「よくどちらの異能力が優れているか競争をやっているんだが、今度はそれにお前さんも協力して欲しいって話なんだ」
わたしが?と言いながら、わたしは手渡された”果たし状”に目を落とした。
そこには綺麗な字で最近2人の間にケンカがあった事が書かれており、後半には”直接対決しましょう”と少し物騒な事が書いてあった。
「えーと、『今度化かし合いで本当の決着をつけましょう』って…」
「ま、アイツはわざとらしい所もあるからなぁ」
師郎は苦笑する。
「で、この対決を手伝って欲しいんだけどさ」
今度の土曜ヒマ?と師郎は尋ねる。
「いやそれはともかく」
わたしは気になる事があったので、少し質問する事にした。
「何でわたしに手伝いを?」
ネロ達でも良いんじゃない?とわたしは聞く。
「あーそれは…」
師郎は笑いながら頭をかく。
「ネロ達も審査要員として入るんだけど、アイツが『異能力を知ってしまった一般人に会ってみたい』って言いだしてさ」
本物の愛はどこにあるのかもわからずに、
秩序という枠の中に感情をはめていく。
柔軟剤の香りはわるくないけれど、
そこに本物は見当たらないのと同じこと。
本物を名乗っていてもからっぽなものは、
ずっとそばにいても、
温かくはないのね。
冷えた手を
縋りに来た人たちがいるの
私には
変なプライドがあるの
ただただプラトニックに
なんの意味もなく
ぴとりと着いた細胞で
血管が芽吹いてしまったの
まだ
何もわからないけど
私を癒すために
期待していたくて
その大切ななんかを
カバンにしまってる
大事そうに抱えてる
見せちゃくれないよね
ポテトくわえて待ってる
いつかハマっちまうのに
僕は壁に手をついてる
君をまって笑ってる
ここには少し不思議な医者がいるらしい
自分のことを「大天才」と言っている医者だ
その名は「ドクター=ファンクビート」
診察が終わり、診察室を出ていく患者に彼は言う
「お幸せにどうぞ」
あなたへの言葉を探している
そんなにまぶしく笑わないで
もう、会えなくなるのに
一緒になんてやさしい言葉、僕に言わないで
寝ぼけた頭で浮かべた
あなたのいちご
きっと食べ時が悪かったの
だってそうじゃないと
報われないのは嫌よ
「この世に神はいないのか」と嘆く者がいる
人々は神を探し続ける
シスターの格好をした少女が呟いた
“Gott ist tot”
なんにもない
やることはあるけど
心の中はなんにもない
なにも思えない
朝起きてごはん食べて
ぼーっと高校野球見て
そのあとごはん食べて
また高校野球見ながら
仕方なく宿題して
わかんなくて
でも「わからへん」の言葉は
空っぽの部屋に響くだけ
『打ちました!タイムリー2ベースヒット!』
「すごいやん」だって
「ほんまに?!」が居ないから
行き場を失って口先で萎れてく
なんにもないのが
心の中になんにもないのが
自分を透明にしていくようで
正直、怖い
いつか いつか 私の心が
なにかでいっぱいになりますように