話そうと口を開けど、
吐くは色彩の花ばかり。
指の切り傷 滴るは、
青の猛毒。赤未満。
幾ら平凡を望めど、
涙は星になるばかり。
「…でも、いくら仲良いとは言え、知っちゃいけないことは知らないままにしておいてるんだけどな~…暗黙の了解的な奴で」
笑いながら耀平は言った。
「だからあんまり黎に干渉しすぎるなよ。…異能力という存在全般にも言えることだけど」
そう言った耀平の顔から、微かに笑みが消えたような気がした。
…まぁ確かに、“常人”であるわたしが異能力に関わりすぎてしまうのは、ちょっとアウトなのかもしれない。
でも…それはそれでやってて楽しいと思うから、関わっているのだけど。
「…ねー黎、…“ロヴィン”見つかった?」
不意に話し出したネロの方に、自然とわたしの目は向いた。
「…まだ」
「そっかー」
素っ気ない黎の返答に対して、ネロは特に何事もないように呟いた。
…何の話してんだろ、この2人。
思わず心の中でそう呟きそうになったが、ちょうど師郎が何やら喋りだしたので、そっちの方に意識を向けることにした。
立ち止まれば ふと思い出す
君の一言がまだ胸をさす
君が落とした恋の破片
拾う手と信号の色は
綺麗な綺麗な赤色
青色に変わるの
待ってるだけ
秋の交差点
信号機はまちの色を変えて
アスファルトの川を泳ぐの
白と黒の日々を駆け抜けて
君の一言思い出になるまで
だんだんと
日も短くなる
灯りをつければ
ひとり自分が映る
Love songで踊って
キレのいい自分が痛い
今はまだ悲しいフレーズ
新しいことば見つけるまで
たびのおわりに
おとしたものと
ひろったものを
ならべてかぞえる
よるのおわりに
ないてるとりと
むすんでひらく
ちょうちょとねこ
君の毒を食べて、
僕の毒を食べてもらって、
そんなことをしても、
毒はなくならないのに、
傷は癒えないのに、
記憶は消えないのに、
痛みは残るままで、
毒は残るままで、
なのに今日も毒を食べて、食べてもらって。
月の夜に潜む 影のような 黒い華
痛みも涙も全てを背負う 青い華
同じ場所に咲いた二人は 今 それぞれの風にのって
散ってゆく
風の気まぐれがまた隣り合う二人を見せてくれるように
ただ 祈って
どうもこんばんは。memento moriです。
名にしおわばの九月でした。長いようで短い毎日でしたが、気づけば九月ももうおしまい。......?九月も......終わり?
選手権終わりじゃん!
そうなんです。終わっちゃうんです。終わっちゃうんですよ!!!
というわけで、「今初めて知った!」って人も、「あ、忘れてた!」って人も、是非是非書いちゃってください!待ってます。
審査員一同、精一杯見させていただきますので。よろしくです。
ではでは。memento moriでした。
窓辺に置かれた一輪の花と
カウンターに準備された珈琲
僕は君を待っていた
君が来たら
とっておきのケーキを出してあげるんだ
「きっと、みんなにとっては大したことじゃないんだよね。宿題は人によるところがあるとしても、歯磨きとか。歯磨きするまでに1時間以上かかったりしないでしょ? やっぱりそういうのは、煩わしいよね。毎日だし。余計に睡眠時間削られるし。そんなときにさ、『めんどくせー』なんて声聞いちゃうとさ……腹立つよね」
「わかってるよ。そりゃ。みんなにとってはこんなの悩むようなことじゃないし、ていうか言えないし。歯磨きができないんだけどどうしたらいいと思う?なんて、頭おかしいじゃない。……いや、頭おかしいんだけどさ。頭っていうか、たぶん、心が。精神が。でも、理解されないじゃない。言っても分かる人がいないじゃない。だったら……言っても意味がないじゃない」
あぁ、なぜだろう。申し訳ないことこの上ないのだが、しかし、これが俺の本心である以上、偽るわけにはいかない。
俺は、桜木ノアに対して、怒っている。
「うわ、黎らしっ」
ぽつっと師郎は呟いた。
「…まぁそーだろーねー。だって自分らの秘密を握っている人だもん…あんまり関わろうと思わないもんなー」
ネロはわたしの方を見ながら少し意地悪気に言う。
「だからさ、“そういう人”に関わってこられるのはちょっとね~」
そう言って彼女は嫌味ったらしく笑った。
「…ネロ、なんか邪悪なモノが出てんぞ」
何やら黒いモノがちらついたネロに気付いた耀平は、そう言って諫めた。
言われたネロははいはいと言ってそっぽを向いた。
「…ま、アイツはそもそもあんまり他人と関わらないからな」
耀平がわたしに向き直って言う。
「自分の事知られるの好いてないし」
「あ、でも俺らは結構知ってるじゃん」
耀平が喋っているところに、師郎がしれっと入り込んできた。
「アイツの好物とかさー、一応入ってる部活とか」
「いやそこらへんはお互い様だから」
耀平は真顔で返した。