振り返りたくない過去はある。
振り返らなくていい過去もある。
振り返らなくちゃならない過去がある。
後世に語り継がなくちゃならない過去がある。
人を傷つけた歴史、
自分が傷ついた歴史、
多くの人が傷ついた歴史。
決して忘れてはならない、
二度と悲劇を起こさないために。
核の惨禍を子供たちに見せないために…
ジグソーパズルをしていて
キスしてるピースを見つけた
なんだかのぞき見してるみたいで
恥ずかしくなった
あの時、もっとこうしていたらって
何日経っても思ってしまう
気付かないふりしてて、
ごめんなさい
辛い思いさせたね
昔の君の思いを
私は今痛感
泣けば赦してくれますか、
いや、赦しませんよ
私は自業自得ですよね、
はい、そうでしょうね
嗚呼、辛い、辛い、辛い
この思い誰が受け止めてくれるの
嗚呼、泣きたいよ、
もう、会えないのも、
わかってるのに。
たった1gの憎悪が
街を焼き払った
そのすさまじい熱は
全てを凍りつかせた
今も誰かの心で
凍りついたままの風景
渇きに苦しみ血を吐いた
虚空を見つむ人々の目
なにも知らない僕が
なにか1つ
言えることがあるならそれは
知らないゆえに
大勢の息の根を
止めることには
決して決して
ならないように
今日もどこかで街が焼ける
人の心の中の街が
僕は知らない
今目の前にいる
あなたの
心が
今にも
焼け落ちそうなこと
少し乱暴に、ぐいっと抱き上げられた。パプリエールは、このような扱いをこれまでに受けた記憶はなく、少し戸惑った。また、まだ少女のような面持ちの彼女に、このふたりは相当な重荷だろうことが理解できた。
そして、先の言葉はジュリアなりの気遣いのように思えるのだった。口数が少ない方だと、やりとりから容易に想像することはできた。そんな彼女が、たぶん一番口を開いたのが先の言葉。
乱暴にされたのではない。丁寧に扱われ過ぎたお姫さまを、姫ではなく大切な人として格上げされたのだとパプリエールは感じた。その姿は、先の彼に重なった。
ジュリアの背には黒翼。ばさっとその翼が羽ばたき、風が起こる。地面から足はもう離れていた。
「姉ちゃん何してたの?どうしてここに来たの?」
もう夏なんだな
って呟いたその声が
愛しくて、愛しくて、たまらなく愛しかった
入浴剤はいつもいい匂いだな
わたしばっかり、「ばっかり」って言ってる
湯気が昇る浴槽
頬が火照る遊泳
帰り道であの人がけらけら笑っている情景が、もう二度となくならないように。と思った
君がそっと手を差し伸べる。
その先にあるのは眩しすぎる光。
目を細める間もなく、君は遠くへ。
大切な人が側にいることが当たり前ではないと知った。
今日が在ることが当たり前ではないと知った。
僕は耳を傾ける。
無数に広がる声にならない想いに。
今を生きるはずだった君の。
生まれくるはずだった君の。
今を生きることは当たり前ではないと知った。
生まれてきたことは奇跡だった…なんて大袈裟だと笑うかもしれないけれど。
僕の目の前に広がる未来。
君の目の前に広がるはずだった未来。
行き先がわからず不安になったとき
終わりを自ら迎えたくなったとき
君の声に耳を傾け
前に進みたい。
なんて偽善だろうか。
ずっと前から自覚はしていた。でも信じたくなかった。
多くの人にとっては当たり前の事にイライラしてしまう。それも、お母さんにだけに。同じ事を友達がしても何も思わない。
「家に帰るとお母さんが居る」
これがもうダメなのだ。
ダメだと思うのも自分の問題。
そのイライラをあらわにしてしまって、お母さんをイライラさせる。そしてそのお母さんの言動にイラ立たせると、その態度にお母さんが怒ってくる。無限ループ。
全ては私が起こした事なんだ。
事の発端は私なのだ。
知ってた。ただ受け入れたくなかっただけなんだ。
白の中に黒が光り、
黒の中に白が光る。
闇の中にいた光は、闇をかし消していき
光の中にいた闇は、光をかき消していた
光の中にいた闇も
闇の中にいた光も
本当はひとつ。