「さて、仕上げといこうか。これで俺達は冥界の楽園には行けねぇな...最後の海で氷付けか、悪夢の空でさ迷うか...」
「ここまで来たんです、覚悟はできてます」
一人がベルトと試験管を持ってきた。
...あれだ!
先に試験管を注入し、経過を見る
おぉ...力がみなぎってくる...
「こんなもんでいいか...おい、エボルドライバーに入れろ」
エボルドライバーと呼ばれるベルトに「それ」が落ちる
刹那、強烈な光と共に「それ」が人の形になっていく
「な...なにが...」
「こいつは驚いた...」
次の瞬間、二人の意識はどこかへ落ちていった...
ロック!ロック!エボルロック!
フッハッハッハ!
電子音と共に形の形成が完了する
「まだ不安定か...」
コアを取り戻し、全てを取り戻した「それ」がそこにあった紙束に視線を落とす。
Iris...イリスか...それが私の名前...
そこにはこう記してあった
完全寄生生命体Iris
ネフェリムの血と下級天使の肉体3体を結合
5日後、被験体の安定化を確認
そして一番下に手書きのラテン語で
Lets dare virtutis est domina. Ut ex me.
(貴女に力を与えましょう。私のもとへ)
イリスは研究員一人の肉体を奪い、命令に従ってネフェリムのいる場所を目指した...
その日、全ての次元を脅かす悪魔が誕生した
そして同時に、創造主の分身...ノアの手によって神への反逆者...ネフェリムが力を削がれて地上へと封印された
白いカップに
あたたかなカフェオレをつくる。
毛布にくるまって
窓からさす朝日を浴びながら
ひとくちすする。
熱いから、それを冷ますように
カップ内にさざ波を立たす。
飲み終えたカップに残るあたたかさが
愛しい。
そんな寒い朝をたのしむ季節がやってきたね。
あの唐揚げでさえ
あのカレーでさえ
嫌いな人がいるんだから
皆から好かれるっていうのは
無理な話なんだ
夏だった。ある日を境に友達がいなくなった。
正確に言うと 友達だと思っていた人たちが、友達じゃなくなった。
高校生になって、ちゃんと自分を探して みて 誰かを見つけて 一緒に泣いてくれた君、居心地のいい場所に出会えたとき ほんとにほんとに嬉しかった。
だから調子に乗ってたのかも。
すきなものにすきって言って、自分のすきな自分でいたら大丈夫。もし誰かに嫌われても大丈夫って過信していたのだ。
何度も何度も 心だけは大人になりたくて
必死に手を伸ばして
憧れてたあの人たちから必死で学んで
目で見て 耳で聞いた 恩人の言葉
一見くだらない話をしているだけの彼ら
だけど、その言葉一つ一つが力を持ってて
面白くて 楽しくて 背中を押す力を持ってる。
沢山のリスナーが言う「尊い」とはまた違う
そんな視線で彼らを見つめたい
そう私は思うんだ。
母は言う
「貴方が憧れている人が
見せているものは一番輝いているものなので
裏で磨かなければ人前でも輝けない
人を見る目をつけなさい」
それを聞いた私は
あの人達みたいになりたい
そう思った
彼らのように
歌は歌えなくても
綺麗な声が出なくても
花が「好き」っていうだけで
茨の道を愛せそうな気がしたんだ
「あ、白鞘」
とある日の放課後。ひとりで帰路についていた僕――白鞘凪にひとりの生徒が声をかけてきた。歩道橋の上である。
「おや、先輩。こんにちは」
若干の小走りで横に追いついたその人に、僕は軽く挨拶をする。
「もしかしてボッチで帰りたかった?邪魔して悪いね」
「追いついて早々何言ってるんですか」
「なはは、ごめんごめん」
からかうように笑う横顔。馴れ馴れしい態度で話しかけてくるこの人は、高1である僕の一個上の先輩である。
黒髪のロングにまっ黒な目。思わず二度見したくなるような美貌を持つこの先輩の名は八式永里という。
「で、どうしたんですか?八式先輩」
「む、永里でいいって言ってるのに。……今日ちょっと集まれるかな。面白そうな噂が見つかったんだ」
「上機嫌ですね。いいですよ。場所はいつものところで?」
「うん。美澄も呼んだから、三人揃ったところで”それ”を発表するよ」
「僕は先輩がどんな噂を拾ったのか楽しみです」
「ふふん。楽しみにしておいてね。じゃ、また向こうで」
そういうと、八式先輩はとっとと先に行ってしまった。話したいことは向こうで話すつもりなのだろう。
僕は少しだけ胸を高鳴らせると、歩く足を速めた。
――――――
みんなが小説書いてるの見たら自分も書きたくなってきた、ミーハー体質な月影です。これから連載できたらいいんですけど、いかんせん一つ書くのにとんでもなく時間がかかります。忘れたころに投稿するかもなのでご容赦を。
登場人物を少しだけ。
白鞘凪……千ヶ暮高校1年。目立たない方の人間。
八式英里……千ヶ暮高校2年。成績はトップクラス、眉目秀麗、周りからの人気
絶大と三拍子揃ってる人。