「おひさま」とわらいかけてくれながら
からだいっぱいで てらしかえしてくれる
そんなきみは いつもきらきらとしている
「先生、暑くない??」
私は先生に抱きつきながらそう言う。
『抱きつくからだろ?』
「いや、それ以前の話。死んじゃうよ(笑)。」
『地球温暖化とやらかな。』
先生は『やれやれ』といった様子で頭を掻きながらそういった。
「ねぇねぇ、もう夏休みだよ。部活あるけど。」
『この長い休みは地獄になりそうだな。』
「真夏日、何日続くかな〜?」
『暑い事を考えないでおくれ(笑)。』
「そうね(笑)。1日でも涼しい日があればいいんだけど(笑)。で、夏休み、何する??」
『君は何したい?』
「ほら、ずっと言ってる魔法、そろそろ見せてよ。あ、アルのじゃ嫌よ。」
『あぁ、それは約束したからな(笑)。』
先生は笑いながら、廊下を進む。
「ねぇね、今日、アルは?」
『仕事じゃないか?夏休みでもやる事はあるからな。』
「ふ〜ん、アルも大変ね。」
『さぁ、私の部屋についたぞ。冷房でもいれよう。』
「あ、ありがとう。」
私は先生の部屋に入ると、これからの予定をたてた。
魔法の薬学を行うための買い出しや、宿題を終わらせる日。
まるで、親と娘のように予定をたてた。
もちろんアルとの予定も忘れずに。
吸い込んで、
吐き出す
夏の夜の風は重たくて
じっとりと喉を這って
肺壁にもたれかかって
眠るみたいに留まって
問いかけた君の言葉に
吐き出した微かな相槌
喉は上手く震えないで
ただ息を吐く音がした
沈黙。
夜風が這う。
そっちも暑いんだ、なんて言って
こもる熱を誤魔化したりして
暑いのはやだね、なんて言って
僕のことじゃないか
ただでさえ暑い夏の夜は
僕の吐息でますます熱を帯び
それが空に昇って雨でも降らせば
僕の頭も冷えるだろうか
青い夜は青さを増して
もうひとつ深い所へ
また沈んでいく
そこに僕は浮かんでいる
心許なく揺られている
懐かしいと言えば
懐かしさが途端、輪郭をもつ。
この場所が好きだった、と理由の切れ端が輝く。
ただ二酸化炭素みたいな重さの気持ちが
足元に取り憑く。
さようならを言い忘れたのではなく、
言えなかった、言わなかったのではなく、
言葉にしない芸術の在り処の証明。
『この場所が好きだった、』
別れの言葉を神格化した僕の過去形。
君のいる世界が久しぶりに帰ってきて
君の言葉を その口調を
なつかしく思えることが
とてもとてもしあわせで
私は君みたいに
しあわせを配達する
魔法使いになりたいと
そう考えながら
君に照らされている
照り付ける日射しの中
あなたの隣を歩く
僕はそれについていく
適当に生きていたら
気付けば夏になっていた
木漏れ日の中に
言葉を探すけど見付からなくて
暑いですね、とか
つまんなすぎるよな
あなたは少し笑う
そうだね、って
何気ない一瞬すら
全て書き留めておきたい程
あなたが愛おしい
生ぬるい風が頬を撫でる
蝉が五月蝿いほどないている
まだ帰りたくないな、
なんてね
あなたは困ったように笑う
それでももう少しだけ
あなたの傍に居たいんです
いいかな?
あなたのこと大好きにしすぎて待ちのぞみすぎて、ひどいことした。
待ってたのに来なかったからなんて理由にならない。
さらりと心を撫でてくる
私は手を追いかける
近過ぎず遠過ぎず
やっぱ君はそうなんだもんね、
ほうっておいても火照るあたまと
ぐったり手足につめたい風を浴びて生きる
はろう、ぴーたー。また夏がきて
世界をじりじり融かしていく
ぼくをゆっくり灰にしていく
灼熱のすろうもーしょん。
まだ、水曜日なんだ
カレンダーを眺めて
ふうっと息を吐いた
一週間の真ん中の日
体感的な曜日では、
もう、金曜日なのに
まだ、君に会えない
手帳を見つめながら
長いため息をついた
あと何週間か経って
夏休みが開けたら、
君に、会えるのに…
まだ、伝えたくない
想いを隠しながら、
ずっと過ごして来た
君に恋をしてから、
一年以上経ったんだ
ずっと好きなのに…
まだ、このままで。
この距離のままで。
素敵な君の笑顔が、
いつまでも続いて、
消えて終わない様に
まだ、このままで。
まだ。