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心の声がだだ漏れな後輩ちゃん


ねぇ
やっぱ
無理だよ
やめようよ
チョコなんて
先輩嫌いでしょ
今年は最後だから
頑張って作ったけど
やっぱり勇気がないよ
スーパースターなんだし
後輩が調子乗ってんなとか
気持ち悪いって絶対思われる
私に貰っても嬉しくないでしょ
いや待ってこっち来ちゃった
まだ心の準備できてないよ
でも今日もイケメンすぎ
よしもう爆死しに行こ
あの突然すみません
受け取って下さい
実は先輩のこと
ずっと前から
好きでした
どうしよ
返事は
はい

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ザリガニはこう言った

 ザリガニと話せるようになってしまった。このことに気づいたのは、売却を依頼された別荘を見に千葉に行ったときだった。
 査定をすませて鍵を閉め、バルコニーを降りると、足元から声がした。
「素敵な下着だ。通販かな」
 見下ろすと、ザリガニがいた。
「すみません。何か言いました?」
「ああ。浮かない顔だがどうした」
 ザリガニはそう言って、両方のハサミをちょきちょきやった。ザリガニの声は、渋い低音だった。声フェチのわたしは、ついうっとりしてしまった。ザリガニは続けた。
「何か悩みでもあるのかね」
 実際わたしは悩んでいた。親しい友だちが結婚して、疎遠になってしまったのだ。
「はい……ところであの、どうして人間と話せるんですか?」
「フレンチレストランでザリガニソースを浴びたことがあっただろう。そのせいだ」
 そんな記憶はなかったが、わたしはうなずいた。このところ仕事が忙しすぎて、エピソード記憶が曖昧になっているからだ。わたしは素直に、親友だと思っていた友だちが結婚後、向こうから連絡をよこさなくなってしまった。友だちが幸せになるのは嬉しいが、なんか虚しい。憎んでしまいそう。こんな自分が嫌だ。といった悩みを打ち明けた。
 するとザリガニはこう言った。
「男の友情は自己犠牲の上に成立するものだが、女の友情は自己愛で成立している。自己防衛本能の産物なのだから長続きしなくて当然だ。日々を平穏に暮らすために君だって都合よく、その友だちを使ってきたわけだろ。だから責めてはいけない。その友だちも、自分も」
 わたしは少し笑顔になって、ザリガニと別れた。都会にザリガニがいないのを、寂しく思う。

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好き

やっぱりすきです。

優しい君が。
かわいい君が。
かっこいい君が。
真面目な君が。
面白い君が。
笑った君が。
照れた顔が。

それでもすきです。
怒った君が。
泣きそうな君が。
ずるい君が。
そんな君も。

ずっとすきでした。
心通わせたときも。
笑い合ったときも。
新しい秋の話。

やっぱすきでした。
無視したときも。
すれ違ったときも。
傷つき、傷つけたときも。


あなたがすきでした。
あなたがすきです。

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だいすき

だから私は
いつもあなたの
すぐそばに
きっといたいんだ

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はるきたりなば

夜が明けて、陽がゆっくり昇りきったら
春ですね。いっぱいにぽかぽかで、うとうとの
はるがきましたね。おひるねのはるがきました
りんごの薫りがして、はちみつのとろみのある
はるがきましたよ。

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〜二人の秘密〜續〜 本当に長文すみません。

「あっ!そうだ!今ので思い出した。良い事にカウントされればいいけど………。はいっ!これ。」
キレイな包に包まれたペンダントを出す。
『これは?』
「バレンタインのプレゼント。」
『私に?開けてもいいのか?』
「えぇ。もちろん。あっ、嫌でも受け取ってね。」
『嫌じゃないから受け取るさ。』
先生が包み紙を剥がし、中からペンダントを出す。
『これ、私が貰ってもいいのか?本当に。』
「先生が受け取ってくれないと困るよ。中に写真、入れられるからね!」
『今日、不死鳥が現れたのは良い事の象徴だったようだ。』
「わからないよ?違うかもしれないから気をつけてね!」
私達は“二人の秘密”を共有し、笑い合った。

