お互いの進学先も知らずに
全部終わってしまった
さよなら
陰ながら応援してるし
ね
今までありがとう
昔は大好きでした
君がついにスマホデビュー
って君の友達が教えてくれたの
だからさ、
君が私のアドレスを聞いてくるまで
ちょっとだけ、待っててあげる
”暗い夜”なんてないよ
暗いから夜なのだから
あるのは”夜”
夜は本当は”透明”なんだ
透明な夜空が暗いだけ
水棲、星が泳いでいる
あんな眩しい太陽の
ベタ塗りの青よりよっぽど綺麗だろ
「透明な、夜。」
よく声が振動する、伝導する。
月まで、
ということは、流石にないけれど。
「別にさ~、なーんか面白そうだから付き合っただけだぞ? 後から後悔したくないし」
「耀平っていつもそうだよね。自分がちょっと興味持ったことにはすぐ突っ込んでくもん。むしろ犬より猪」
いつの間にか能力を消したネロが、耀平に向かって嫌味っぽいものを言った。
「おれは猪じゃねーよ。でも、やらないで後悔するのは一番嫌じゃね? 折角この世に生まれたんだ―たんと生きてやらねぇと」
彼はネロの嫌味をものともせず笑った。
彼のその言葉は、彼そのものを表している―そうわたしは思った。
「んじゃ、行こかーっ」
耀平が軽く伸びをしながら歩き出した。
他の3人も、彼とともに歩き出す。
ちょっと物思いにふけりかかったわたしは、慌てて彼らの後を追った。
「今日は、本当に、ありがとうございました!」
日が暮れかけて薄暗くなったショッピングモールの裏手の路地裏で、わたしは今日すっかりお世話になってしまった4人に頭を下げた。
あの後―落とし物を探した後、わたしはずっと彼らに付いて回っていたのだ。
最後まで高校生を演じ続けたら「素敵な思いで」が貰えます。
部活、勉強、休日など
わたし達はそのためにあの箱に通っています。
早々に諦めてしまった私は、
高校生、失格。
朝から画面と向かい合ってると
書くことがなくて困るね。
外に出なければ。
と思って本屋に行ったが
僕の思考が内側に向いていると
結局部屋に籠っているときと同じで
つまらないね。
何か面白いことないかな。
そうやって桜の前を通り過ぎる。
まだ咲いていない、
あと何日で咲く?
去年はどうだった?
やはり綺麗なのだろう、楽しみだ
……などとは考えずに。
はあ、面白いこと。ないかなあ。
何キロも離れたところで
私のことを知ってくれてる貴女
顔も名前も知らないのに
なんでかな
私の尊敬対象であり
大好きな姉妹のような
1分でも
1秒でも
私のことを考えてくれて
心があったかくなる
ありがとうって
伝えても伝えきれないや
梢がプールに飛び込む。
「はっ?何、して…」
「ぷはぁー!!気持ちいーよ!!」
僕の手を梢が引っ張る。
「うわぁ!?」
顔を上げると濡れた髪が気持ちいい。馬鹿だと思った。青すぎて笑っちゃいそうだった。というか実際笑ってた。
「どこが死んでるんだよ」
「うじうじ考えても仕方ないでしょ?」
「んん」
梢がプールサイドに上がって鞄からバスタオルを出す。
「何で持ってるんだよ…」
「え、逆に君は持ってないの?」
「当たり前だろ」
「貸すから拗ねないの」
「拗ねてない」
梢はバスタオルを被ってフェンスの外を見て呟いた。
「私、生きるよ。君の生きる世界で生きてみようかな。もー…君のせいだよ?私が死ねなかったのは」
なぜか声が震えてた。
今ここで君を助けたら、あの人は助からない。
今ここであの人を助けたら、君は助からない。
僕は君のことが好きだ。
でも、僕の生きる未来に君はいないから。
だから、ごめん。