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偽人小歌 Ⅰ

昔々、人間たちはその科学力で栄華を極めました。
その技術の果てに人間たちは“人造人間”を作り出し、人間の代わりに戦争をさせるようになったのです。
際限なく各地で生産される“人造人間”によって戦争は激化し、やがてどこの国も疲弊していきました。
「そうして科学力を失った人間たちが、戦争をやめたのが10年前」
わたしが幼かった頃のことよ、とレンガ造りの建物が並ぶ路地裏の片隅で、座り込む長髪の少女は微笑む。
「じゃあ、人造人間たちはどうなったの?」
戦争は終わったんでしょ?と少女の周りに集まる子どもたちが口々に尋ねる。
「それは…」
少女が重々しく口を開こうとすると、トウカさんと少女の名を呼ぶ声が聞こえた。
少女が顔を上げると、短髪にメガネをかけて太刀を身に付けた少女が立っていた。
「探しましたよ」
行きましょう、アカネさんが心配してますよとメガネの少女は”トウカ“に言う。
「分かったわ、アイ」
トウカはそう答えると立ち上がり、じゃあ続きはまた今度と子どもたちに言って、”アイ“と共にその場を後にした。

「もう、急にいなくなるからびっくりしましたよ」
”みんな“はいつものことだって言ってましたけど、私は相当焦りましたからねとアイは心配そうに言う。
「まぁいいじゃないの」
わたしは出かける先々で色んな人と話すのが趣味だから、とトウカは笑う。
「それに、”命を狙われる“のには慣れてるから!」
「そのジョーク全然面白くないですよ」
トウカの言葉に対し、アイは真顔で返す。
「あなたに死なれちゃ私たちが困るんですよ」
私たちにとって、あなたは希望なのだからとアイは呟く。
「そうかしら?」
わたしはただ自分がなすべきことをしているだけよ、とトウカがアイの方を見た時、前方から声が飛んできた。
「おーいトウカー」
見ると右目に眼帯を付けてキャップ帽を被り、長剣を持った少年が、2人に手を振っていた。
「どこ行ってたんだよ」
心配したぞ、と少年は2人に駆け寄る。
「あら“アカネ”」
探してくれたのね、とトウカが言うと、“アカネ”は当ったり前だろと笑う。

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白と黒と青き星〜第10話 疑考〜

転校生は本当にそのまま俺たちの部屋までやってきた。
具体的なことが何一つ決まっていないためひとまず客間に通すことになった。
「ここが新しい寝床か」
さも当然という顔で部屋の戸を開ける姿ももう誰も驚かない。
「布団はそこの押し入れにあるから」
美空は口調も含め、すっかり順応している。芸能界への偏見かもしれないがある意味さすがだ。
「そしてカレーの匂いがするこっちがキッチン、その先がリビングにあたる場所か」
仮宿がどんなところか分からないが壁を2枚近く挟む位置のキッチンにあるもう冷めたカレーの匂い、そしてその配置を察知したのだとしたら大した嗅覚と想像力だ。
「よくわかったな、仮宿も似たような間取りなのか?」
「いやもっと狭い。少なくともこんなに部屋数はなくて、1kくらいかな?」
やはり既視感などの前提情報なしでこの間取りを当てたのか、五感のどこが鋭いのかまだ分からないが確かに光の力次第では十分に体育科編入可能な域だ。

じゃああの時感じた違和感はなんだ…?

「雑魚寝っていうのもやってみたかったんだー」
俺が分析しようと考えている間に客間には布団が広げられ、転校生が手足を広げ横になっている。とぼけているのか…それともやはり何かを隠しているのか…
「顔怖いよ、ジョー」
大幡に声をかけられて我に返る。
どんなに違和感があってもここまで疑う必要はない、あったとしても今じゃない。
「そんなに考え込むなんて珍しいね、いつもなら考えるより先に行動するのに」
行動しなかったというより行動出来なかった。この転校生から感じる得体の知れない何かを前にすると…

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敗戦国の末路(キョウモニホンハヘイワデス)

数十年と少し前、我が国の無視できない程度に大部分が割とどうにもならないレベルで焼け飛んだわけでして。
それはそれとして、人間は意外と残ってたもんだからまた0からここまでやって来られたわけでして。

そして見てみろ、我らが平成・令和のこの世の中。
ゴミも脅威も悪意も陰謀も、綺麗も汚いも愉快も不快も、まるで骨折が処置無しで滅茶苦茶に治った痕みたいに、あまりに混沌として一時代が練り上がっていやがる。

驚け慄け笑えや世界。これが「敗戦国」だぜ。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― キャラクター紹介編 15

「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」キャラクター紹介編、第15回はサヤカのクラスにやって来た転入生「坂辺 里加古」の紹介です。

・坂辺 里加古/ヌリカベ
学年:中学2年
異能力:壁の幻を作り出す能力
イメージカラー:薄緑
一人称:わたし
寿々谷に引っ越してきたばかりの少女。
前に住んでいた「更月市」では友達がほとんどいなかったため、寿々谷で仲良くなったサヤカを独り占めしようと異能力を使った。
目の発光色は薄緑色。
不見崎 清花、笛吹 亜理那、鷲尾 遥は同じ中学校の同級生。

次回はネロのいじめっ子、「論手 乙女」の紹介です!

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中央線で思いついたもの

生きるということは今日この日を作るということ。
誰か一人がいなくなるとバランスが崩れる。
生きるのをやめるということはきょうを作るのをやめるということ。
しかし考えてほしい
今日が作れなくなったら他の人にどんな影響が出るのかを。
年をとるに連れこの力は失われていく
ただしこの力は取り戻せる。
みんなも頑張って今日この日を作って欲しい。