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粉が舞う

爪磨きで
爪を削るような生き方

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あめ

あめみたいに
じゅんすいで
きれいなひとみだったら
せかいはうつくしくみえるんだろうね。

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こえ。

休み時間。
みんな思い思いに話してる。
ぼくはお昼寝。
うそ。
タヌキ寝入り。
遠くで話す君の話し声を聞いてる。
その少し低い声が好きで。
一人でにやけてしまうわけで。
そんなこと君がもし知ってたら。
ぼくはきっと
心肺停止して
君の声でまた目覚めるんだろうな。

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夜の

独り言が
部屋の闇に漂う
口から出ては耳に帰ってきて

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きどきど

寒かった今日。
君は、制服の中に着てるセーターの袖を伸ばす君。
萌袖というやつ。
心臓が
血管が破裂しそうで
ぼくの血の色で君が染まったり。
しないか。

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もう慣れちゃったよ

また自分の陰口言われてるの聞いちゃったよもうやめてよ辛いんだよ気づけよなんで広めるんだよやめてくれよ
僕がそんなこと言われてるの聞いてもやめなよと言う勇気のある人は現れない、ただみんな関わりたくないんだ面倒事とはマンガのようには味方が出来るとは思ってないさでも不格好にでも止めてくれる友達もいないなんて一体誰を信じればいいんだよ何をどうすればいいんだよどうすれば信じれる友達が出来るんだよわかんねぇよこんなんじゃ学校なんて偽物の吹き溜まりじゃあないかひとりくらい味方になってくれる奴はいないのかよ…
そんなに強くないんだよ周りが思っている程僕は強くないんだよ

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君はとっても優しいから、私が想いを伝えたらきっと困っちゃうね。

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涙コルク

どうしようもなく薄いガラスが割れるように
流れて欲しくない涙が溜まりに溜まって
いつ、たぷたぷになっても不思議じゃない時
頑張って堪えて耐えて耐えて
それでも 例えば 魚の焼ける匂いとか 例えば おかえりという言葉とか
そんなふとした時に ぽシュンと外れて
昨日の雪に染みてゆく


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コーヒーブレイク⑬

結婚式はスムーズに進む。
流石この職のプロたちだ。もう慣れたものか。

僕の高校時代の友人がスピーチで笑いをとり
妻の友人が涙を誘う。

至って普通な結婚式。僕達にはそれが丁度良い。

楽しい式ももう終盤にさしかかる。
テーブルに運ばれる美味しそうな食事。
キンキンに冷えてる水。対して熱々の珈琲。

うん。やっぱり好きだこの香りは。
あの時からか珈琲の香りが好きになったのは。

...違う。違う違う違う。違う違うんだ!
僕は確かに珈琲の香りは好きだ。
でもこれは違う。違うんだこの香りは。

僕は運ばれてきた料理より先にその珈琲に手を伸ばす。そして見つめる。

やっぱりそうだ。これは...この珈琲は...。

味を確かめなくても解る。香りだけで充分だ。
何杯何十杯何百杯飲んだであろうかこの珈琲。

そうだよ。あの喫茶店のあの珈琲だよ。
僕はそばにいた式場の人に声をかける

「この珈琲はどこのですか?」
質問の内容に少し驚いた後
「はい。先程どうしてもこの珈琲を貴方に飲ませたいと申した者がおりまして...」

僕はその言葉を聞いた瞬間妻にトイレに行くと言い残し式場を飛び出た。

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無題

今日は寒かったから
ホワイトシチューにしてみたの
絶妙な温度のバターで小麦粉を炒って
慎重に慎重に ミルクを溶かした

鶏肉は ちょっと贅沢して手羽元を
じゃが芋は蕩ける少し手前
ブロッコリーが欠かせないの
君はこの時じゃないと食べてくれないから
人参と玉葱も忘れてないわ
甘いお野菜は好きでしょう?

シチュー皿とスプーンは樫の木
焼きたてのパンを添えて
お気に入りのテーブルクロスに花を飾れば
憧れの絵本の一頁

だけどきっと今日も
君はご飯に掛けたがるのよね
そんなのは ちっともお洒落じゃないけど
完璧な食卓に水を差すものだけど

仕方がないから新米も
つやつやに炊いておいてあげる

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帰り道

秋の夕陽を背に浴びて

色づくイチョウは黄色いランプ

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無題のポエム

心に空いた穴を埋めようと思う。
埋まる瞬間はあっても、すぐ穴が空く。
穴が埋まる瞬間を求めている。
そろそろ、穴が開いたまま生きようと思う。

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きみはまぼろし

君の吐いた白い息
君がこの世界にちゃんと存在してるって
確かめることが出来る

そんなこと言ったら君は笑う?

でもボクはいつも不安なの
君が本当に"そこにいるのか"って

そんな不安がなくなるように
君の頬に触れて
この腕の中に閉じ込めて
君のぬくもりをいっぱいに
感じることができたらいいのに


君がちゃんといますようにって
雪の妖精に祈ってみたりする

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君へ

元気ですか?
私は髪も伸びて、少し背も伸びて、我ながら大人になりました。
大好きだった人。人生をかけて守りたかった人。正に、初恋。

初めて出会った時から、何か違うって分かってた。出会った街で、今は貴方の知らない人を待つ。初めて触れた時、世界が色づいた。その手は、貴方じゃない人の冷えた手を温める。

別れの日から月日は流れた。未だ帰らぬ君の歌を、今も私は待っている。
その恋がさめた今も、君のことを愛してる。