構って欲しいなんて言うと
きっと私は重いから
我慢するけど
よしよしって
してくれるあなたに
甘えたくなるんだ
ほんとに悪いひとだよね
さて、いかがだったでしょうか。
今回は初の試みと言うことで、ちょっぴり成長したピーターパンさんと、コラボレーションさせていただきました。
前々から言っていたのもそうですが、お声かけしたのは昨日でした。それがこんなスピードで出来上がってしまうとは、いやはや驚きです。非常に楽しかった。
少しばかり解説させていただきますと。
今回は、お互いに役を振り分け、それぞれのセリフごとに書き合う、という形を取りました。それぞれの書き方のクセなどが見えたりなんかしたら、ちょっと嬉しいかもです。(笑)
話をするととても快く引き受けてくださったピーターさん、本当にありがとうございました。また、いつかの機会にもお願いしますね。
最後に、一言だけ。
「羨ましいか、お前ら!」
ではでは。memento moriでした。
皆さんも今夏、新しいことに挑戦されては。
観月の顔が一瞬歪む。
そして、まっすぐ紫陽を見ていた視線を外し、ごめん,と音にする。
「それ、面白かったよ」
当たり障りのないことを呟いた。
「……そうか。なら、良かった」
素っ気なくそういうと、紫陽はおもむろに本を取り上げ、パラパラとめくる。
「……どこが?」
観月は、まだ話し続けるの?とでも言いたげな目をしている。
「主人公に、全然共感できないところ」
紫陽は首をかしげる。
「それ面白いのか……?」
悪くなった流れなどとうに忘れてしまった紫陽は、その実本の話をしたくてうずうずしていた。
「あ、でもあそこは面白かっただろ?ほら、宇宙船が落ちてきたとき」
「主人公があんたに似てるから共感できないって皮肉を言ってるんでしょうが!私は宇宙船のとこよりも分子を可視化できた時の博士の反応のほうが面白かった!」
相変わらずのすれ違いである。
「ああ、あそこかあ……。通だな、お前も」
観月とは裏腹に、楽しそうな紫陽。
「TP-306が活性化したときの描写はほんと最高だよな!わかってるじゃないか」
観月は、その楽しそうな表情に脱力してしまった。
むくれるだけ労力の無駄である。
「そうだね、まるで核融合反応をペットボトルの中で見たかのような感覚だったね」
「おお、お前もそう思ったか。やはりそうか、もしかしたら作者は中性子分野の研究に通じてるのやも知らんな……」
そういうと紫陽は、観月のことなどお構いなしに、一人でぶつぶつと考え込み出してしまった。
こうなってはもう仕方がない。紫陽がどんな性格だか、観月はわかっているつもりだ。
片付けていたら見つけた、なんて、そんなのは嘘だ。あれだけ細かな設定にたくさんの言葉たち。フィクションだかノンフィクションだかわからないような本を理解するのに、これだけの時間がかかってしまうのは仕方がない。
けれど、いつもつまらなそうにしている紫陽が、本を勧めてくる時だけはあんなに楽しそうなのだ。これに付き合うことを一つの娯楽としてしまっている自分も自分なのだが。
帰りにも捕まるな、そう思い、苦笑して静かに机から離れた。
今回、紫陽が貸してくれた本のタイトル、それは
「これ、借りてたやつ!ありがと!」
明るい調子で観月は、一冊の本を突き出した。
「うわっ!びっくりした……なんだいきなり。っていうかいつの間にうちのクラスに来てんだよ」
椅子から飛び上がると、紫陽はため息をついて前に向き直る。
「さっき!
昨日部屋掃除してたら出てきたんだよね、その本。ずっと借りっぱなしでごめん」
さして悪びれる様子でもなく、何でもない事のように言い放った。
「ふぅん。そういや貸してたっけか。忘れてた、そんな本」
「そんな本って……これ、絶対汚すなよって、めちゃくちゃ釘刺されたの覚えてるんだけど」
少しむっとしたように観月は言う。
「俺は覚えてないよ」
嘘である。感想を聞きたくてうずうずしていたことなど、紫陽に言えるはずもない。
「って、そういうことは覚えてるんだな。借りたことは忘れてたくせに」
観月は、最初に見せた明るい声から一転し、完全にむくれてしまった。
「なんなの。丁寧に丁寧に扱って、そんなに大切な本ならってすごくしっかり読んだのに」
本を机に置き、言葉を落とす。
「もっと大切にしてあげなよ」
いつものやり取りのはずが、完全に良くない流れになっていることに紫陽はやっと気づいた。
「なんだ、『掃除してたら出てきた』って言ったじゃないか」
だが、引かない。
「大切にしろだなんて、よく言えたもんだな」
依然前を向いたまま、紫陽は言う。
みなさん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
暑い夏休み中かと思われますが、楽しいこと、していますか?
実は私、memento moriさんと合作、なんてしていたんですね。
それが、とっても楽しかったんです。
以前から、一緒に作りたいね、書きたいねとお話ししていたのですが、それがやっと実現いたしました。
それが形になったので、ぜひ読んでいただきたいと思い、ポエム掲示板に掲載いたします。
はじめの言葉にあまりふさわしいものではありませんが、今回物語を共同製作するにあたってお誘いいただいためめんとさん、とても楽しく貴重な経験でした。この場を借りてお礼申し上げます。
みなさんに、素敵な物語との出会いがありますように。
貴方が恋の楽しさを教えたせいで
私は貴方から離れた後も
恋がしたくてたまらないのよ
貴方としたいって望んでるわけじゃないけど
あの楽しさをもう一度なんて
中毒性がありすぎじゃない
橋を渡って少し歩く
猫の散歩道のような
狭い路地にある喫茶店で
氷の溶けきってしまったコーヒーを
スプーンで攪拌する
店内は空調が効いておらず
茹だるような暑さのなかで
隣のお姉さんから流れてくる煙を
ぼんやりと眺める
苦手な人とかコーヒーの苦味とか
お酒のにおいとかタバコの煙とか
あんまり嫌いじゃなくなった
でもこの蒸し暑さとの相性の悪さは
100年先まで変わらない気がする
B「よおA」
C「遅かったね」
A「……大変なことに気付いてしまった」
B「どーした?」
A「私、完全変態だった……」
C「ようやく気付いたかい」
B「ハハハハハ、そいつぁあ笑えるぜ」
A「黙れ不完全変態」
D「何の話してんのー?」
B「黙れ甲殻類」
E「呼んだ?」
A「来んな縁起物」
F「ハハハ、ざまあ見やがれD、E」
C「お前もそっちサイドだよ」
F「そうだったのか」
G「ほんと、Fったら馬鹿だねぇ」
ABCDEF「うわあああ来るな不人気者ォォォ!」