悲しくて怖くて泣きそうで
不安で仕方ない時の私を
いつも暖かく包んでくれる、
貴方の両腕が恋しい。
へ…と恵梨さんはぽかんとする。
「あくまで異能力者としての自分は自分の別側面であって、自分じゃない」
”それ”は自分じゃない自分なんだから囚われるのはよくねーんだよ、とネロは続ける。
「過去の自分に囚われるのと同じ位、異能力者としての自分に囚われると面倒な事になるんだ」
分かってんのか、とネロは恵梨さんを睨みつける。
恵梨さんはひぃぃぃ、とうろたえた。
「分かったんなら良いんだけど」
そう言ってネロは恵梨さんに顔を近付ける。
「…お前、友達いないの?」
「え、何でそんな事」
どうして分かるの?と聞かれて、ネロはこう答えた。
「いや、追跡中にアンタの記憶を見て何となく分かった」
友達いなさそうだなって、とネロは笑う。
「…だから黎と接触して友達になろうとしたんだな」
耀平がそう言うと、恵梨さんは気まずそうな顔をした。
イヴェット...ヤキモチ焼きの春売り
春をランタンに入れて売っている
サーモン色の髪、オレンジ色の目
顔立ちが幼い
ベル...人を不愉快にさせる天才
たくさんの人から嫌われている
空色の髪、紫がかった灰色の目
猫顔
タイトルは今のところ未定です。
タイトル案を思い付いた方は、ぜひレスに書き込んでください。
普段から通学に使っている駅のホーム。昼過ぎの人の少ない時間帯。10分ぶりに停まった電車が発車していくのをぼんやりと見送る。それは僕にとって必要な電車では無いから。
『間もなく、電車が通過します』
携帯電話を操作するでもなく手の中で転がしているうちに、待ち望んでいたアナウンスが流れた。携帯電話をポケットにしまい、鞄を肩にかけ直し、一歩踏み出す。その足が、点字ブロックを踏み越える。
これから僕が行うのは、逃避でも、抗議でも無い。示唆でも、復讐でも無い。崇高な意思も、固い使命感も無い。ただ純粋な、『僕』の終わりへの一手だ。
更にもう一歩進む。あともう一歩進めば、1m分かそこらの浮遊感の後、全身を激痛が襲い、それもすぐに終わる。
どうせこの路線はしょっちゅう「人身事故」で止まるんだ。僕一人のかける迷惑など、大したものじゃ無いだろう。
最後の一歩が、ホームを飛び出す。あと少し重心を前に傾けるだけで、全ては恙なく終わる。そのはずだったのに。
「やめとけ。無駄だぜ」
背後からかけられたその声に、無意識に身体が硬直した。上げた脚を下ろした直後、目の前を数秒かけて通り過ぎていく質量と風圧。それが終わって漸く、身体の力が抜けてその場にへたり込んだ。
「ほら見ろ。お前には死ぬなんてできねえンだ」
「……誰だよ。なんで邪魔した」
立ちながら振り返り、声の主を探す。それはホームに設置された椅子に足を組んで腰かけていた。性格の悪そうなにやけ顔をした、制服姿の、多分僕と同年代の少年……青年? まあ、そいつが声の主だった。
「俺かい? 俺ァあれだ、所謂死神ってやつだ」
「それなら僕を殺してくれよ」
「馬鹿言え。死神を何だと思ってやがる。死神は死期を告げ、魂を迎える。それだけだ……いや、違うな。ルール違反をしようとするテメエみたようなせっかち野郎を嗜めるのも重要な仕事だな。地獄ってのは、ンな気軽に行って良い場所じゃねえんだ。あと40年待ちやがれ馬鹿野郎」
自称死神は、そのままどこかへ立ち去ってしまった。
なんと絵になることだろうか
雲に霞んだパステルカラーの空と対照的にベタ塗りな建物たち、見下ろす今、私は飛んでいるかのようだ
どこまでも飛んでいってしまいたい
あの雲の向こうへ、堅い現実よりもふわふわな空へ
「復讐を代行?どういうつもりだ?俺はそんなもの望んでないし、矢面に立つのはまっぴらごめんだ」
「別に逆恨みの矢面にするつもりじゃないわ、それにそんな悪い話でもない」
