ある雪の日の夜、私は暗闇の中さまよっていた。
君の涙の中一人で叫んでいた。
こんなみっともない私のことを
真っ黒な黒猫がみていた。
「私は悪くない」「そんなことない」
そんな言葉が頭の中で回っている。
「消えてしまえたらいいのにな」
いつからこんなことを考えていたんだろう。
ラジオからそっと音楽が流れた。
その曲が、まるで私のことを唄っているようで
泣いてしまったんだ。泣いてしまったんだ。
私のことをそっと強く抱きしめてくれたんだ。
その音で、その声で...
ああ、ああ、ああ、こんな馬鹿なことをして。
結局全て後悔しかないんだ。
何もないこの街は、
全部、全部、全部、私が壊してしまったんだ。
ああ、ああ、ああ、みんなみんな過去の思い出だけで、
今の想いなんて一つもないんだ。
ねえ、どうしてなんだ。
「私はこうなるために生まれてきたの?」
「愛してる」、そんな言葉信じたくないけど、君のことなら全て信じたいと思った。
この言葉君は信じてる?
夢から覚めたら、外の世界は、朝になっていた。
もう、何もかも忘れようと思っていたのに、夢の中で笑う君は、「笑顔」だった。
寒い駅のホーム。僕は誰かを待っていた。
もう、君との思い出は全て忘れたかった。
でも、何故だろう。
美しい思い出は全て綺麗だった。
「笑ってごらん、きっと笑顔になるから泣いている君に僕はいつもそういった。
あたりまえだよな、そんなこと。
あたりまえの世の中は、いつもと同じなんだ。
君の前で息を止めると、呼吸ができなくなってしまうよ。
もうつかれたよ、って
浪費した時間の影を
視界の端っこでまっしろにぬりつぶした
あとどのくらい生きたら
あのひとの涙を受けとめられるのかな
ひざを抱えるきのうのわたし
あのひとがすきだと言った色
まぶた、ほし、落っこちてもただの石
あとどのくらい生きることができても
手に入らないものは数えきれないね
よくばりは罪だからと
詩人になりたがるさみしがりやの
首をやさしく絞めている