誰か 痛み中毒の俺に錠剤をくれ
どうかしてるぜ 引っ掻いてみたところで
所詮はただの 弱い毒
この際だ 痛いくらいでちょうどいいのさ
遊びは大概にして もっと有意義な悦びを
馬鹿だな ただの危ない背伸びだ
そうさ 擦りむいた傷には 塩を塗るのさ
歓喜の声をあげるのは どこぞの悪魔か
いや 取り憑かれたこの俺か
そうだ 君にも 銀の刃の美しさを教えてやろう
もう止められないのさ 悲劇も喜劇も
君となら 分かち合える気がするよ
時々涙が出るのさ 胸の苦しみで
でも 痛いのが心地いいのかもしれない
病みつきになったら どうしてもやめられない
冷たい心でも 気にしちゃいない
誰か 痛み中毒の俺に錠剤をくれ
その錠剤すらも 毒でいい
まだなにもできないぼくらは
先を見据えることができる
あなたを止めることができずとも
背中を押して助走をつけてあげればいい
大きくなったつもりでいても
まだまだちっぽけで。
だけれど少年少女最期の春よ、
大人になる覚悟を持ってこい
明日は我が身、
使われ古したことばには
それだけの重みがあるの
流行りものとは違う
酸っぱくてえぐい匂いがするの
嫌いな人間を殺せないなら
大好きな人を大切にしよう
曖昧と選別を持ちあわせて
ありきたりだけれど、前を向こう
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お久しぶりです、SOL。ポエム掲示板。私は大学生になり、今、大学の仲間との詩の展示会真っ只中です。展示のテーマが「高校生」で、ふとこの掲示板を思い出して、久しぶりにここにきました。
なんて遠い過去のようにいうけれど、まだ一・ニ年前のこと。振り返ると「高校生」という名前は思ったよりもキラキラして見えます。ここに載せている詩(らしきもの)が、思ったよりも今の自分から離れていなくて、過去の自分に安心させられました。
詩を載せはじめたのは、「人に見られる」と意識したのは、この掲示板から。展示会や本に詩を載せてもらったり、弾き語りで詞を披露するようになったり。目の前に「他人(ひと)」がいるようになっても、それが(これからの目標として)もっともっと大人数になっても、変わらないものがありますように。もっともっと変われますように。あまりにも、まだまだこれから、です。
高校生が遠い過去になっても、たまに帰ってこよう。
誰かだけの 優しいふりの手
いたいの いたいの とんでゆけ
気休めにしかならない言葉
悴む指 吐息は白く
わたしだけの とっておきのおまじない
腕に 緋色の線を描こうか
眠らない住人の笑い声
震える胸 記憶は黒く
貴方だけの 美しい子守唄
人工言語を話す 白黒映画
眠れない住人の叫び声
溢れた熱の雫 流れる血は黒く 迫る死は白く
夢遊病患者に 降り注ぐ梅雨
街の情景がくすむ
敢えて遠回りを決め込んで
帰るのは 思い出してから
彼が私にくれた 効き目の悪い解熱剤
毎晩 微温い雨で流し込もうか
眠らない私は 眠れない私は
自分で胸を締め付けて 声を殺した
誰も聞いてくれない 雫の音
誰も見てくれない 熱の色
モノクロのフィルムが喋る 人工言語
吐息は白色 記憶は黒色
錠剤の白色 緋色の線
流れる血は黒色 死の色は白色
花の色も 溢れる雫も 孕む熱も 焦げ付いた胸の苦しみも
わたしだけのもの
君はいくつも愛の言葉を溢した
僕は数え切れない程の嘘を溢した
君はそれが「愛」だと言い張ったけど
僕は負けじとそれは「熱」だと言い張った
頬を伝う涙を
君は「雨」だと言ったけど
バレバレすぎて僕は思わず笑った
つられて君も笑ってくれるかな、
なんて思った僕がバカだった
握ってる手を離して
バイバイまた明日、って手を振ると
君のことも、自分の気持ちも
昨日の晩ごはんも、人の愛し方も
君が好きだと言ったカレーの作り方さえも
全部忘れちゃったりして
すると泣けなくなったりして
君の涙は僕の空っぽを浸したけど
その代わり君の内側は空っぽになった
貴方ががいるから泣くんだよと君は言う
君がいるから笑えるんだよと僕は言う
なんで、いつも
あの頃好きだった仕草が
煩わしく感じるのはなんでかな
僕が泣く時に君も泣いてくれる、なんて
なんてワガママだろう
抱きしめてる君を離して
おやすみ もう寝るよ、って呟くと
急に日が昇って朝になって
気付くと隣にいたはずの君も、
携帯電話も、読みかけの本も、
全て無くなっていたりして
初めから無かったことになってたりして
多分そうなってから気付くんだ
だから僕は怖いんだ
部屋の電気を消して暗くなると
何もかもなくなってしまいそうで
君を嫌いになるにはどうしたらいい?
君を嫌いになるにはどうしたらいい?
君を嫌いになるにはどうしたらいい?
この間にも僕は君をまた好きになる
自分の心臓の中にいる君に
僕は全く気づいていなかった
本当は君の血が流れていて欲しかった
だってそれなら失うはずもないから
でもそんなことはもう無理だから
僕はまた性懲りも無く
君の手に自分の手を重ねるんだ
『今日も何か考えているのか(笑)?』
外を眺めていると横から顔を覗かせる。
「いいや?まだ花、咲いてないのに桜の香りがするなぁ〜って。あと少しで開花しそうだなって考えてた。」
『そうだな〜。蕾もふくれてる。咲くのは時間の問題だな(笑)。』
「だよね!私もそう思ってたところ(笑)。」
先生は私の腰掛けていた場所の隣に座る。
「先生、いっつも私に“何考えてる?”って聞いてくれるけど、先生は何考えてるの?」
先生は少し考えて口を開く。
『守る価値のある人は誰か。』
「素敵なこと考えるんだね。」
『私はこれでも教師だ。“生徒”に守る価値があるのかぐらいは考えるさ(笑)。』
「あっ、そっち(笑)?でも、私はそういうの好きだよ(笑)?私も考えるもん。この教師との関係は保たないといけないのか。命をかけて守る価値のある人は誰か。」
『考えることは一緒だな(笑)。』
先生はニコッと笑う。
「私の出した答えは、命をかけて守りたい人は少人数ってことかな〜。心臓1つしかないからそんなに沢山の人は守れないけど(笑)。」
『私も少人数だ(笑)。そんなに命はかけられんだろう(笑)。』
「確かに(笑)。」
私は先生の微笑みに微笑みを返す。
『ただ1つ言える事は、この事を考えないといけないのは少し寂しいと言う事だ。』
「大切な誰かが危ない目に合うってことだもんね?」
『それももちろん。だが、君の場合は特に、君が危ない目に合うぞ。』
「わかってるって、自分も死なない程度に命をかけるんでしょ(笑)?」
『あぁ。それでいい。』
「私は先生のほうが心配だけどね(笑)。」
『君には心配はかけないさ(笑)。』
先生はイタズラをする少年のようにニコッと笑った。
私は心の中で“先生こそ100%命かけるくせに。”と呟いた。
そして私はもう一度、桜の香りを探した。