どうも、テトモンよ永遠に!です。
企画「Metallevma」の開催期間が折り返し知店に到達いたしました。
相変わらず参加者が全然いないけど、9月いっぱいまで開催するつもりです。
作品の形式はなんでもOKですので(小説を書かなきゃいけないとは言ってない)。
企画要項はタグ「Metallevma」から探してやってください。
まだまだ参加待ってます!
僕は時々考える。
もしあのときあの道で下校しなければあの子と友達にはならなかった
なら今この部活には入っていなかった
ならスクールオブロックには出会わなかった
なら僕は一人だったかもしれない。
そう思うと選択がすごく怖くなる。
だから僕は考えないことにした。
名前に「桜」の字が入っていたことだけ思い出して
記憶の中のあなたは花びらの瞼を閉じて
「何か飛んでくるのは分かったけど、あんな怖いものが飛んできてたんだァ……」
ネコメも岩石塊を見つめ、絞り出すように呟く。
「ねこちゃん、にげよ」
クリスタルに上着の袖を引かれ、ネコメは頷いて立ち上がった。
「うんそうだね。全く戦えないボクらは邪魔にならないようにしなくちゃだ。生存最優先!」
ネコメはクリスタルを抱え岩石塊から離れるように駆け出し、その場に取り残されたのは、ローズ一人。
「この大岩……まるで隕石? いや、衝撃はほぼ無かった……」
「そうであろう? 我が異能によって降り注ぐ隕鉄は、それ自体の質量によってのみ破壊を引き起こす! その純粋たること、これより美しい能力は他に類を見ないだろう!」
上空から朗々と語る声にローズが見上げると、隕鉄塊に突き破られた天井から見下ろす一人のメタルヴマの姿があった。
そのメタルヴマの腰より下は、核と思しき金属光沢を帯びた八面体の黒い結晶に埋まるように融合しており、右手に携えた軍刀を肩に担いでローズを睥睨している。
「美しいかどうかは別にして……失せろ侵入者!」
ローズが左手をそのメタルヴマに向け、能力を発動しようとする。しかし、何者かに背後から腹部を貫かれたことで、能力の発動は失敗に終わった。
嫁が「さっき渡してくれたもの食べてみたら味噌味で美味しかったんやけど、アレ何ていう名前なん?」と訊いて来たので「五平餅だよ。ほら,俺の大好物で信州名物の」と返すと「アレは私もハマる」と返ってきた。
「俺達,食の好みが似てるんだろうな」と結論付けると「だったら,明太子とかも好きなの?」と嫁が訊くので「前言撤回。申し訳ないけどもつ系と魚卵はマジで苦手。高菜は好きだけど」と答えると「高菜も良いけど,福岡の食べ物で私が1番好きなとり皮はどう?」と返ってくるので「とり皮?大好物やんけ」と返すと「なら,福岡で貴方と絶対行こうって言う場所あって,その隣の施設に入ってるお店のがオススメやけん、そこにしよ」と嫁が言うので「分かった。君に任せっぺ」と答えると「地元で知り合いいたら訛っても許してや」と返ってくるので「別に方言使いてえ時は使っても構わんよ」と返すと真面目な顔して「たとえ高速でも夜ん山はえずか」と言うので「俺,福岡着いたらえずがりな天然で美しか嫁が俺ん滞在中にかかる金は全額払ってくれるって聞いたばい」と冗談めかして返すと「ウチが破産せん程度にしんしゃい。唐人町のアレ,料金高かけん」と笑うので「唐人町?中華系の人の街ってことか?でも,中華街は…長崎だろ?何があるんだ?」と自問すると「唐人町は福岡ドームや」と言う。「交流戦で明日巨人ソフバンじゃねえか…応援セット忘れたなぁ」と呟くと「パスポートも忘れてたやろ。私ショルダーバッグに貴方のパスポート入れとるけん,心配せんといて。応援セットは一式船に積んだばい。代わりに,地元は美人多かばってん、浮気せんでな」と返って来たので「する訳ねえだろ。見た目だけ美人な女性はいくらでもいっけど,君は見た目も性格も,全部東京の夜景より綺麗だぁら,浮気なんて馬鹿なこと心配すんな」と返し、続けて「さ,行くべ」と言って嫁を促し,もう一度車に乗り込む。