「いや、今のところ怪しさしかない、この状況含めて」
「まぁとりあえず人の話を聞きなさい、私達のクラスにヒエラルキーがあるのはあなたもご存知でしょ?あれのせいで私のようにレッテルを貼られた人間は『陽キャに遊んでもらえる』という立場で“イジり”を受け入れなければならないのが現状。かと言ってヒエラルキーを崩すだけの力もなければ改革を起こすだけの人数を集めることすら叶わない」
まるで小さい政党の演説を聞いている気分だった
「しみったれた言い訳だな、何が言いたい?」
思わず口を挟んでしまった。
「結果、“陽キャ”にとって都合のいい現状に泣き寝入りすることしかできないでいる。」
“俺”、もとい闇子は語気を荒らげて言い切った。
「そこで内部崩壊を狙って俺の体に目をつけた…」
「順序が若干違うけどね」
「え?」
「あの日、あなたが罰告をすることになったことを知って私はこの復讐を決行することにした。あなたとなら私の復讐を、理想を成し遂げられる!そう思った!」
(勝手に)ヒートアップした熱量を持った目が俺の方に向いた。その迫力に一瞬たじろいたが、平静を装い見つめ返した。
「理想?また随分飛躍したな」
“元々飛躍してるのに”という言葉は何故か飲み込んでしまった。
「飛躍?どこが、まさか私が単純な恨みで復讐しようとしてるとでも思ったの?」
違和感が何か形を結んだ気がした。
「理想のための復讐…」
「そうよ!」
完全に“俺”のペースになっていた。
「このヒエラルキーを崩壊させるにはトップがその解放を宣言すること、そしてそこに誰も下克上を望まないことのふたつが揃わなきゃいけない。そのためには今のような安定したトップが必要、」
「なら俺でなく、橘を狙う…いや、実質“陰キャ”をイジっているのは小橋か…」
いつしか俺も積極的に意見を出すようになっていた。
「あんたバカなの?だからあんたしかいないんでしょ?」
「はぁ?」
to be continued…
言わなかった思いを
今更ぼそりと小さな声に乗せて呟いてみる
君との思い出なんて数える程しかないから
君を初めて見た日のことを
なんでもないように語る私は
君のいないこの街で
君をいつまでもわすれられない
私の好きな作家さん。
言葉を、愛しているのが伝わる。
一言、一言、繊細に、そっと紡いでいく。
「あなたは、ここにいて。きみは、そっち。」
そう、言葉に言っているかのようで。
その並びが織り成す世界は、存在しそうで、存在しない。壊れそうで、壊れない。
優しい響きの奥にある、静かな狂気。1度感じたらもう遅い。あなたはこの物語に閉じ込められた、小さな虫。
どうも、テトモンよ永遠に!です。
企画「Daemonium Bellum」も終了になったので、あとがきを少し。
この企画は「魔法譚」と同じく自分の空想がベースになっています。
ただ「魔法譚」とは違って空想してきた時間が長いので、それなりに世界観が壮大なんですよ。
その世界観を企画に落とし込むために色々設定を削ったりしたんですが…やっぱり凝り過ぎでしたかね?
設定を凝るのは自分の癖なので仕方ないのでしょうが、それにしても細かいなと思います(笑)
とにかく、企画って難しいね!(笑)
今度は皆が参加しやすいように設定は細かくし過ぎないようにしようと思いました。
でも楽しかったです、長い事空想し続けていた物語を形にすることができて。
最後まで付き合ってくれた皆さんありがとうございました。
ちなみに次に企画をする予定はあるんですけど…いつかは未定です。
未定のまま流れる可能性もあります(笑)(だって忙しいし…)
まぁ今回ほど凝った企画にはしないのでご安心ください。
とりあえず、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
まとめはそのうち作ります!
またお会いしましょう!