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First Love

あなたじゃなきゃ 意味がない なんて
私が口にする日が来るなんて
初めて目が合ったあの日は まだ
思いもしなかった
真っ白な私の物語に
鮮やかな赤をくれた
ありがとうなんて 言わない
代わりに
Love for you
愛してる

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ジョニー

真っ黒な世界の
真っ暗なベッドの中で
冗談教えて ジョニー お願い
笑ってなくちゃ死にそうだ

鴉が肉を啄んで
ロックンロールはトドメを刺された
ギターが鳴らなきゃ ジョニー お願い
俺このまんま死にたくない


剥げた空から 終わりがやってきて
全てくまなく焼き尽くしても

割れた肉から染み出たアレが
何度も花を咲かせることを

教えて ジョニー お願い


真っ暗なベッドが
雨に打たれて 朽ちたって
俺らここで寝ていようよ
くだんない話で笑おう ジョニー おやすみ

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私の

私の大事な人
いなくなるなんて
考えられないけど
ネガティブな私が
囁きかけてくる
お別れなんだよ

そうやって拭った涙に
青い色を見て
それが悲しみなんだと知る

ねえ、あなたは…

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口癖

いつも 今日だけだから
昨日も 今日だけだから

魔法の言葉のように話す あなた

勝手ね

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世にも不思議な人々㉒ みんなで鬼ごっこ!

キタ「というわけで今日は、みんなでケイドロをやりたいと思います!」
滝沢「どういうわけだよ。ってかケイドロって何だ。それを言うならドロケイだろ?」
伏見「え、ドロジュンじゃないのか?」
初「ドロ、何?」
伏見「泥棒と、巡査」
キタ「ご当地ネタは置いといて。鬼は一人。捕まった時点でアウト。制限時間は20分。範囲は噴水の公園敷地内。良いね?」
那由多「良いけど。鬼は?」
キタ「そりゃあ勿論……」
滝沢「……俺か」
キタ「そう!じゃあ一分間は動くなよ?よーい、スタート!」

2分後
萩『いやー』
那由多「全員」
キタ「捕まって」
安芸「しまいましたね」
伏見「オータロー以外な」
萩『まさか開始三秒で捕まるとは』
那由多「ボクはその5秒後。素の身体能力には自信あったのに……」
キタ「見えてたからいけると思ったんだがなぁ。30秒もたなかった」
安芸「やった!女子で一番!」
伏見「いくら短距離とはいえさぁ、瞬間移動に対応するあいつ何なの?あと僕、時速50kmは出してたんだが?僕は大体50秒辺りで捕まったんだったかな」
キタ「あれ、お前瞬間移動なんてできたっけ」
伏見「ワイヤーキーホルダーの能力。『最大5m後方への瞬間移動』の能力らしい」
安芸「うわあすごい。私も能力使えば良かった」
キタ「で、ハツ君は…。おお、やるな。逃げてる逃げてる。みんなにも見せてやろう」
伏見「いや、何も見えない。残像すら見えないって何?化物?」
那由多「ボク達にも見えるようにしてよ」
安芸「私には見えるんですけどねえ?」

更に18分後
初「よっしゃ逃げ切った………」
滝沢「ああクッソ!また捕まえられなかった!」
キタ「いやー二人ともすごかったよ」
那由多「ホントホント。途中から不可視レベルの速度だったものね。ほら見てよ、木が数本折れてる」
伏見「いや良く数本で済んだな⁉」
安芸「すごい能力ですねー」
萩『おめでとうオータロー』
滝沢「そういや何でこんなことを?」
キタ「ん?君の能力の限界にチャレンジしただけだが?そうだ、ついでに他のやつでも試してみよう」
初「え、てことはもしかして僕も何かやるの?」
キタ「Exactly(その通りでございます)。次回を楽しみにしてな」

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僕と月の鏡と地に一番近い紅い星

貴女の家にもこの雨は降っていますか?
あぁ、月に住む貴女はもう晴れしか無いんだった
なら濡れた窓に映る僕を見ていますか?
あぁ、曇った僕など雨空のうちには入らないんだ

僕の命が貴女へと運んだのに
約束したのに一昨日は一昨日なのに
どうして昨日がこんなに遠いの?

いつから見えなくなっているのか
分からないから人を失う
いつから見えなくなっているのか
分からないから怖い

貴女から僕が消えて
僕が思い出を忘れることが


1秒でも命を持つのが早かったら
こんなにあんなにと思うことも無かったのかな

「謝る」も1つの感情だと知った時にはもう
貴女は目を閉じていたね

涙は時を戻す魔法じゃないなら
貴女に出逢いたくなんかなかった

いつから見えなくなっているのか
分からないから人を失う
いつから見えなくなっているのか
分からないから怖い

貴女に出逢えたことが間違いで
貴女を愛した僕が悪かった


いつから見えなくなっていたのか
分からないから貴女を

いつから見えなくなっていたのか
分からないから僕らを

滲んだ目に貴女の強い言葉が流れる
月が見えない今夜

滲んだ目に貴女の強い言葉が流れる
月が光を零した今夜

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402号室では涙は頬を伝わない。

遮光カーテンの間から差す朝焼けを
反射しているガラステーブル
その上に置かれた
吹けば飛ぶような3万円を
ベッドの上からながめてる
少女のオッドアイが見つめてる
色違いの瞳からこぼれた涙は
頬のあたりで肌に貼り付いた
「ピエロみたいだね」
男は汚らしい笑顔でそういうと
青臭い部屋をあとにした