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ジェットコースター

どうしようもなく気分がいい
きっかけは些細な事で
一度スイッチが入ってしまうと
止められない

この後、落ちることを知っている。
どん底まできっと落ちる。
あぁ、それでも気分がいい。
なんでもできる、気がする。
今なら空だって飛べる。嘘じゃない。

上がり始めたジェットコースターは
もう、止まらない

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透明透明透明

きみは自転車に乗っている

きみは席で本を読んでいる

きみは、廊下を進んでいく

きみのいない廊下を僕は

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嗚呼 なんて理不尽な世界

友人にも
恋人にも
裏切られた
こんな私の目には 花だけが唯一美しく映る
モノクロの世界で色づく花々
嗚呼 なんて素晴らしいのだろう?
私は花を見た瞬間だけは 多幸感に包まれるのだ

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黄昏時の怪異 その②

「千葉さんもやっぱり、その、能力者ってやつなんですか?」
「うん、まあそうだけども」
千葉さんはそう言って、肩掛け鞄からボール状のものを取り出した。
「それは?」
「大きい鈴だよ。触ってみる?」
そう言われて差し出された鈴を受け取る。両手にすっぽり収まるくらいの、そこそこのサイズの鈴だ。振ってみると、からからちりちりと鳴る。
「はい、大きい鈴でした」
「うん」
滅多に見ないものではあるけれど、長いこと遊んでいられるようなものでも無かったので、すぐ千葉さんに返すことにした。
「さて……僕の能力ってやつを簡単に説明すると、まあこういうことになる」
千葉さんはその鈴を右手で軽く放り投げ、左手でキャッチした。
「……? 何かおかしなことでもありましたか?」
「あれ、気付かなかったか……。それじゃあ、これなら分かりやすいかな」
千葉さんはそう言いながら、鈴を顔の辺りの高さで振ってみせた。
「……あ、音が鳴ってない!」
「正解。まあ言ってしまえば、『音を立てない能力』だ。ちなみに、この鈴ちょっと面白くてね、鳴り物の代わりに小さな鈴が中に入ってるんだ」
「へー」
不思議な鳴り方をするとは思ったけど、そういうことだったのか。
「まあ、こんな一発芸程度にしか使えないつまらない能力だけどね。よろしく」
「そんな、謙遜じゃないですか。よろしくお願いします」

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後輩くん

廊下ですれ違う
目と目が合う
手を振られ
手を振る
あの子は
あの子は
おんなじ部活の
後輩くん
黒髪天パの
後輩くん

最近会えずに
淋しくて
部活が終わるの
淋しくて

眼中にないの
知ってるけど

今日も廊下で
君を待つ

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復讐代行〜第14話 交換〜

橘が歩く。
その道を開けるように後ろに溜まっていた女子が避ける。
その後ろをおずおずとついて行く。
いつもなら当然な顔をしていた事象が今ばかりは特異なこと、詳しく言えば橘が言ったことに起因してるような気がして恐ろしいことに思えてならなかった。
「あ、ありがとう…私なんかの…ために…」
怯えは次第に媚びへと変化していた。
…!?
どうして俺は…今橘に媚びた?
自分のした行為なのにその理由がわからなかった。
そうか…本当は怖いんだ、復讐をするのが…
そう気づいた途端“俺”の表情が妙に悲しく見えた。
それが…闇子なりの覚悟…
“応えなきゃいけないのか?”
体が俺に問いかける。
“なぜ悲劇を繰り返す…?”
かつて俺の体にあった傷の位置が痛む。
いや違う…これは彼女の傷だ…
『闇子の…悲しみだ…』
媚び諂う笑みの奥に新たな覚悟が灯る。

to be continued…

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LISZT

届かなかった未来に夢を謳い
今宵も落ちてゆく
綺麗なもの厳選して
狭い世界で生きてゆく
この人生流されるまま
漂い続けたら
どこに辿り着くのだろう
脳内駆け巡る君の声に
睡魔が邪魔される
おやすみ私の王子様

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 11.ゴブリン ⑯

「あー駄菓子屋に行く所だったんだよね」
「実はわたしも…」
「へー皆駄菓子屋へ行くつもりだったのか」
一緒か~とミツルはうなずく。
「んじゃ、俺も行こうかな」
暇だし、とミツルは言う。
「そいじゃ行こうかね」
耀平がそう言って歩き出した。
「あ、待ってよー」
ネロは耀平の後を追いかけた。
他の3人も歩き出す。
わたしも彼らに置いてかれないように歩き出した。

〈11.ゴブリン おわり〉