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LOST MEMORIES ⅩⅡ~前夜祭 last~

「じゃあ、行ってきます。」
「場所は大丈夫ですか?」
「頭に入っています。迷ったら戻ってくるね。」
おどけたように言う。こんな風に言うこともできるのだ。チャールズはちょっと苦笑する。
「では、いってらっしゃい。
……覚えていますか、やるべきこと。」
瑛瑠は姿勢を正す。
「1つ、魔力持ちを見つけること。2つ、人間に馴染むこと。」
「よろしい。……頑張ってください。」
「ん、頑張ります。」
二人は微笑み合う。
「行ってくるね。」
玄関に手をかける。
「あ、お嬢さま。」
「ん?」
振り向いた瑛瑠。
「制服、お似合いです。」
瑛瑠は一瞬、照れた様子を見せ、
「ありがと。」
柔らかい蜂蜜色の髪を揺らした。

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LOST MEMORIES ⅩⅠ

本を閉じ、眼鏡をはずす。
「良い言葉?」
「はい。それは"いただきます"です。
この国では、食べ物や作ってくれた人への感謝の気持ちを表すそうですよ。
食べ終わったら"ごちそうさまでした"。
ね?良い言葉でしょう?」
瑛瑠も微笑み、頷いた。
「いただきます。」
チャールズはソファから腰をあげ、瑛瑠の前の椅子に座る。
瑛瑠は食べつつ、チャールズに聞く。
「昨日もだったけれど、あなたは食べないの?」
「はい、とりあえずは。」
そう言ってコーヒーを口にする。
瑛瑠はまた聞く。
「さっきの言葉、教えてもらったの?」
「ええ、そうですよ。」
「誰から?」
「友人から。」
「この国の?」
「もちろん。」
へーともほーとも言えない音を出す。そうして、ふと手元の料理をみる。
「……美味しい。上手だよね、チャールズ。」
「ありがとうございます。」
微笑むチャールズに、瑛瑠は言う。
「私にも教えてほしい。」
チャールズは不思議そうにする。
「ご飯は私が作りますよ?」
瑛瑠は首をふった。
「興味があるの。何か、作ってみたい。」
「そういうことなら。」
チャールズはおかしそうに笑った。
よくわからないけれど、笑われたということに関して頬を膨らませる瑛瑠。
「どうして笑うの。」
「可愛らしいと思っただけですよ。」
「からかわないで!」
横を向いてしまった瑛瑠に、今度は困ったように微笑うのだった。

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おやすみ即興詩。

詩と云うものはたぶん、辿り着くべき目的ではないのだと思うけど、ただの結果とも思えなくて…これはなにかの過程なのだろうか。
何処へ行くべきなのか、知らないからこそ一歩ずつ、進んで行けるのかも。

(考え込んだら負けな部分もあるけれど、詩ってなんだろうとか考えるのもときどき好き。)

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ベリーベリーパンケーキ

好きって言って?

好きだよ。

なんて。

甘ったるいパンケーキのような会話

少し汚れたくらいの方が好きなのに

君を襲いたい。

貴方を喰らいたい。

なんて。

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反面教師

好きってしんどい
想いなんか伝えられないから
好きって楽しい
君と話せるから

君の "好き" とあたしの "好き" って
ちがうのかなあ...?

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返事待ってる時間が
夏を待っているよりも
長く感じる

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belief

信じられる?私のことちゃんと

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起立礼

なんてことない午後8時

少し明るい夕焼けを背に

なんでもない今日が終わる