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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑯

「でも、不見崎(みずさき)さんもすごいと思うよ?」
「へ?」
意外な言葉に、思わず変な声が出てしまった。
「だって普通の人なのに”異能力”のこと知ってるんだよ? すごいと思わない? …だからわたしね、興味あるんだよね~」
ん?とわたしは思った。何か似たような発言どこかで…
「”異能力”を知ってしまった常人が、”異能力”を使っているところを見て、一体何思い、何をするのか」
いつの間にか笛吹さんは、わたしの目の前まで来ていた。
「…だからあの時、わたしは能力使っちゃったんだけどね」
彼女はいつもと同じようにニッコリ笑う。でもその笑顔に恐怖を感じるのは、気のせいだろうか。
「じゃぁ助けてくれた理由って…」
「まぁ…不見崎さんの前で異能力使ったらどんな反応するかな、っていう興味? ゴメンね、何かこんな理由で近付いて」
笛吹さんは申し訳なさそうにうつむいた。

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勘違い

吐いた言葉も何だかよそよそしい

もしかしたら、

あなたの隣にいることは
わたしの幸福じゃないのかもしれない

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或秘密結社入口会話仲間不仲間見極合言葉(馬鹿長)

「こちらは創業何年になるんですか」
「今年でちょうど、三百年になります」
「ご主人は何代目ですか」
「初代です」
「iPhoneのパスワードは」
「3150、さいこお です」
「好きな音楽は」
「椎名林檎一択」
「本当に?」
「坂本慎太郎とチバユウスケ」
「きゅうり好きですか」
「アレルギーです」
「トマトは?」
「今ポケットの中に」
「今何時?」
「マクロファージ」
「ここはどこ?」
「南ブータン村」
「色即是空」
「不規則に食う」
「空即是色」
「食う得レシピ」
「一切合切全ては空」
「実際問題食えれば食う」
「…せーのっ」
「「お父さんいつもありがとう」」
「からの?」
「「アミノ酸+オリゴ糖」」
「海!」
「川!」
「齋藤!」
「飛鳥!」
「かわ!」
「いい!」
「写真集買った?」
「買いました!」
「どこで?」
「もちろん!」
「「Amazonで!」」
「…」
「…」
「スパイナンバーを言え」
「3928です」
「本当は?」
「7です」
「いいだろう。入れ」
「あの…ホントにこれって必要ですかね?」
「しょうがないよ。上の命令だもん。」
「ですよね。お疲れ様です」
「今度飲み行くか」
「良いですね。」
「…!」
ーーーーーーーーーバキュンーーーーーーーーー
「結構情報漏れてるな…。あと少しで入られるところだった。」
情報管理が大切な時代ですね。と、マダムは笑った。

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階段の踊り場に掛かっている、
墨で書かれたひとかけらの詩。
誰も気づかず通り過ぎていく、
いつか誰かが目を留め過ぎる。

僕は階段を上るも降りるも、
僅かに思考を奪うその半紙に、
およそ三秒間嫉妬するのだ。

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たった一言ですべてを表せるときがある、
幾千言を以てしてただ一つを言い得ないこともある。

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夜ニ咲ク花

脆クテ蒼白イ、
細イ首ヲ擡ゲテ
宵ニ浮カブ星々ヲ
一ツ一ツ丁寧ニ
数エテイルタダ一ツノ
病ヲモツ人間有リ。

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ふわふわ

あのぬいぐるみのように

あの雲のように

あのわたあめのように

洗濯後のタオルのように

ふわふわに

なりたいな

いつか鳥のように空を飛んでみたいな

そして空から見下ろしてこう言おう


僕は自由だ



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少しずつ

毎日がちょっと疲れて
毎日がけっこう楽しくて
でも、ちょっとの疲れが
私を後ろ向きにしてきて
苦しいことが積もってくると
私は少しだけ逃げるのです
そうして
楽しくなれる時を待って
こころを癒そうとしているのです

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表裏一体

「愛してる」

あなたと私を結んでくれた 結んでくれる
美しく言葉

あなたと私を運命共同体にしてしまった
恐ろしく残酷な言葉

全ては表裏一体
黒を持たないものは一つとしてないの

恋が表とするなら
愛は裏

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願わくば

願わくば、君に幸あれ


僕の見るすべての景色に君を連れて行けないけど

君の見るすべての景色を一緒に見ることはできないけど

君に幸あれと願う


きっと、君は僕より遥かに広い世界を見るだろう

君が思うより、ずっと広い世界を。


僕は君を支えよう

僕が出来る限り