明日、どこかでストーブの火が点く頃に
誰かの書いた物語に栞を挟む。
今から朝が来るという
僕にとっての恐怖の兆し
日が出る前に絆創膏を貼って
布団に潜らなきゃ。
この傷から漏れ出る光が太陽に消されないように
誰にも言えない秘密と共に眠る。
今日も僕は
ニンゲンから逃げて 太陽から逃げて
逃げて 逃げて 逃げるしかないの?
あの人は私の全て。自分の全てをあの人に捧げる。
あの人が望むのなら喜んでするとしよう。
私はあの人に依存をしている。全てはあの人の為に
あの人の事を考えると心が暖かくなる。
あの人の事を考え、抱き枕を抱き締める。
そうすると…凄く落ち着く。それと…凄く
ぐっすり眠れる。夢の中で逢えたらいいな…。
あの人は求めている。俺の事を。俺も求めている
あの人の事を。自分はあの人が好きだ。
凄く好きで愛している。あの人も好きで愛して
くれている。だけど今は一緒になる事は許されない
ならば今は想って待つ。ひとつになれるその時を、
幾多の夜を超えて…。待つだけだ。
心を許しすぎた君は
寝起きな朝に浅めな口づけを
気づいてないとでも思ってるの?
そのくせ、掴まえたら離してくれない
空も暮れた夜、唐突に深めの口づけをされて
まったく、もう。
知らないひとみたいじゃないか。
A「気付いたら真っ白で、部屋の中央にある一台のテーブルと一脚の椅子、それから天井の照明とそれのスイッチの他は何も無い部屋に居た。するとそこに、何かを持った男が現れた。男は手に持っていたそれをテーブルに置いた。それは竹細工の浅い籠に入った一つの菓子パンだった。なんとも形容し難い形状をしているが、クリームが乗っていて甘い匂いを漂わせていて、とても美味しそうだ。それを見ていると、男がこう言った。
『貴方はこのパンを食べても食べなくても良いです。ただし、十分後にまた来ますが、一口でも食べられた形跡があれば、貴方の身近の大切な人、もし居なければ貴方の内の誰かが凄惨な死を遂げます。一割以上が食べられていた場合、貴方の家族が全員、貴方も含めて悲惨な死を遂げます。二割を超えた場合、一族郎党その目に遭います。ああ、貴方、学生さんでしたか。三割を超えた場合は、クラスメイトと担任の教師も死にます。四割を超えたら、彼らの家族も。五割を超えた場合、現実に貴方を知っている全ての人間が死にます。六割でネット繋がりの人間やその家族も死に、七割でこの国の全ての人間、勿論私も、死にます。八割でアジア全土の人間が死に絶え、九割を超えた時点で、この星は滅びます。……まあ、信じるか信じないかは自由ですが。それでは、また十分後に』と置いていったパン!」
Q「いや重い上にその想像が怖いわ。お前絶対サイコパスだろ」
わたし、最近変なのよ
あなたのことばっかり考えちゃうの
あなたはわたしのこと知らないのに
勝手な妄想して幸せになってるの
あなたが好きでたまらないのよ
あなたに届く可能性なんて低すぎるのに
あなたへの気持ちを超えるひとなんて現われないの
こんなに好きになるなんて思ってもなかったわ
もうどうしようもないの
この気持ちはとめられないし、消せないわ
だから
わたし最近変なのよ
あなたのことしか考えられないの
あなたに会うのがこわい。
だなんて、
なんにんもの誰かが通った道なのでしょう
暖かい拍手、なんて、うそだった。
「失敗しても一生懸命やれば、大丈夫」
そう言う彼女たちは、みんな、失敗を知らなかった。
「失敗を怖がるな」なんていっても、失敗を恐れなければ
あの、糸をピンと張りつめたような緊張感は、味わえない。
固唾をのんで見守る観客
古ぼけたテントの外の闇
私だけを照らす一筋の光
それらが集まって初めて、私は「玉乗りのグレース・ケリー」になれる。
本物のシンデレラと呼ばれるグレース・ケリー。
彼女は失敗を恐れていたのだろうか。
とにかく。
私は、今を生きるだけ。
ほら、拍手が聞こえる。
ただ、胸を張って玉の上で美しく踊ればいい。
天から差し込むスポットライトを浴びて。