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恋せよ、乙女。

薄っぺらい文明の利器を掌に握って
何百キロも離れた君の声を待つの

科学の進歩に感謝して
「久しぶり」って
確かめ合うの

少し上ずった声、
笑い方、
心臓がきゅってなるものばかりで
少しずるいよ、

いのち短し恋せよオトメ、
なんて、花と同じ寿命なら
素直になれたりするのかな

あなたとの一瞬が
永遠になればなんて
贅沢は言ったりしないから

それでもヘソが曲がった私は
潜り込んだ布団の中で
あなたに対する口実を
考えながら眠るのです

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たんぽぽの綿毛みたい

飛んでいって
遠くで咲いてる
どこにだって
いけるはずだよ

ピアスの穴
気になって

あなただって
息してるのに

群青が視界を覆って
途端なくなる体温

明日とか明後日のことは
あなただって
知らないくせに

その口癖
気になって

どこにだって
いけるんでしょう

遠くなって
いるのは
あなただって
知ってるくせに

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君が

君が嬉しければ、私も嬉しい。
君が悲しければ、私も悲しい。
君が幸せなら、私も幸せ。

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人生

ありがとう、僕を支えてくれて

大好きだ、ずっと一緒にいてね

幸せだ、何回も言ってやるさ

ちょっと僕って充実感

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「さようなら」

「頑張ってれば、帰ってくるよ」
幼かった僕は
その言葉をただ信じ続けた
バカだよね
頑張ったって
戻ってくるわけないのに
心のどっかで解っていたはずなのに
「ふたりは『りこん』したんだ」って
信じたくなかった
事実から目をそらして
僕なりに頑張ったよ?
勉強だって
ソフトテニスだって
あなたの期待に応えられるように
甘えたくなったって
ひとりでさみしくたって
がまんしたよ?
がんばって
がんばって
がんばって
がんばって
いつかきっと
報われる日を信じて
「頑張ったね」って
言ってくれる日を信じて

でも

そんな日は来なくて。

勉強をがんばっても
兄には敵わなくて
あなたは「もっと頑張れ」っていう
ソフトテニスだって
「もっとこうしなさい」
「そんなだとペアがかわいそうだ」
さみしくて
つらくて
泣いていると
あなたは突き放した
でも僕は泣き虫で
何回も泣いて
そしたらあなたは言った

「女優泣き」

ああ この人は
僕を見てくれないんだ
愛してくれないんだ
幼いあの頃に
僕らを置いていってしまった
あの人とおんなじだ
僕はどうして生まれてきたの?
こんな辛いのなら
誰も愛さなければよかった
でも
もう遅くて。

ねぇ、

僕を愛して。

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ありがとう

いつも色のない黒い世界で、1人で生きていた私に綺麗な色をくれてありがとう。

あなたのお陰で世界が、輝いて見えるの。

あなたのお陰で笑顔になれる。

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願い事

願い事一つ叶うなら 僕を殺してくれますか
この世界から省かれた 生きる意味を持たない僕を

もう疲れてしまったんだ もう分かってしまったんだ
この世界には僕などいらない
不必要だって知っちゃったんだ

もういいよもういいよ 全て無かったことにしよう
そう思って死のうと思った
だけど僕には死に方が分からない

願い事一つ叶うなら 僕を死なせてくれますか
生きる切符を持ってない 生きる事のできない僕を

この世界には僕なんていない
真実に気付いちゃったんだ

もういいよ分かったよ 元からなんにも無かったんだ
そう思って消えようとした
君はとても悲しい顔をしていた

願い事一つ叶うなら 君の幸せを願います
たった一つの大切な 僕が今生きている意味を

進む君と止まる僕 伸ばした手は少し
ほんの少し届かなくて 君は遠くなっていく

願い事一つ叶うなら 君にもう一度会いたいな

願い事一つ叶うなら 僕を殺してくれますか
この結末には似合わない 価値を失ったこの僕を

この結末には似合わない 僕を愛してくれますか

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no title

大事だというのなら それらしく 大事にして
私一人では作れないから
貴方の手で支えて
貴方の手を握る

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鞘に入った刀

私は貴方に恋をした。
心臓の鼓動がそれを示す。
貴方は私と友人になった。
ここからは心理戦。互いに互いの心理戦。
言葉の隅々まで。しかし、全ては貴方が好きだから。そして、何時かは私を刀を抜く。
その刀で居合斬りを打つだろう。
しかし、一つだけ確かなことは
貴方を私が好きということ。もしかしたら、刀を抜くことは無いかもしれない。

だが、
それは、一つの運命として
一つの私の中の存在として、
生き続けるだろう。それもそれで良いだろう。
そして、明日も貴方を思い、生きて行く。
あっ、でも昔、刀を抜いたことは有るけどねww。

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すきと書いて誰も彼も恋と読ませるからそんな世界を放棄することにしていた

ただ別に数字があがるだけじゃなく
わたしダイナリの数字が目につくようになってそれはまるで、押し出されるという動作のようだった。
すきと書いて、なんと読む。無言の当たり前の返答が無音のくせに返ってくる。だから、嫌いだ。
すきと書いて、すきと読む。それだけでいい、それだけが、いい。
惹かれる人は皆わたしショウナリの数字を持って、わたしイコールとわたしダイナリの数字に押し出されるようにして見えなくなった。元気ですか。すきです。そんな言葉が届かない場所へ。

気まぐれに緑のアイコンをタップする。あの人やこの人、つまり、わたしの惹かれて止まないあんな人やこんな人が、ふとした時に姿を見せていることがある。けれど、あーあ。今更お声がけするにはなんだかヘンテコになりすぎるタイミングだった。

ねぇ、変な感じだね。
故郷から乗り継ぐ電車は、季節と逆向きに走る。変な感じだ。時間は過ぎ行くはずだけど。
季節は時々、梅雨前線、あるいは桜前線だったりに乗っかって、しゃあしゃあとカーテンを引くようにしていくけど、そのカーテンの淵に垂直にこの電車は通るよ。

元気ですか。かつてわたしが熱烈にあっつあつの言葉を届けた全ての、素敵な名前々々。
覚えていらしてくださるかしら。開いて閉じて飛んで、いち、に、さん、繰り返して繰り返してようやく下書きを立ち上げたわたしを、わたしは、この場所がマッチ箱の側面にあるあの、火をつけるところだとしたらまさしくマッチでしかなかった、というように思い返しています。

時が、流れました、残念なことに、いいえ残念でしょうか、わたしの頭のあの真っ赤な火薬は、擦れて擦れてすっかり使い切られ、ただの木の棒っきれとなりそして、爪楊枝デビューを果たしました。

久方ぶりです、わたしを知る全てのみなさん。マッチ箱だって儚いものであると、わたしは知り始めています。知り始めているくせにしゃあしゃあと、こんにちは、そして、こんにちは。