雨と一緒に、女の子が降ってきた。地面に尻餅をつき、「痛っ」と一言。
「大丈夫ですか?」
ぼくは駆け寄り、言った。女の子は、「大丈夫ですかって」立ち上がりながら、「あんたが呼んだんでしょうが」と続けた。
「ぼくが? 呼んでませんよ。だいいち、いったいどうやって」
「ああもういい」
「あの、なんか怒ってます?」
「怒ってない」
「怒ってる感じしますよ」
「怒ってない」
「怒ってる」
「怒ってない」
「怒ってる」
「怒ってない!」
「ほら、怒ってる」
「あーっ。怒ってないって言ってるでしょ! しつこいんだよあんたはあ! 子どものころから全然変わってないわね。せっかく来てあげたのに。帰る!」
女の子はぼくに背を向けると、助走をつけ、ふわり、高く飛び上がり、たちまち見えなくなった。
「なんだったんだろう」つぶやいて、二、三歩歩き出し、ついさっきまで、亡くなった姉のことを考えながら歩いていたことにやっと気づいた。
ねぇ
あんたはあたしと
未来を一緒に過ごしたいって
あたしのいる時間を約束したいって
そう口にしたね
嬉しかった
いとおしかった
だけど
だけどね
あんたがあたしの
あたしの命より大切な
一途に愛したあの人を
奪ったことを
あたしは知ってるよ
それでもあんたと
あんたの心と離れられないあたしは
心も身体も巣喰われた
おそろしい 悲しい
屍だ
言の葉を(柔い繭を)
紡ぐ
文にして(糸にして)
織る
物語にする(絹布にする)
それは
うつくしい布か
はたまた
おぞましい布か
長いようで短い夏がやってくる。
僕らの季節。
水飛沫に反射する太陽の光が僕らを飾る。
今しかできないことをしよう。
太陽の熱を全身で受け止めて僕らの夏が始まる。
飛び込もうーー、夏の向こう側に。
その先にある最高の景色を見に行こう。
例えば、淋しい夜があったとして
そこにたくさんの星々を散りばめたら、
君は笑ってくれるだろうか
真っ白な絵の具を
そのまま絞ったみたいな夏の雲を
千切って綿菓子の様に口の中で溶かしたら、
暑さを少し忘れたアスファルトが
夏休みの半分を蒸発させた
もう直ぐ夕焼けに染まりそうな町と
何故か愛しい日焼けの跡だけを残して
ひざ蹴りを食らわせてやりたい。ぼくはこんなに美しくて残酷な春を超えて夏に会えたのに、どうしてこんな仕打ちに会わなきゃいけないんだい。神様なんて嘘つき。神様はいないから嘘つきもいないけど。
きみが返事をくれるだけで生きていける。春も夏も秋も冬も生きていける。花粉症になることもないし熱中症も心配ない冬眠もいらない。全部オールオーケー。
なのにこんな仕打ち。あの子の返事も無駄になってしまう。怖い怖い。君は何を知っているの。一瞬にして消える前にもう一度ちゃんと見て欲しい。
夏も生きてるよ。
うにゃっ
うにゃうにゃうにゃうにゃうにゃっ
うにゃっ
うにゃうにゃっ
うにゃうにゃうにゃっ
うにゃっ
うにゃばら〜
貴方につけたあの名前。
僕が名乗ったあの名前。
今の僕にこんな資格はないけれど
貴方の名前の一部になること、
どうか、許してください。
「僕の名前は__です。」
駆け抜けるならば一人で 夢を見ることを忘れた少年の夜
いつまでも揺れる、揺れるよ街灯の光の先の 僕の真ん中
ついふとした時に君の匂いがして
一瞬できえた
大好きな君の匂い
真っ黒な私の心をピンクにしてくれた
ついふとした時に君の顔が浮かんだ
どこか片すみにずっとあった
なんでかは分からないけど
君の顔を見ると安心する
ついふとした時に「好き」という言葉を
言っていた
これが私の本当の気持ち?
これが恋と知ったら切なくてけど嬉しくなった
夢を見る時間がほしい。
そうやって逃げてきたけど
現実が矢のように心を刺す。
苦しい。知りたくない。
そんなこと思ったってなにも向上しない。
コーヒーよりも苦く砂糖よりも甘い
この世界で生きていく。
朝から雨が降っていることがあります
こんな朝もいいかなって思ってしまった理由は
多分、周りのみんながわたしよりも
ちょっとだけ浮かない顔をしていたからでしょう
君の描いた理想の世界。
僕が君の理想の僕になる瞬間。
照らし出せ、色をつけろ、音で彩れ。
緞張が上がる。
この一瞬を仲間と共に。
自信の剣と努力の盾を持て。
今、足を踏み出す。
さぁ、ステージへ。
君は私にとってこれぐらいだったなんて。
案外簡単に忘れられたなんて。
あの時の私はこんな事考えてなかったな。
君を忘れてから、辛いことばかりだ。
君とあの子がお互いを思い始めてからあの子のことをずっと憎んでた。
君は何も知らないよね。
消えればいいのにとか思ったよ。
最低な奴になっちゃったな。
これでも生きていけてる。
また新しい誰かに逢えるのかなぁ。