表示件数
0

無題

背が高くて眼鏡で天パ
楽しげに毒吐く薄い唇が
本気で弱っている時には
決して笑わないのを知っている
蔑み色に似た瞳は
本当は地の果てまでも
公平なだけだと知っている

背が高くて眼鏡で天パ
少し冷たい顔立ちが
笑うと甘くなるのが好きだった
神経質そうな尖った声が
和らぐ瞬間が好きだった

背が高くて眼鏡で天パ
冷血の指先と色のない肌
いつでも黒いシャツにスーツ
鞄のセンスは少し変

冗談のつもりの でっち上げのつもりの
勢いで頷いてしまった初恋が
じわりじわりと
真実味を帯びてしまって笑えない

0

小雪の散る町へ

夏の輝きとは違う
何かきらきらしたものをまとって
地球の真ん中の隅っこにある
僕らの町も冬色に染まる

壊れた回転いす、先の曲がった箒、
すべて飛ばしていくような旅の途中
次の行き先も告げないままに
ゆっくり、僕の中を通過していく

染み付いた茶色はとれなくても
もっと大事なものをこすり取って
よいお年を、なんて言ってられないんだったら
それでもいいや、と明日を待とう

それが冬だって知ってるから

0

正直なハート

私、もしかしたら君を好きになっちゃったのかもしれない
でも、ダメだよ、そんなの。
君はあの子の好きな人なんだから。
そんなのダメ、絶対に。
なのに気持ち溢れちゃいそうで、
隠すの大変だよ、本当の気持ち。
嫌だな、親友と同じ人好きになっちゃうなんて
そんなのドラマとか漫画とかでしか知らなかった。
こんな苦しいのやだ。早く終わればいいのに。
私は親友も好き。君も好き。
どっちも失いたくない
だから 
我慢するね。正直なハート。

0

足の指左右五本ずつ骨折

昨日と今日、今日と明日
1,2,3,4,5と日にちを数えて
クリスマスからこっち約5日
向こうに彼氏が出来たくらいで無くなるような
軽い恋では無かったようで
いっそ風船のように
手放すとふわふわ飛んでゆけば良かったのに
手放すと岩のように爪先に落ちてきて
そこから一歩も動けていない
今日と明日は違うはずなのに
頭の中で考えているのは同じこと
いつか、この足の痛みがなおって
踏み出す一歩がどこに向かっても
結局君の見える場所にたどり着くのだろう
なにかあったら前と同じように話を聞いて
励ますんだろうか、君を
僕が目の前で見たい笑顔は少し遠くになるけど
その分いろんな君が見れるかもしれない
いつかその笑顔がこっちにむくように
今は少し、君の幸せを心の真ん中くらいから
応援してみます

0

うたうたいの独り言

夕陽の見える丘で君とふたり。

夕陽が彩るコントラストは君の心と僕の心。

ココアとコーヒー。

夕焼けと星空。

ダッフルとピーコート。

過去と未来。

夕陽の見える丘で君とふたり。

僕らは太陽でも月でもなかったみたい。

(片想い委員会に参加してくれたみなさん、本当にありがとうございます。雨天同好会をみて羨ましいなぁ、かんなみんなを巻き込んでやれるようなことがしてみたいなぁ、なんて思ってたので本当に嬉しいです。忙しくってレスすることができてませんが…みんなの読んでます。すごく素敵で、個性が出てて、いいなぁって思います。来年も引き続き、てらさんを、片想い委員会を、よろしくお願いします。)

それではよいお年を。

なんて。

0

理不尽な歯車

回らない
噛み合わない
合わせようとしない

やりたいこととできることは
いつだって正反対

それでも
星も時計もくるくる回る

世界はそんな
理不尽な歯車

0

西日に染まり、君に続く。

朱く染まる夕焼けの中で、
僕は或る落とし物を拾った。
それを辿って手繰って、
僕は君に辿り着いた。
僕は君を手繰り寄せた。
今夜は月も見えないし
君を抱いて眠ろうか。
掌にあの落とし物をしまって
朝方、柔い光に包まれて眠る
まだ眠っている君を起こさぬように
そっと摑んだ掌を開く。
なんだ、昨日辿ってきたのは
昨日手繰っていたのは
なんてこと無いただの糸か。

2

あなたを想うから

え?って顔をしてこっちをみた
ほんとに不思議そうに、なんでっ?って
顔をしていたのに

ごめんね。大切にできなくなっちゃったの。だからお別れなの。ごめんねって、そんな顔をしていたはずなのに

手を離したのはわたしなのに

あなたのおもかげが部屋にあふれているから あなたからもらったプレゼントが捨てられないから

あなたをいまも想うから

あの頃よりよっぽど苦い
カフェオレの味