人間の欲とは、実に恐ろしいモンですねぇ
欲望に飲まれてとことん墜ちていく
そうでしょう?そこの旦那?
わたしは思わず立ち止まる。
相手は咄嗟に目を逸らした。
「…」
わたしは暫く相手の姿を眺めていた。
白いブラウスに黒いスカート、赤い紐リボンと、近くの高校の生徒だろうか。
高校の制服姿の少女は、気まずそうにそっぽを向いている。
あまりにも気になり過ぎて、わたしは思わず声をかけてしまった。
「あの…どうかしました?」
少女はい、いえ、と上ずった声で答える。
「別に…何でも…」
何だか失礼な事をしてしまったな、とわたしは思った。
どう見ても相手はビックリしているし。
「何かすみません…急に話しかけたりして」
わたしはすぐに謝ったが、相手には届いていないようだった。
「何でも…何でもないんです!」
少女はそうとだけ言うと、駅の出入り口の方へ走り去って行った。
…何だったんだろ。
わたしは暫し呆然とその場に立ちすくんでいた。
いやわかるよ?
辛いんだろうなって。
優しい言葉ほしいんだろうなって。
でもさ、
なんかさ、
1度優しくしたらさ、
ずっと支えてないといけんのかなって思って、
ずっと負の感情受け止め続けなきゃいけんのかなって思って。
私も新しい環境で、
まだ安定しとらんし、
どこまで受け止め続けられるかわからんし、
というか普通に嫌やし。
なんかいつも私ばっかりやし、
いいよね?
冷たい人間になるね。
あなたに会いたくて、
こんな日々も進んでいけているけどさ
あなたがわたしのこと
これっぽっちも待ってなかったらどうしよう
愛の歌を歌おう
君にしか出せない
その歌声で
悲しみの歌を歌おう
僕にしかない涙の色で
愛の歌を歌おう
僕らにしかできない輝きで
気付いていれば
もっとこうしていられたのに
気付いていれば
もっとこうしていられたのに
いつも いつも
堂々巡り
貴方の誕生を祝うのは
他の誰でもない
自分自身
踊れ 歌え 狂いだせ
貴方を彩るのは
他の誰でもない
貴方自身