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pillow voyage

睡気に浮かべた船にふたり
折れたオール穴の空いた船底
さあ退屈なトークでとどめを刺して
やがて沈没船と名付けられるそれにふたり
海底がほら手招きしてる

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虎視眈々

コシタタンタン
アシトトントン
馬鹿のフリして
お前の喉元狙ってるぜ

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夜が明けて今日が終わる抜け落ちた平穏を掃除機が吸って吐いた溜め息がおまえの町に吹くだろう

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sound

初めは1つのピアノだった
白い鍵盤と黒鍵で
自分を奏でることができた
あの時は世界が音を紡いでいた
言葉が空から降ってきた
だからあなたに嫉妬した
世界をかき鳴らす
あなたになりたかった
僕の光でそして闇だった
そしてピアノの黒は
夜に同化するように
溶けていった
部活終わりのオレンジの空
もう音にはならない
イヤホンを耳につけて
スピーカーから流れるRADWIMPSが
心臓の鼓動を乱す
クラシックは締め付けるから
体を委ねて
それでも

ベートーベンの「月光」が弾けない
もうあの時には戻れない
あの時の自信は空へ
あなたが妬ましい
努力は才能に勝てないから
全ての才能を憎んだ
それを捻じ曲げることができるなら
いつまででもかき鳴らそう
ずっとアコギを見ていた
Fコードも届かない
ショーウィンドウに映るのは
夜の闇か
音の光か
僕にも分からなかった

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LOVE SHADOW

今夜あなたに逢いにゆくから
最後に逢いにゆくから
慣れない化粧と
足らない言葉で
あなたを振り向かせる
魔法が欲しいのです

紅すぎるリップ
白すぎるファンデーション
愛のないアイシャドー

今夜あなたに逢いにゆくから
最後に逢いにゆくから
いちばん綺麗な
私をあきらめた
あなたを後悔させる
魔法が欲しいのです

紅すぎるリップ
白すぎるファンデーション
愛のないアイシャドー

紅すぎるリップ
白すぎるファンデーション
愛のないアイシャドー

紅すぎるリップ
白すぎるファンデーション
愛のないアイシャドー

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よく変わる夕方の空

夕方の空はよく変わる 夕方から夜へと
変わる境界線でそれは幾つも
表情があるみたいだ そしてその表情は
不思議な色気を放ち 
ずっと見ていたいぐらいに見惚れてしまう  

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夕方晩ご飯

夕方の空模様になると 漂ってくる 何処かの
ご飯の支度をしているこの匂い 昔に戻った様な
どこか懐かしい気持ちになる

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彼女は自身で夢を終わらせたいのだと願いながら拒絶している

目に見えるくらい簡単なら
彼女たちの関係は今のような交わり方じゃなくもっと
違ったんじゃないかと
根拠はないけれど思う
1つ1つ内側で何度も何度も言葉を吐き出し
丸い物だけを選びとってそれを投げつけていた
自分だけが傷つくように
言葉の中に彼女は自分の願いを込めて捨ててゆく
いつの日か私の中からソレが消えてくれますように
そう彼女の背中は寂しげに語っていた

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吹奏楽部の先輩へ

手にはスマホを握りしめ
汗で滑らないように
手を服に擦り付けた
胸は高鳴り 緊張していた

でも声を聞いたとたん
安心できた

いつものあの声 いつもの学校

自分の心の中を言葉にするのは難しい
でも先輩には私の想いが届いたようだった

たった一通の手紙
でもそこに込められた想いは1つではない

✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽

昨日逆電してもらったミント色のわたあめ
です。その後、この放送を先輩に
聞いてもらいました。この手紙で感じたことをポエムにしました。校長、教頭、職員の方
ありがとうございました!

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サーカス小屋 #空中ブランコのクレオパトラ

「お願いだから、ここにいて」
「ひとりにしないで」
そんなセリフ、もうとっくに聞き飽きた。独りになりたくなくて、「みんな」に入りたいと願う人々は、その境界線に立ち尽くしていた私をマジョリティーに引きずり込み、自分の味方として背後にはり付けた。
 こんなに小さなサーカス小屋の中でも、格差は激しい。偉人の名を襲名した者には、絶対的な権利があった。だから、”クレオパトラ”である私もみんなの上に立つべきなのだけど、周囲が、空気が、それを拒んだ。
 私も特に抵抗せず、ゆらりゆらりと流されて、この境界まで来た。私自身も、それを望んでいた。
 中途半端なくらいが、ちょうどいいのだ。

 天井からぶら下がったブランコ。命綱なんかいらない。落ちて死ぬなら、それでいい。私は私の人生を、運命を、そのまま受け入れる。それはきっと、自分自身を肯定することにつながるはずだ。それが例え、絶望を招き、私を不幸に陥れるものだとしても。全部一緒くたに、そっと抱き寄せる。

 小さな小さなサーカス小屋。観客は100人もはいれば満員。でもその中で、私は空を飛べる。上を見上げても、見えるのは薄汚れた天井と、大きな照明機材だけ。私は、ブランコに乗れば、見たことのない海にだって潜れる。それは、とても美しいことだ。

 世界中を飛び回るサーカス小屋。
 街の人を虜にして、熱狂的に狂わせて、私達抜きでは生きられない体にしてから、その地を去る。あれは全部夢だったんじゃないか、と思うくらい突然に、足跡一つ、衣装の糸くず一つ残さず。
 一度行った地には、もう二度と行かない。それが私達の唯一のルールだ。これだけを守れば、あとはなんとかなる。外の世界も、そんなもんだろう。
 なんとかなるものなのだ。