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厄災どおるtutorial:嘘吐き煌星 その③

呪術師の男性、イユ、サユリが一足早く現場に駆け付けると、中年男性が血のついたナイフを振り回しながら滅茶苦茶に周辺の人間に切り付けようとしていた。周囲には数人、倒れている人間も見られる。
「イユ!」
「あー? 私に何か頼むんじゃねーぞ? 殺すぞ?」
「……分かったよ。サユリ、悪いけどあの人の気を引いてくれる?」
「了解です、マスター」
通り魔の男にサユリが滑るような動きで接近する。それに気付いた通り魔は彼女に向けてナイフを突き出したが、サユリはそれを片手に突き刺させることで止め、通り魔が動揺している隙にナイフを持っていた手ごと捕える。
「捕えました」
「ありがとう、これで……!」
男性はボックスから封人形を1つ取り出し、通り魔の男に向けて投げつけた。まっすぐに飛んでいったそれは通り魔の額に直撃し、そこを起点に暗紫色の煙のようなエネルギーが渦を巻いて噴き出した。
数秒後、エネルギーの渦から気絶した通り魔が吐き出されるように放り出され、渦が霧散する。そこには、白いワンピースを着た少女が立っていた。
「んー、細っこいがなかなか背ぇ高い子ができたじゃん。なァ呪術師?」
少女を見ながら、イユが笑う。
「そうだね……これで終わりなら良いんだけど……」
少女は枯れ枝のように細い自分の手足をしばらくぼんやりと見やり、不意に呪術師の男性の方に顔を向けた。
「……あなたが、わたしをつくってくれたんですか?」
「えっ、あ、ああ、そうだけど……」
少女はふらふらとした足取りで男性に近付いてきた。
「ありがとうございます、わたし、あなたのおかげで今、ここにいるんですね……」
少女がふわふわとした口調で言いながら距離を詰め、手が届くほどの至近距離にまで辿り着く。
「このご恩……どうお返ししたらいいか…………」
少女の伸ばした腕を、ちょうど追いついたばかりのソラが掴んで止めた。

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廻るは因果、故に舞い散る桜の刃 十二

担任は空き教室から埃っぽい机一式を出してきた。
ガタン、と音を立てて桜音の隣りに置き、

「じゃあ、一時間目は体育だからな。早めに着替えろよー!」

と言って教室を出て行った。
桜音は、更衣室は混んでいるので、トイレへ向かおうとする。
普段は更衣室だが、混んでいるし、葉月がいる上に昨日の仕事で背中に大きな痣を作ってしまった。
そういう意味でもトイレで着替えた方が都合が良かった。
トイレの個室に入ろうとすると、クイ、と袖を引っ張られる。
振り返ると。

「あの、桜音様?少々お話が...」

葉月が立っていた。
しっかりとジャージに着替え済みだ。

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変わったことを悲しく思う誰かは

好きでいたかった人


変わっても一緒にいたい誰かは

好きな人

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逃鷲造物茶会 Act 10

「ナツィ?」
3人組の内の1人、金髪に白いカチューシャを付けたコドモ…キヲンが尋ねる。
「何してるの?」
キヲンに聞かれてナツィは、え…とポカンとする。
「な、何って」
「て言うかその人誰⁇」
キヲンがエマの方に目を向けると、エマはハ〜イと小さく手を振る。
「わたしはエマよ」
ご機嫌よう、人工精霊の皆さんとエマは笑いかける。
「もしかしなくても、かすみのお知り合い?」
エマがそう聞くとキヲンはうん!と元気よく答える。
「かすみの所にお茶しに来たの〜」
キヲンがそう笑みを浮かべると、あらそうとエマは言う。
「それじゃ、わたしはちょっとお邪魔かしらね」
そう言いながらエマは物置の出入り口に向かった。
「どこ行くの?」
キヲンがそう首を傾げると、エマはかすみのお部屋に行くわと答える。
「じゃ、皆さん楽しんで」
小さく手を振りながら、エマは入り口に立つ3人組の横を通り過ぎていった。

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月の魔術師【10】前編

いつのまに到着していたのか、ロマの騒ぐ声でニトは目を覚ます。例によって低血圧なので、動くことなくゆっくりと瞬きを繰り返した。
「ニトーっ!ついたぞ!」
ロマがニトの太腿を叩いて起こそうとしてくる。
「ああ、うん…わかったわかった…」
しぶしぶ身体を起こして見渡すと、ロザリーがロケット内にいないことに気づく。
「あれ…」

外に出ると、砂嵐がニトとロマを襲った。ロザリーは呆然とまわりを見ている。
「ぅわ」
小さく声をあげたロマに気付いたのか、ロザリーが振り向く。
「ニトさん…」
「ここは、あなたとロマの故郷ですか?」
「ええ…恐らく。こんな、広い砂地はなかったんですが…」
改めてまわりを見てみる。そこにあるのはさらさらとした砂ばかりで、先が見えない。本当にそれだけだった。
「位置的には、ここで間違いないんです」
ロザリーはぽつりと呟いた。
「焼けちゃったんですね、もう」
戦争は既に、ずっと前に終結していたようだ。ロザリーたちの種族が敗戦したであろうことは明らかだった。

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少年少女色彩都市・某Edit. キャラクター紹介②

・“受動的ノーツウォーカー”魚沼理宇(ウオヌマ・リウ)
年齢:14歳  性別:女性  身長:147㎝
芸術:アーケード音楽ゲームプレイ  衣装:学校制服風衣装(ブラウス、セーター)
タマモの戦闘スタイルに憧れてリプリゼントルになった少女。趣味は音ゲー。体力の都合で1日3クレジットまで。
戦闘時は長さ30㎝程度の棒を2本描き、リズミカルに攻防一体の連打を放つ。多少の変化はソフランで慣れてるから大丈夫だけど、やっぱり一定のリズムの方が楽だなー……って。
絵はあまり得意では無いので簡単なものしか描かないというか描けない。代わりにインキに手を突っ込んでコーティングするようにガントレットを生成したりもする。
個人的「打撃ダメージによって内臓ズタボロにして血を吐きながらも強気に笑って戦い続ける姿が似合う子」No.1。ナニガシの寵愛を受け、出てきたら大抵酷い目に遭う。

・“モデラー”ぬぼ子
年齢:10代後半  性別:女性  身長:159㎝
芸術:3Dモデリング  衣装:サイバーパンク
『雨野ぬぼ子』の名前で活動している動画投稿者。主な動画ジャンルは3DCGアニメーション。とある目撃者の証言によると、「3Dモデリングソフトを起動して、直方体のCGモデルを生成した。そこから腕組みをして何やら考え込み始めたので、5分ほど席を外し飲み物を買って戻ってきたところ、姿勢は全く変わっていなかったにもかかわらず画面の中に極めて精緻なヒトの腕のモデルがあった」とのこと。ガラスペンの使い方も独特で、3点を指定することで直方体を瞬時に生成し、拡大・複製して相手を押し潰す戦法を得意としている。
よくコーヒー飲料やエナドリを飲んでいるがカフェインはもう効かない。美味しいから無問題。
素の性格は引きこもりの陰キャだが、人前では行動力ある明るく面倒見の良いお姉さんを演じるようにしているため、他のリプリゼントルからは大人気。