかはわからない。
が、見破らなければ後悔する気がしている。

(でも、どうやって証拠を見つけ出そう……?)

ゆっくりとやっていくしかなさそうだ。
とりあえずはもう、すぐにテストもあるし勉強かな、という感じだ。

To be continued…………

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×烏の微笑み×

今日から各クラスで授業が始まる。
僕のクラスの担任はちょっと強面の男性教師だ。

「このクラスの担任になった大倉 淕だ。よろしくな」

顔は怖いが話を聞いている限り、優しそうだ。
教科は数学。頭はいいらしい。

「よし、一時間目は自己紹介といこうか。出席番号順で名前と一言。じゃ、一番から」

先生のその合図で出席番号一番の人から、自己紹介が始まった。
このクラスは総員36名。
今時の高校にしては多い方だ。

「よし、次。9番!」

(僕だ……)

ガタリと椅子をならしてゆっくりと立ち上がった。

「…枝斎 洋汰です。えっ……と、趣味は読書です」

というと、クラス内がざわざわとし出した。(それもそうだ。ピアスつけてて茶髪の男が“趣味は読書です”なんていったら、びっくりするよ)

髪が茶色なのは母からの遺伝だそうだ。(父から聞いた)

「よろしくお願いします」

できるだけ深く頭を下げる。
面倒なことにならないように。

頭をゆっくり上げて席に座ろうとすると、

「なんでピアスなんかつけてんの?お前」

出席番号一番、えっと名前は……たしか“アラタケ”だ。
早速突っかかってきた。

「ああ、アラタケ。それには深い意味があってだな……」

先生が弁解し出した。
(先生、知ってるのか?)

「枝斎のお父さんが魔除けのためだと言ってたよ。枝斎は魔物に憑かれやすい体質なんだそうだ」

あ、やっぱり嘘ついたんだ。
ありえない!と思われるかもしれないが真実味のある嘘を。

「……なんだよそれ。甘やかされ過ぎじゃね?お坊っちゃんかよ」

嫌われたな。完全に嫌われた。
そして、たぶん彼はこのクラスで一番権力のある人物になる。(いじめられるな)

高校生にもなっていじめなんて……とも思うが彼、脳ミソは意外と幼稚そうだ。(このピアスが魔除けのためだって部分を信じるあたり、そんな気がする)
勝手な予想だが、彼ならやりかねないだろう。

(いじめられまくってなんとなく人間の心理がわかるようになっちゃった……)

とりあえず何も言わない方がいいだろう。
僕はそのまま席に座った。(今の僕にはそんなことより大事なことがあるから)それは………

To be continued……

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ぼーるあそび

まあるい形
きみは飛行機雲
とおくのほうへ
夕焼けの味
また明日って言えたかな
汽笛がほら、聞こえたら
振り向いて
きみが笑う
明日、晴れろ
明日、またね

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私にはない

私にはないものを他の人がたくさん持っているから辛くなる
私にはないものをたくさんもってるから何もかも嫌になる
「私にはなにもないのか」って毎回思う瞬間また何かを失う
私が1つ何かを得るとき他の人は10こ得ている
それが羨ましくて羨ましくて憎くなる
こんな私だから得るのも怖くなるのかな
何かを得るといつか失う気がして得られなくなる
大切な人や大切なもの何もかも

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相変わらず

君は変わってないね
いい意味でも悪いいみでも
私も変わってないのかな
変わりたかった
そろそろ変わりどき?

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余興

言葉足らずな人生観
ぶつけ合った先に空白
いいね、なんて言われるよりも
ぶん殴られるような衝撃を
これは恋じゃない

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私の人生の命題だと思ってる。

貴方を守るためなら
人を殺すことだって厭わない。

貴方を守るためなら死んでもいい。

本当に愛しているのはどっちなんだろう。

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×烏の微笑み×

幸せの絶頂だった父と母。
そんな二人をある災難が襲う。

「事故にあったんだ。母さんは」

母が家に帰ってこなかった日。
父はそう言った。
しかし、それは嘘だった。
本当は河川へ飛び込んで自殺していたのだ。
まだ死体は見つかってないらしいが。

(なぜ見つかってないのだろう?そんなに広い川じゃないはずなのに)

「その元凶は、俺だった」

母は父が吸血鬼だと知り怖くなって川に飛び込んだという。

「だからお前には隠しておいた。俺が吸血鬼だということも、そのピアスの意味も」

なるほど。
愛する人をなくしてしまったから慎重になっていた……というわけか。

「嘘をついていたことは本当にすまなかった。でも、お前のためだったんだ。許してくれ」

(はぁ、“僕のため”か…)

「……ありがとう。全部話してくれて」

今はそう言っておこう。
でも、この話を聞いて一つ、思ったことがある……

To be continued……