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無銘造物再誕 Act 12

「ボクのマスターがどこに行ったか知らない?」
さっき出かけてっちゃって、と金髪のコドモは付け足す。
「ボク1人でお留守番してたんだけど、退屈でさ〜」
何もすることないし〜と金髪のコドモはその場に座り込む。
「どこに行ったか気になるんだぁ」
だからどこに行ったか知らない?と金髪のコドモはピスケスに目を向ける。
「あら、彼女がどこに行ったか知らないの?」
ピスケスが聞き返すと、うんと金髪のコドモは頷く。
「そうねぇ…今日は平日だから、大学にいると思うんだけど」
1限が云々ってさっき言ってたし、とピスケスは顎に手を当てる。
それを聞いて、ピスケス知ってるの⁈と金髪のコドモは顔を上げる。
「えぇ」
知り合いよとピスケスが返すと、金髪のコドモはじゃあさじゃあさ!と立ち上がる。

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葉のない木にぶらさがって

フクロウみたいに過ごしてしまえ
独りのセイント・ダークネス

ガリガリに痩せた真っ赤なハート
食っても食っても足んないカラダ

君の枕は誰の腕なの
君のシーツは誰が汚すの

僕は街をただ眺めてる
葉のない木にぶらさがって

繕うたびに綻ぶのなら
やぶいてしまえハートエイク

ひとりぼっちで目を光らせて
殺してしまえホトトギス

うまくいかねぇなあもう

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『ポエム掲示板クリスマスフェスタ2024』 企画案内

R.N.テトモンよ永遠に!さんが昨年主催した企画『ポエム掲示板クリスマスフェスタ2023』。覚えている方もそれなりにいるのではないでしょうか。
せっかくだから今年も開きましょう。僕が勝手に主催します。企画名はそっくりそのまま『ポエム掲示板クリスマスフェスタ2024』。
企画への参加条件は、タグに「ポエム掲示板クリスマスフェスタ2024」を付けるだけ。
作品の形式、長さ、投稿作品数は不問。思いつくまま垂れ流しましょう。
クリスマスや冬をモチーフにした作品、またはそれらが作中に登場すればそれでOK。「リア充爆発しろ!」系の浮ついた世の中を僻み倒すテーマでも良いそうです。
期間は12月25日のクリスマスその日が終わるまで。遅刻組も歓迎です。
分からない点などあればナニガシさんが何とかします。昨年度主催者のテトモンさん……には流石に勝手に押し付けちゃまずいので、ここのレスに書いてください。
皆さんのご参加ご協力、お待ちしております。

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終末を巡る_6

「あれ、こっちに行ったと思ったんだけど…」
人はアトリエを見回した後出て行ったようだった。
『あとりえ?』
『なんだろうな』
とりあえず絵の具の入った箱から出て部屋を見回す。青空と草原の描かれたキャンバスが一、二枚。濁った空のものも二枚ほど。乱雑に散らばっていた。林檎は鼻をひくつかせてキャンバスをつっついている。
『あのひと、こんなとこにすんでるのかな』
『流石にないんじゃないか?ここじゃ何も手に入らないぞ、価値あるものもなさそうだし』
『なにも、てにはいらないのにいきてられるの?』
『さあ…人間のことはよくわからん』
改めてアトリエ内を見回してみると、かなり蜘蛛の巣が張られていた。
『…あの人間、ここを大事にしてるのかしてないのか分からんな』
食べようとしているのか、林檎が絵の具のチューブを噛みだしたので、鼻で突いてやめさせる。
『もどる?』
『そうだな…ここにずっといるのも居心地が悪いし出ようか』