貴方が大人なことは知ってるけど
煙草を片手にそんな目で見ないで
お子様な私は勘違いしちゃうから
貴方が大人なことは知ってるけど
私だって大人ですなんて言ったら
どこかだって言って頭撫でないで
貴方が大人だとか知ったこたなく
好きって言ってしまいそうだから
手紙には、こんなことが書いてあった。
『アーネスト・イナイグム・アレフ殿
陛下の謁見望まれる故
疾く疾く冬宮まで来るべし。
ルーガル・トルフレア二世側近
アズマルディ・ユン』
以上。
..............................なんじゃこら。
用件もわからない。ただ王が会いたいそうだ。僕に?ただのしがない留学生の、僕に?わからない。留学試験の時に「王室枠」というものがあるらしいとは聞いたが、三年近くたってしまった今さらそんなことは考えられない。
それとも国王の気まぐれだろうか。そうだとしたらかなりの傍迷惑なんだが。まあ王命なんだろう、行かねばならんだろうか。とりあえずライネンさんに相談するか。
そんなことを考えていると、飯できたぞー、というライネンの声。呼ばれてアーネストは腰かけていたベッドから立ち上がり、手紙を手に階下へと降りた。
「そうよ。」
楽しかったなー高校生,そう言う彼女に変化は全くない。
ただの偶然で片付けてしまえば良いのだろうかと一瞬言葉につまる。
急に言葉を発しなくなった瑛瑠に、花はくすりと笑う。
「私の友だちにも、急に考え込む癖を持つ子がいたわ。」
どうぞとカウンターから出されたもの。
「え!?私、頼んでいません!」
いきなりのことで、思っていたよりも大きな声が出てしまう。
「アフォガードよ。試作品だから、お代は結構。だから、味見して。」
ウインクを残し、早く食べないととけちゃうわと微笑む。花はそのままお会計のお客さんへの対応をし、席の片付けへ移る。どうやら放っておいてくれるようで。気が済むまで考えていいと言われているようで、瑛瑠は苦笑う。
ロイヤルミルクティーのかけられたアイス。口の中で広がる紅茶の香りに、幸福感でいっぱいになる。濃いめのバニラアイスが、主役は自分だと主張してくる。つまりは美味しいということ。メニューに追加されたら、注文してしまうだろう。
まだテーブルを拭く花へ、どう感謝と美味しかった旨を伝えようか、思案することにした。
「疲れた」と言って
ベッドに飛び込む。
其のまま眠りたい。
部活も、勉強も全て投げ出して、
深い眠りにつきたい。
結月視点
確定だ
コイツはーーー高山玲は
スパイだ
なんで分かったかって?
絶対に私たちの名前を教えるなと上に言ってあった。だが、コイツは時雨ちゃんと美月の名前を知っていた。スパイの事だ、下調べして知ったんだろう。
さあ、どうやって追放しようか?
【続く】
玲視点
特攻班のメンバーに会うことが今日の目的だったので特攻班の部屋へと向かった。そこには班長の御影結月の姿しかなかった。次の瞬間御影結月は口を開いた。「君が新入りの子かい?」と聞かれたから頷いた。「僕の名前は御影結月。よろしく。あと、結月って呼んで。」とも言われた。
よろしく。と返した。
そして結月にこんな事を聞いた。「時雨さんと美月さんはどこですか?」結月は表情を変えずに
「話があるって上司に呼び出されてた。」と言った。私はこの時確信した。
私がスパイである事はバレていない、と
【続く】
向こうのお山が燃えている
ごうごうと唸りをあげて
風が吹き上げれば
火花をざあと舞い上がらせる
空の藍を反射した真っ青な水鏡に
燃える紅葉がよく映えるものだ
次々と波紋を生まれさせては
水ですら鮮やかに色づいてゆく
燃え盛れ燃え盛れ
ごぉうごぉう、さぁさぁ
冷たい雨に打たれても消えない焔も
いづれは燃え尽きて
燃え残った焦枝ばかりになれば
真っ白な氷花が咲くだろう
辛い辛い
いやだいやだ
死にたい死にたい
そうやっていつも僕は僕を
可哀想だと暗示するけど
可哀想なのは僕だけじゃないんだ
甘えるなよ楽するなよ
誰も僕を責めちゃいないんだから
やっぱり音楽ってすごい
言葉にできないようなモヤモヤした気持ちを唄ってくれている
あの子が帰るのを見送ったときの気持ち
友達とはしゃいだあとの一人の帰り道
家に帰ると美味しい夜ご飯があること
電車の中で今日1日を振り返るとき
本当はあの子と帰りたかったこと
全部全部曲達が包んでくれる
今日もいい日だって唄ってくれている
音楽って本当にすごい
でもあの子と話がしたいよ
帰り道 夜道 月の軌道、云々
ガチャガチャを回すため
100円玉の貯金
ぽっと照らす白色に
機械的なぬくもりが欲しくなって缶コーヒー
姿を変えた金属を両の手でつつむ
角錐でも立方体でもなくて
円柱だから良いのだな、と
ぽっと染まるその頬に
マフラーを巻くのなんて、簡単