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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.キリン ㉓

ヴァンピレスが現れてから暫く。
わたし、異能力を発動中のコマイヌ、黎、師郎の4人は、ショッピングモールの階段を慌てて駆け下りていた。
「まさかこんな時にヴァンピレスが現れるなんて」
どういう事なんだと耀平は呟く。
「最初から琳を狙っていたのか?」
「さぁ」
師郎と黎はそう言葉を交わす。
「とにかく、ネクロが足止めしてくれている内に琳の元へ行くぞ」
じゃねーとこの前のメイの時みたいになるからな、とコマイヌが続けた所で、不意に階下からうわぁぁぁ‼と聞き覚えのある声が聞こえた。
わたし達が足を止めて階段の柵から下を覗くと、1階の踊り場で琳くんがへたり込んでいる姿が見えた。
そして彼の目の前には、白いミニワンピースにツインテールで赤黒く輝く瞳を持つ少女…ヴァンピレスが立っていた。
「アイツ…分身をいつの間に⁈」
コマイヌは驚きのあまり目を光らせるのをやめながら言う。
ヴァンピレスは手に持つ白い鞭をもう片方の手で引っ張りながら笑っていた。

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気紛怪文書 ―衰退生物学を添えて―

雌の山鳥 散る八重桜
六肢の捥げた黄金蜘蛛
羽搏く家蚕 枕と野犬
腹から浮かぶ錦鯉
山椒魚と 拉げた家守
空へと堕ちる月夜茸
狂い朽ち爆ぜ融け失せて
神代は果てて 今は春

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使い道

全てを守れるだけの力をください。

そうすればありとあらゆる災害、天変地異、紛争、戦争から皆を守れる。

【私は本当の恐怖を知っている】
私が見た景色は大地が割れ、海は荒れ裂ける夢を見た。しかし、この自然のプロセスを経て、太陽の民は人々の中心となり世界を引っ張ってゆくであろう。夢を見た。

【自分の使命】
全てを守ってみせる。

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円環魔術師録 8

「ミル君、次良いかい?」
「はい、どうぞ。」

ミルがランプの前から移動すると、リンネは彼と同じ様にランプの前に立つ。

「うーん、相変わらずだなぁお前は…。」

エルが顔をしかめたのを見て、リンネは目を細めた。

「そういう時は、何も変わってなさそうで何より、って言いなよ。」
「そうだけどよ〜…面倒なんだよお前のは…。」
「何〜?そんな事言うともう帰るよ〜?」
「悪かった、悪かったから。」

ええ、と不服な顔をしながら、リンネはランプの取手を握った。

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『レピドプテラ』

の中に目を凝らしてよく見ると大男は何かにつながれており、それがこの部屋を循環する光の出処のようだった。
「どうしよう!どうしよう!何の機械か知らないけど怒られるだけじゃ済まないよこれ!」
「とりあえずなんとか機械を止めないと」
「どうやって!」
「えっと…あの…えー…そうだ!レイナって確か水出すヤツ持ってたよね、アレぶっかけてみよう!」
「そういう機械なのこれ!?」
「知らないよ!いいからやって!」
「もー!」
レイナは魔石(メディウム)を取り出して念じる、するとその魔石から水流が渦を巻きながら出現して巨大な瓶に向かって一直線に激突した。
「そういうことじゃないんだけど…まぁいいや!」
リョウも魔石を取り出し念じると魔石を握った腕が巨大化し、瓶に向かって特大のパンチを打ち込んだ。
「…リョウ、私それ知らないんだけど。新しいメディウム作ったの?」
「違うよぉ、肉体強化の応用だよこれぇ」
リョウが拳をめり込ませると瓶は音を立てて崩れ去り、それと同時にエネルギーの供給源をなくした機械は自壊を始めて最終的に止まった。
「…なんとかなったな」
「いやぁ…なってるかなぁこれ…」
二人が辺りを見渡すと確かにいろんなものが原型をとどめていなかった。
「とりあえず、これは僕達の秘密ってことで…」
「今回ばかりはそれに賛成だわ…」
二人が肩を落としながら元来た道を歩き出す。
「ま…まて…」
「…ねぇ、今なにか…」
「いや…僕達は何も聞いてない…きっと疲れてるんだ、ワンツーで走ろう」
「そうね…そうしましょう…」
「アプ・ホミ・ケト!よし、まだ魔力は残っているな…二人とも待ってくれ、私を開放してくれたのだろう?ありがとう」
その優しい声に二人は顔を見合わせてから振り返る、そこにはあの瓶の中にいた大男が立っていた。
「私はレピド・プテラ、君たちは一体?」
「レピドプテラ…?学園と同じ名前…!?」
「学園?」
「この上にあるんです、私達その生徒で…」
「魔法か?」
「はい…」
「あのクソジジイ共め…ちょっとまて、君達どうやって魔法を?」
「このメディウムって石で」
「何だこの魔石…?結晶竜の核にしては不安定だ…それに個人と結びついているのか?」
レピドが魔石に触れると一瞬の閃光の後に砕け散った。