お風呂に浮かんだ ホコリすくって
流しさるとき さみしいような
くずかごみたいなこの部屋は
本当は全部 たからもの
誰かのサングラス かけて見ていた
はずせば やけに眩しいや
心に浮かんだ よどみ 溺れて
水に流して くれたらいいのに
くずかごみたいなこの頭
ノートに替えて 引き出しに
私のシャッターで 切り撮ったもの
さよなら また今度ね
くずかごみたいな 街の中
古い思い出に乗って
少し泳いでみようかな
ぬるい風を切って
「ま、そんな事は良いからさ」
とにかくゲーセン行こ、とネロは前を向いて歩き出す。
わたし達も、そうだなとか言って歩き出した。
…と、ネロが不意に立ち止まった。
「?」
どうしたネロ、と耀平が彼女に尋ねる。
しかしネロは答えない。
「…」
ネロは先程わたし達とすれ違った少女達の一団の方を見ていた。
「ネロ?」
ネロ…おいネロ!という耀平の声で、やっとネロは我に返る。
「どうしたんだネロ」
誰か知り合いでもいたのか?と耀平はネロの顔を覗き込む。
ネロは驚いたような顔をしていたが、やがてうつむいてこう答えた。
「…何でもない」
「何でもないって…どういう事だよ」
耀平は思わずそう聞く。
「…」
ネロは暫く黙りこくっていたが、その内口を開いた。
「何でもないものは何でもないんだよ」
ネロはそう言って、また前を向いて歩き出す。
「あ、ちょっと…」
耀平は置いて行かれまいとその後を追う。
わたし達残りの3人も、その後を追った。
疑ってばかりで孤独な人生
信じてばかりで弄ばれる人生
どちらが一体幸せなのかな
花咲くような、春の音色に。
風吹くような、君の音色に。
夢見るような、別れの音色を。
しんどいなんて、
辛いだなんて、
やめてだなんて。
言ったって
叫んだって
愚痴ったって
届かないことは知ってるよ。
だから
我慢して
無理をして
笑って。
諦めを覚えたんだ。
だって、貴方達が言うことが全てなんでしょう?
「大人」に、「親」に従っていりゃ、人生安泰なんでしょう?
だから今日も、笑顔で素直なわたしを演じるの。
あれれ、可笑しいな。
これは紛うことなくわたしの人生な筈なのに。
まるで誰かの人生を
誰かの希望を
誰かの思い通りを
なぞっているみたいじゃない。
まあ、どうでもいいけれど。
どうせ分かってくれないんだものね?
なら、この気持ちはくずかご行きだ
ああ。
やっぱりそうだった。
最後の最後までいつもの優しい君だった。
「気持ちだけで嬉しい」って。
やっと、理解した。
…振られたんだ。
胸が苦しくて、締め付けられて。
頭の中が真っ白になって。
なんて返せばいいかわからなくなって。
本当は心のどこかで気づいてた。
でも、気付いてないフリをしていた。
泣きそうになった。
きっと君も気づいていたでしょう。
フラッシュバックする3年前のあの日。
あのときも私は振られたんだ。
あのときと同じ。
人は違うけど同じだ。
何度振られても慣れない。
振られるたびに失恋ソングをあさりまくる。
高校に行ったら忘れられるかな。
君以上の人に会えるのかな。
でも、もう後悔はない。
良かったよ。君に出会えて。
君に恋をして。