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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑰

「…にしてもすごいね」
ちょうどわたし達の中に沈黙が流れたところで、亜理那がひょこっと話に入ってきた。
「”具象体”…わたし初めて見たな、ずっと噂程度にしか聞いてなくて」
「普通、生きているうちに見られるかどうか、ってモノなのよ? コレ常人にも見えるから、例え持っていたとしても出すことなんてめったにないし」
具象体に目を輝かせた亜理那に対して、鷲尾さんは淡々と言う。
「…大体、具象体って大きいし、変なモノのカタチをとるから目立つんだよな。コイツなんて、よく周りに他人がいないところで引っ張り出してるけど、知らない間に見られて”死に神”扱いされるもんな~」
それでこの女に異能力バレたんだろぉ~?と師郎はいつの間にか能力を引っ込めていたネロをからかう。
「ちょ、ソレ言うなよ…」
「あ、そんな経緯で異能力がサヤカにバレたんだ」
うろたえるネロに向かって、亜理那はくすっと笑った。
「何やってんのよもう…」
鷲尾さんはあきれたように額を手で押さえた。
「あの”悲劇”も、こんな風にちょっとした事で起こったのかしら…」
…”悲劇”? わたしは鷲尾さんの言葉にちょっと引っかかるモノを感じた。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑯

「…端的に言うと、”異能力”の”意志”が”幻影”というカタチでこの世界に実体化したものね」
イマイチ内容を理解できないわたしへの助け舟なのか、鷲尾さんは呟くように説明した。
「ま、そんな感じだな。ごく一部の強力な能力の持ち主のみが、能力発動時に呼びだすことができる、”幻”。ちなみにコレ持ち主以外が触ると消えるんだ、…こんな風に」
鷲尾さんから引き継ぐように話を続ける耀平は、不意にネクロマンサーが持つ黒い大鎌の柄に手を伸ばした。
彼の手が柄に微かに触れると、ソレは跡形もなく見えなくなった。
「あ、ちょっと勝手に消すなよ」
「いいじゃん別に…てかこんな所でそんなモン出すな。いくらここにおれらしかいないからって、ソレ自体が危なすぎるから感情に任せて引っ張り出すのはやめろ」
”具象体”を消されて文句を言うネクロマンサーに対して、耀平はあきれたようにたしなめる。
「…むぅ」
たしなめられた彼女は、不満げに頬を膨らませた。
「ソレの刃なんか他人が下手に触ると勝手に記憶をかっさらっていくからな。マジで気を付けろ」
耀平に注意されても、ネクロマンサーはむすっとした顔でそっぽを向いていた。

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黄色い朝顔

空見上げたら空しくなるから
せめて公園の時計を見上げる
ことにするよ
あなたの脚に触れたいよって
言ったらなんていわれるかな。
やっぱり痴女って言われるかな
やだな
雨降らないかな。

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ここ?立ち入り禁止区域ですけど何か?

赤色の空に
青い雲浮かべて
血走った願いよ
どこへ行く。
飛び立つ準備も
できてないのに
馴染むことさえ
できてないのに。

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ミッシェル

俺が生まれた年に、世界が終わったらしい
6歳の時に ギターヒーロー死んだらしい

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素敵な時間

素敵な あしたと 君と 夜空と
詞的な 街と 星と 花壇

無敵な 気分で 世界と 眠った
私的な 写真と 君と 枕と

素敵な 時間と 君と 川辺と
詞的な 脚と 未来と 影を

無敵な 気分で 許しあいたい
私的な 心で 君と いたい

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ある日、世界から言語が無くなった。

ある日、世界から言葉が無くなった。
初めに、全ての言語は使用不可能になり、文字もただのインキの染みになり下がった。
次に、言葉によって定義される森羅万象は、その言葉による定義を失い、実在と非実在の境界が曖昧になり、まるでガスのように不確実で不安定なものになってしまった。
ボディランゲージさえも使用できなくなった。それも言語であることには変わりないのだから。
ここまで書いてきてようやく気が付いた。
依然として言葉は消えたままだというのに、何故私はそれを書き記すことが出来ているんだ?一体これは何なんだろう?

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フリージアと赤毛のミセス

星の真ん中に 目がついてる
彼女の首筋 蕩けそうな瞳

花をあげるさ 白と紫の
フリージア と 赤毛のミセス

大好きさ いつまでも

花を贈るさ 白と紫

フリージア



赤毛のミセス

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あのひと

目が合うといつも話しかけてくれるとことか
ちょっと変なことして恥ずかしそうに笑うとか
ギターを持つと少し頼もしく見えるとか
遠くにいるのに笑いかけるその顔とか
君のその全部を私は少し可愛いななんて
思ってるなんてきっと言えないって
ギターを弾く君の後ろ姿を眺めて
そう小さく呟いていた

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てがみ

やまのよぞらをおくります
おほしさまひとつ
くるんともいで
ひんやりつめたく
ひやしてたべてね