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ときおり そっと てが
ときおり そっと ひとみが
ぎゅっと とじられひらかれて
わたしはなにををおもうのです。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 番外編 スプリングミーティング ⑬

「ココアシガレット」
駄菓子屋でよく売ってるやつだよ、とネロは答える。
「へぇ」
ソレ好きなの?とおれは何気なく尋ねる。
「…まぁね」
ネロは小箱から白い棒切れを取り出しつつ素っ気なく返す。
おれはそんなネロを眺めていたが、ふとある事を思いついた。
「なぁネロ」
おれが話しかけるとネロはココアシガレットを咥えつつ、ん?と反応する。
「お前おれの事手伝ったらソレ買ってやるよ」
ココアシガレット、好きなんだろ?とおれは聞く。
「…」
ネロはココアシガレットを咥えたまま暫くポカンとしていたが、やがてこう言った。
「別に、良いよ」
コレ買ってくれるなら、とネロは笑う。
「よしじゃあ行こう!」
おれがそう言うと、ネロはうなずいて外階段を駆け下りた。

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造物茶会シリーズ現行公開設定まとめ! その6

・ピスケス Pisces
この物語のメインキャラの1人。
一人称は「私」。
背が高く(165cm)長い青髪が特徴的。
服装は白いノースリーブワンピースで、白いロングブーツと白い長手袋を身につけている。
性格は上品で淑やかだが少し意地悪。
自分より弱い者(かすみやキヲンや夏緒)には優しいが、自分より強い者(ナツィ)や中途半端に強い者(露夏)は「お前」と呼んで手厳しく扱ったりする。
かすみやキヲンとは仲良くやっているが、ナツィは“学会”の命令で監視しているからなのかあまりよく思われていない。
露夏のことは「私の狗」と呼んでよく共に行動している。
右手に仕込まれた術式で白い弓矢を生成したり、背中に鳥のような白い翼を生やして飛ぶことができる。
普段はかすみの所の喫茶店の2階の物置でナツィたちと溜まっていることが多い。
現マスターの鴻海 歳乃(こうのうみ としの)とは付き合いが長く、歳乃からは「友達みたい」に思われているそう。
“学会”からの依頼でナツィや露夏と共に“学会”の外の魔術師や人工精霊と戦うことが多々ある。

・露夏 Roka
この物語のメインキャラの1人。
通称露夏ちゃん。
一人称は「おれ」。
身長は小さい訳でも大きい訳でもなく(158cm)、赤い短髪で頭部に犬のような立ち耳が生えている(よく外ではキャップ帽を被って隠している)。
服装はTシャツの上に赤いジャンパーを羽織っており、下は青い膝丈半ズボンと赤いスニーカーを履いている。
性格は仲間思いで少し世話焼き。
ナツィからはあまりよく思われていないのか、たまに衝突している。
かすみとはそれなりに仲良くしているし、キヲンのことは可愛がってる。
ピスケスからは「私の狗」と呼ばれており、何かと共に行動している。
“きょうだい”の夏緒(かお)のことはいつも想っている。
懐に術式を組み込んだ包丁を隠し持っている。
普段はかすみの所の喫茶店の2階でナツィたちと溜まっていることが多い。
“学会”の依頼でナツィやピスケスと共に“学会”の外の魔術師や人工精霊と戦うことが多々ある。

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五行怪異世巡『肝試し』 その⑨

(それで、カオル? さっき何か掴んだみたいだけど)
青葉は心の中で、カオルに問い直した。
(あー、うん。あいつ殴っても『怪我』しないんだよ。先に『変形』しちゃうから)
(……結論だけ)
(多分……抜かなきゃ駄目だと思う)
「……マジかぁ」
「あン? どうした青葉」
近くに着地した青葉に、千ユリが尋ねる。
「〈煌炎〉を……抜かなきゃかもしれない」
「は? ならさっさとやれば良いじゃん。それ滅茶苦茶強いし」
「……いやさ、これ抜いて使うと何故か手の皮すごい擦り剝けるんだよね……全体的に。それこそもの持ったり手ぇ付いたりできなくなるレベルで」
「……なんで?」
「いや分からん……とりあえず、やるとしても確実に仕留められるってタイミングじゃなきゃ無理だと思う」
「……はぁあー? 何なの? アタシ以外全員生ゴミなの? 使っかえねェ…………しゃーない、隙ならアタシが作るから、逃すなよ?」
「ん」
悪霊に、再び“野武士”が迫る。刀を振り上げた右手首を悪霊が掴み、その手首は捩じ切れるように変形した。

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我流造物創作:邪魔者と痩せ雀 その③

「んー……こうなったらもう仕方ないですねぇ……」
ワカバは徐に立ち上がり、先程荷物を置いた机に近寄り、リュックサックを漁り始めた。
「私が何とかしますね。もう少し頑張ってくださいアルベド先生」
「おう頼んだ」
アルベドの返答を聞いた辺りで、ワカバは1冊の手帳を取り出した。
「それでは…………」
手帳を開き、その中の数ページを重ねたまま破り取る。
「【展開】」
ワカバの手の中でページが燃え上がり、直後、研究室内の全員が月夜の平原上空に転移された。空中に投げ出されたことで、使い魔はアルベドから離れ翼を広げてゆっくりと落下し始める。
「流石に助けろおネコォッ!」
「んゃぁ」
一瞬早く着地していたおネコは一言鳴き、再び跳躍してアルベドとワカバを受け止めた。
「助かった……」
「ありがとうね、おネコちゃん」
「んゃぁ」
3人の着地からやや遅れて、鳥脚の使い魔も地面に下り立つ。
「ねぇ君、名前は何ていうの?」
ワカバの問いかけに、使い魔は何も言わず首を傾げた。
「……名無しか。作ったモンには呼び名くらいつけるだろ普通。命令する時どうするんだよ」
アルベドが呟く。
「じゃ、名前つけてあげたらどうです?」
ワカバが反応する。
「あー? 俺の使い魔じゃねえんだぞ」
「じゃあ、うちの子にしちゃいましょう」
「面倒くせえ。勝手にやってろ。……おネコ!」
アルベドの命令でおネコが駆け出すのと同時に、鳥脚使い魔の姿が消えた。