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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 11.ゴブリン ⑤

しかし…
「やぁ、また会ったね」
数分後、わたしの前にはまた彼がいた。
「ちょっと俺と…」
「嫌です」
少年が言い終わる前にわたしはそう答える。
「…まだ言い終わってないんだけど」
「どうせまた話をしないかって言うんでしょ?」
わたしは訝し気な目を彼に向ける。
「…あなたは一体何がしたいの?」
わたしがそう尋ねると、少年はうーんと少し考える。
「…ま、ちょっと君と話がしたいだけさ」
「何それ」
わたしは思わず突っ込んだ。
「怪し過ぎる」
「いや怪しいも何も」
わたしの発言に対し、少年は何もないよと言わんばかりに両手を振る。
「俺はただの通りすがりの中学生ですよ~」
彼の発言に対し、わたしはえぇ…と呟く。
「…と、とにかく、わたしはあなたと関わる気がないので!」
失礼します!とわたしは彼の横を通り過ぎた。
「…関わらずに済むかなぁ」
ぽつっと少年が何かを呟いた気がしたが、わたしの耳には届かなかった。

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完璧

あたしは完璧なあなたが好きよ。
だから完璧な人を好きになって
完璧な人生を送ってね。
どうか
私なんかのこと、好きにならないでね。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 11.ゴブリン ④

「あ、あの…わたし行きますね」
相手が怪し過ぎると思ったわたしは、少年の横を通り過ぎる事にした。
「あ、ちょっと~」
少年はわたしを止めようとしたが、わたしは彼を無視して歩き去った。

「やぁ」
怪しげな少年から離れて数分後、わたしの目の前にはまたあの少年がいた。
「ちょっと時間ある?」
「え」
わたしはなぜまた彼に遭遇したのか分からず困惑する。
「ちょっと俺と話をしないかい?」
「遠慮させて頂きます」
少年の提案に対し、わたしは即座にそう返答する。
「えー何で~」
ちょっと位良いだろ~と少年はがっかりする。
「…だっても何も」
怪しい人とは話したくないし、とわたしは答えた。
「あ、怪しいって…」
「そろそろ行くね」
少年の話を遮るように、わたしはその場から立ち去った。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 11.ゴブリン ③

「どうだい?」
ちょっと俺と話さない?と少年はわたしに言った。
「…遠慮させていただきます」
「は? 何で!」
わたしが断ると、少年はそう声を上げた。
「良いじゃんちょっと位…」
何が嫌なのさーと少年は落胆する。
いやだって、とわたしは答える。
「どっからどう見ても怪しい…」
わたしがそう言うと、少年は慌てたように説明する。
「いやいやいや! そんな怪しい者じゃないから!」
見りゃ分かるだろ!と少年は腕を広げた。
「えぇ…」
わたしは思わず困惑する。
怪しくない、と言われても、何だか余計怪しく見えてくる。
何だかこの人とは関わらない方が良いような気がしてきた。