「…」
青髪のコドモはナツィの前で立ち止まった。
「何やってるのよ、お前」
青髪のコドモ、もといピスケスがそう言うと、ナツィは不貞腐れた顔をする。
「仕方ねーじゃん」
油断してた、とナツィは答える。
「しょうもない奴」
ピスケスはそう言ってナツィの手を縛る縄を短剣で切ってやった。
「…」
すみれは不満げな顔をする。
「あら、不満そうね」
獲物を取られちゃったから?とピスケスは笑いかける。
「べ、別に」
もうソイツなんかどうでも良いし、とすみれはそっぽを向く。
「…そう」
ピスケスはそう言って部屋から出て行こうとした。
時々
ドキドキ
素敵なシンフォニー
貴方のファンタジー
貴方の影響でどんどんポエムが浮かんできます。
(*^^*)
ひとまずは青路の言う排除をやり通すか
そうすれば自ずと橘は動くだろう。
あいつの重い腰が動くのを待つのはもうやめだ。
ここからは俺の番だ!
決意は固かった。
LINEの通知はさらにその決意を固くさせた。
「まさか、そこまで本気になってくれるなんて、一体何が?」
そういえば今まで誰かに話したことがなかった。
だからこそ孤独だったし、群がってばかりの陰キャが嫌に見えたのかもしれない。
いっそ話してみるのもありかもしれない。
排除なんて言葉を覚えた青路なら理解してくれるだろう。
【俺の大改革】を
全ては橘と行動を共にするようになった小学生の時から始まる。彼は当時からカリスマ性を持っていた。しかしそれを決して攻撃には使わなかった。
俺からすれば煩わしいほどに。
「なぁ、なんで蓮ってあんなウザい奴らとも仲良くできんの?」
「健太郎、ウザいとか言わない」
そう言って蓮は笑う。そのつもりはないだろうけど、嘲笑うようにしか聞こえない。
「別に俺にとっては、平和が楽ってだけだよ」
いつも言ってた。でも必ずその後に
「喧嘩を売られたなら致し方ないけどね」
別人のような蓮の顔もまたセットだ。
“一体どっちがホントの橘蓮なんだ…”
その恐怖からいつしか蓮とは素直には付き合えなくなっていた。それでも高校も同じ所を受験した。
それが最も都合がいいからだ。
そして高校に上がり少し変化が訪れる。それが桐谷青路の登場だ。今まで会ったことのない雰囲気を持った奴だった。そこからはただ楽しかった。
恐怖を中和し、喜びを増幅させた。
しかし、それは目の前で崩れた。
蓮は俺を裏切った。
陰キャごときに味方しだしたんだ。
あの女にも…
「俺の邪魔をするな、陽キャでも陰キャでもない二軍崩れが」
そう言っていた。
あいつは…支配する気だ…このクラスを…
このヒエラルキーを…
そんなことはさせてたまるか…
今の平和は決して失わせない…
やつを…この革命で…
堕とすんだ…!
to be continued…
決勝で対戦する相手チームの選手2名が負傷して欠員を出してしまい、助っ人が合流するまで時間がかかる関係で、試合開始が少し遅れるとのことだ
そして、姿を見せた助っ人を見て高雄の男衆と彼女は驚き、俺は頭を抱える
何を隠そう、助っ人というのは松山の副長とその彼女、つまり元カノだったからだ
彼女が「貴方の彼女として、私は絶対に元カノ相手に負けられない。だから、私が先発する」と言うが俺は首を振り、「俺は君の彼氏だろう?だからこそ、君に1人で背負って欲しく無い。2人で、俺達のバッテリーで勝てばいい。だから、俺が先発で組んで、勝とうよ」と返すと彼女も頷いてくれた
兄貴は「幼き日の君を泣かせた、あの東北楽天の名投手みたいになるのか…カッコいいぞ。本当はあのショッキングな試合を見た後の君が元気を取り戻すキッカケになった、あの少年野球の試合みたいに俺が先発で君に女房役組んで貰いたかったけど、君にはいい女房役がいるからなぁ…」と少し寂しそうだ
「兄さん、この娘は女房『役』じゃないんだ。この世に1人しかいない俺の大切な女房なんだよ」
そう返すと、彼女は「お願いしやすよ、旦那…私が籍入れる相手はアンタしかいやしないんで」とイントネーションに訛りを残しながらも東京訛りを意識して言ってくれた
一方、元カノは松山の副長と台湾華語で話している
兄貴が「『元カレに一矢報いてやれよ。そして、より戻したいなら戻せばいい』と言ってるぞ」と通訳してくれた
「言ってくれんじゃねえか。絶対負けらんねえな」そう言うと、彼女も「負けとうないわ。絶対勝つで!」と言って燃えている
マウンドの準備が整った
さあ、プレイボール!
3位決定戦は兄貴が先発し、俺は初めての女房役だ
初回は抑えたが、7回表に逆転を許してしまった
2点ビハインドの一死満塁で相手は強打の四番左打者というピンチの場面で俺の彼女が登板する
タイムを取ってマウンドに上がり、「配球、どうする?」と訊くと「3球目にフォークで振らせるからそれまでは構えたい所に構えて。」と返ってくる
「最初はど真ん中大きく構えるから信じて投げて」とだけ返し、プレーを再開させる
初球はど真ん中からインローに入るスライダーで見逃しストライク、2球目はアウトハイのストレート
そして、3球目のフォークで打たれたが、ライナーを取りサードに送って併殺に仕留める
裏には俺と彼女が二者連続アベック弾を打って振り出しに戻すも、その後両者無得点のまま、9回裏に繋がる
2死走者無し、打席には俺が入る
2-3からひたすら粘る中、彼女がベンチで「塁に出てくれたら、私が決めるから来た球打って」と叫んでくれたおかげで念願のヒットが、二塁打が出た
今度は俺が2塁上から「リラックスしろよー」と声をかけると、彼女がバックスクリーンに打球を入れてくれたおかげで8-6でサヨナラ勝ち
次の準決勝では俺も彼女も控えで、兄貴達が出て決勝に俺が登板することになる
兄貴が完封勝ちしてくれたので、決勝進出が確定だ
次の試合は約1時間後だ
いただきます
承認欲求と憂鬱な朝を
口いっぱいに頬張って
この空腹を癒せたら
無意味な感情と冷たい涙を
こころゆくまで飲み干して
この乾きを満たせたら
ごちそうさま