彼は地域の子供達と一緒に
保育園へと通うことになりました
親がいないことに気づき泣きわめく子供
転んで号泣する子供
先生方は泣いている子供に声をかけてゆきました
子供はみるみるうちに笑顔になりました
まるで魔法を使ったかのように
彼は小さい頃から一人には慣れっこなので
教室の隅にぽつんと
何のおもちゃも絵本もない所で
1日を過ごしていました
先生はそんな彼に向かって
「この絵本、面白いよ、読まない?」
「お外で砂場遊びしよう!」
魔法の言葉をかけました
でも、もちろん彼に魔法はかからず
すました顔で
「ぼくは、このままで、いい」
そう応えるだけでした
まわりの子供達は円になって踊り
彼はその円の外で空を見上げる
少し変わった風景が、
その保育園ではいつの間にか普通になりました
小さな一人のお話。
君の出てこない日記を
図書館に寄贈したい
数世紀後に生まれ変わって
手に取ったわたしは鼻で笑うのだ
鳴るな 鳴るな…
静かな教室 三時間目の悪夢
ヤバい もうダメかも…
ぐぅ~…ぐるぐるきゅう~…
ぐごぉ~…きゅるきゅる…
止まれっっ…止まれぇっ!!
ぐぅ、ぐぅぅ~
鳴り…止まない…
貴方の声は
貴方の顔は
貴方の優しさは
私にとって精神安定剤だった。
こんな事に気づくのに
3ヶ月もかかっちゃった。
精神が3ヶ月前よりも
悪化しているのかもしれない。
貴方の温もりが
私の涙腺を緩めた。
貴方のハグから伝わる温もりが
私は何より嬉しかったの。
このまま“ありがとう”と言ってしまえば
貴方はまた居なくなる気がして。
貴方の手を離せずにいた。
お願いがある。
もう二度と離れないで。
私は自分が思う以上に
貴方のことが好きだったみたい。
1歩、1歩、1歩
近づかない場所へと歩みを進めている
気になっている
近づいている 近づいている
そう思うと頑張れた無様に
腕は腐りただ風と歩みの衝撃に揺られている
もういつから痛くなくなったかも忘れた
知らない頭の数々が僕を罵り蔑如する
散っていった先人の骸を掻き分け歩む
希望という名の曖昧な救いに手を伸ばしながら
「お母さん、お母さん、お母さん」
どこからともなく聞こえる悲鳴のように
またある所では力なく果てる瞬間のように
またある所では恐怖の対象を前にした瞬間の震えるように
名も無い声たちが僕を誘っている
次第に歪み消えてゆく
止んだのか届かなくなったのか
それも分からない
もはや歩み続ける理由すら分からない
僕は(私は)何者だったのだろうか
この感情はなんだろうか
いつの感動か いつの悲しみか いつの喜びか
いつの驚愕か いつの羞恥か いつの怒りか
激情の如く身体を駆け巡り切り裂いてゆく
「あぁ お母さん...」
生まれたことが間違いだったか
巡る感情の中傍に転がる幾千万の骸達が辿り着いたであろう答えに到着した
そして
それに等しく並び去った
昨日まで寂しかった
くだらない世界が
一夜にして二人の世界に
なっちゃったことが幸せなのだ
てきとうなサンダルつっかけて
君と缶ジュース飲んで歩くのも
まるで夢のよう
プロムナードを下っていくのです。
君が笑う その一瞬にかけて
星空を飛び回るほど
人生はこのマイガールのために
あったのでした。
君が笑う その一瞬のすきに
夜空を覆うほど
世界はこのぼくたちのために
あるべきなのでした。
ゆめくらげ
ゆめくらげ
ゆらゆらゆれる ゆめくらげ
ひとの涙を きらめく汗を
ゆっくりためて ためこんで
ゆらゆら空へ のぼってく
輝きながら
光をふりまき
ゆめくらげは きえていく
ゆめの光を まきながら
輝く朝を まちのぞむ
光で街を つつんでく
ゆらゆら ゆらゆら
ゆめくらげ
夏のある日の
ゆめくらげ
いちごソースのドーナツの
穴から街を眺めていたら
チョコソースを顔に塗りたくったような
素顔の見えない君がいた。
同情するなら金をくれ
そんな言葉があるとかないとか
同情してほしい訳じゃない
綺麗事のような言葉はいらない
長々と言葉を連ねても
意味がないならその長文は無駄
慰めの言葉も
本人からすればただの他人の言葉
同情するなら
私に自由を下さい
私が飲み込んでしまいたいのは
口に含んだままのアイスコーヒーでも
溶けかけの飴でもない。
君に言いたかった二文字だよ
星に願いを
あの子に差し伸べた左手
星に願いを
捨て犬を拾った左手
星に願いを
彼のために流した涙
星に願いを
月の数だけ。
行きたくない場所へ行くことに慣れすぎて、
本当に行きたい場所がわからなくなってる。