渋滞は無く、予定より早く港に着きそうだ。
「アンタの思いつきやら何やらのせいで、あたしらいっつも面倒ごとに巻き込まれてるからね」
ルビーがそう呟くと、サファイアはまたうんうんと頷く。
「そんなー」
わたしはただ面白そうだからやってるだけなのにーとクリスタルは頭を抱える。
「…それにしても」
その子どうするの?とエメラルドはルビーに尋ねる。
「貴方たちが預かるのか、それとも…」
エメラルドがそう言いかけた所で、ルビーはこう答える。
「え、生み出した当人が引き取ればいいんじゃない?」
ルビーがそう言って後頭部に手を回すと、クリスタルはえ、と顔を上げる。
「アイツが全ての元凶なら、アイツが責任を取るべきなのでは?」
ルビーがクリスタルを指さすと、クリスタルはえええええ⁈と立ち上がる。
「わたっ、わたしが⁈」
「そうだよ」
ルビーはそう言って冷ややかな視線を向ける。
「アンタが始めたことなんだし」
どうにかせい、とルビーはグランディディエライトの背中を押す。
休憩を終えて走り出すと、嫁が一言「信州って雰囲気良かね」と言うので「だろ?俺も信州好きで昔から何度も来てる。ただ、親父と違って俺は上田や松代といった北信よりも諏訪や高遠と言った東信・伊那地域が好き。特に、高遠城址公園の桜はとても綺麗だし、伊那名物のローメンは勿論,大好物の五平餅と言った旨いものも沢山ある。小6の移動教室で伊那の農家さんの所で稲刈りさせて貰った時から信州の食べ物は好きなんだよ。まぁ,ざざ虫やイナゴは今でも苦手だけどね」と返すとタイミング悪く会社の人事課長から電話が来る。
地方への異動の打診だったので少し落ち込んでいたが,温泉の諏訪,郷里の東京・新宿,桜が綺麗な高遠という俺が好きな3つの街にアクセスしやすい茅野へ異動ということで二つ返事でこのオファーを受けることにした。
その後嫁が何か歌って欲しいと言うので,折角だから皆も歌えるヤツにしようと暫く考え込んでいると後部座席の皆が信州を代表する名曲『信濃の国』の音源を流して合唱を始め,嫁もつられて口パクで歌い始める。
今度は嫁が『いざ行け若鷹軍団』を歌うので、各々が応援するプロ野球チームの球団歌を歌うことになって完全にカラオケムードになり,見事に休憩予定地で夜景と月が綺麗な姨捨も山葵で有名な安曇野もすっ飛ばして気付いたら松本まであと1キロの標識が出るまで南下していた。
そして,夕食を摂る為に松本で一度高速を降りて駅ビルの店で山賊焼きを堪能し,もう一度高速に戻って諏訪湖SAの温泉に入った。
風呂上がりにテラスに出て諏訪に程近い山梨の銘菓信玄餅をアレンジしたクレープアイスを食べながら眼下の夜景を見ていると,来た時とは打って変わって雲一つない夜空に北斗七星と月が湖と湖畔の街を照らしていることに気付く。
嫁がそばに来て「なんか,2人でパリに行った時思い出す…あの時も空から見た街の夜景こんな感じやったよね」と言うので「でも,あの時と今日とでは決定的に違うことがある。あの時は移動日で試合が無かったのに対し,今日の試合は言葉にしたく無いくらい酷い負け。」と言うと「もう,貴方ったら。プロ野球か旅か私のことしか頭に無いんでしょう」と嫁が言うので「当たり前だろ?これからの俺を支える、どれか一つが欠けてはいけない三要素なんだから」と言って笑って紙に包まれた木の棒を差し出す。
あと3時間弱で港に着き,すぐに船出する。