その時、不死鳥は“バサッ”と羽音を立てて、飛び去った。
まるで、自分の出番は終わったと思っているかのように、笑ってこちらを眺めているようだった。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

もうすぐバレンタインデー。 
普通は男性から女性へ贈り物をするのがノーマルなんだろうけど、ココでは違うから、私も先生に何か贈り物をしようと思う。
先生が使ってくれそうなものは何かと考える。
せっかくなら先生が持っていない物をプレゼントできたらと思い、ペンダントを手に取る。
楕円形のペンダントで中に写真を入れる事ができる。
これなら、服の下に隠す事が出来るし、先生の好きな物も入れられるから使ってくれるかもしれない。

ペンダントを手に取りレジへ向かう。
同じくバレンタインの贈り物を買いに来たであろう生徒がちらほら見える。
会計を済ませると、先生にプレゼントを渡す為、寮へと戻る。
私の学校はイベントを大切にする為、何故かクリスマスなどは外出が出来る。
あっ…。もちろん今日の外出は教師に許可を得ているが、先生には内緒で来ている。
校内へ入ると、みんな出かけているからか静まり返っていた。
私は先生が居そうな場所を巡る。
教室や先生の部屋、そんな所には居なくて、いつの日か私が腰掛けていた窓から外を眺めていた。
「先生。どうしたの?」
『あぁ……。その格好は出かけて来たんだな。おかえり。』
「うん。ただいま。」『ほら、あっち、見て。』
「あっち?」
先生の指差すほうを見てみると、そこには沢山の鳥達と見た事のないキレイな赤い、火のような鳥が一匹集っていた。
「先生、あのキレイな火の鳥は何?」
『火の鳥に見えるか?あれは不死鳥だ。』
「不死鳥ってあの、死なない鳥……だよね?」
『あぁ、そうだ。』
「何でこんな所に幻の鳥がいるの?」
『“私が魔法を使えるから”だ。魔法界では普通に存在する鳥だ。稀少だがな。』
「へぇ〜。そうなんだ…。キレイね。」
『キレイだけじゃないさ。これから、良い事か悪い事が起こる象徴だ。……私の場合は、だが。』
「あっ!そうだ!今ので思い出した。良い事にカウントされればいいけど……。はいっ!これ。」

〜すみません。長すぎるので続きます。〜

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かわいい

眼鏡を上手く掛けられなくて
おどおどする姿を
可愛いなんて

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仮面の癒着

あぁあなたもか、

私は偽る皆の前では
不必要な関係を絶つため

でもあなたの前では違った
偽ることは出来なかった


その時だけは仮面が消えた、
その時だけは翼が生えた、

誰かのためになろうと思った
あなたも私も必要とした

私はあなたに心を託した


あなたは私に偽った
安易な私の質問を

思い過ごしならばよい
私はあなたに失望した


あぁあなたもか、
私はあなたに偽らないのに


「信頼」していたゆえの絶望

仮面はもう癒着した
心に鋼の太い鎖を掛けた
善の翼が偽善の翼に
偽善の翼が地に

あぁあなたもか、

私は信頼の是非を問う

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ある日私たちは。~番外編~【その後】

夜遅くに帰ってきた私たちは、共にこっぴどく叱られた。でも、2人ともなぜか平気だった。悪いことではあるけど、いじめられているのだもん。そこはちゃんと話して独自の厳重注意で終わった。
親たちが先生に話して、部活の方でも話し合ったそうだ。遥は謝られたらしく、一件落着という感じだ。
それから今まで通りの生活。学校行って、勉強して、給食食べて、勉強して、部活して…。何変わらぬ生活だが、やっぱり物足りない。それなりにあの日は刺激を受けた。遥とは上手くやってるし、彼女自身例の奴らとは仲が良くなったとは言い難いが、普通に話せているそう。それが何よりだ。

ある日私たちは、勝手に遠くへ行き、そこで泣いた。誰もいない公園で絆が結ばれ、ふざけた話をして、笑った。
喜怒哀楽が激しい日だったからこそ良い思い出にもなった。
ありがとう。