「お前さんの身を守るためだから、そのためと思って我慢してくれ」
「まぁ、そうだけど…」
わたしは納得し切れずうつむいた。
「とにかく、アンタはこの作戦に関わるな」
自分の身が惜しければ…とネロはいつの間にか光らせるのをやめた目をわたしから逸らす。
その場に微妙な雰囲気が流れた。
わたしもネロ達も、その気まずさから皆目を合わせないようにしていたが、やがてネロが行こうと呟く。
耀平がそれに、そうだなと答えて立ち上がって歩き出し、黎と師郎も顔を見合わせて続いた。
わたしはその場に立ちすくんだままだったが、少し気になる事が頭をよぎったので、ねぇと彼らを呼び留める。
すでに歩き出していたネロ達は足を止め振り向いた。
「ネロ達は、ヴァンピレスを襲撃する作戦に、本気で賛成してる?」
わたしの言葉に、どうしてそんな事といぶかしむ。
だって、とわたしは続けた。
「ネロは最初あの作戦に賛同してなかったし、そもそもヴァンピレスがあぁなったのが家の問題もあるって…」
「何、今更アイツに同情かよ」
「そういう訳じゃなくて!」
わたしは思わずネロの言葉を遮る。
1話 狂信的で依存的な
「ただいまアディくーん、愛しのハニーが帰ってきたわよー」
07号室の扉が開き、派手な服装の少女がにこにこしながら闖入してきた。
「おー、おかえりー。ファナ、遅かったな」
アディくんと呼ばれた少年――アッドは簡易ベッドに横になって、本を読んでいた。その隣には文庫や新書など五冊が積まれている。
アッドは少女をファナと呼んで、一度振り返っただけで読書を再開する。
時刻は午前0時。子供が出歩くには遅すぎる時間に帰ってきた相棒を心配する素振りを見せないアッドに、ファナは不満そうな顔をした。
「ねーちょっと! 親愛なる女の子がこんな遅い時間に帰ってきたのよ。心配してよ!」
「別に心配することないだろ。襲われても倒せるんだし」
「そーうーだーけーど! 何、ファナには興味ないんだ?」
ファナは拗ねた顔でベッドに寝そべるアッドの上に跨って座った。アッドは苦笑して本を閉じた。
「なんか飛躍したなあ」
アッドは起き上がって、左手でファナの頬を優しく撫でた。その左の薬指にはめた指輪はファナとお揃いだ。
「じゃあどこ行ってたの」
「えー、どこだと思う?」
「自分で言わせといて……」
不平を漏らしつつもアッドの表情は愛しい者を見るときの微笑みを浮かべている。ファナはその手を優しく包んで、満足げな表情を呈している。
「それよりね、ファナ、今日10万も貰っちゃった」
ファナはそう言って剥き身の10枚の紙幣を鞄から取り出し、無邪気に少年の目の前に突きつける。アッドは複雑な心境で眉をひそめた。
広間につくと朝食の準備がされていました。
「おはようございます、お父様、お母様、お兄様。」
「「「おはよう、ティアラ。」」」
お母様の名前はダリア・ルナ・アフネル。
お兄様の名前は、フレイ・リリック・アフネル。
フレイお兄様は貴族院の最上級生で、私も入っている生徒会の副会長を努めています。ちなみに会長は私と同い年のフランシス殿下です。
「ティアラ、今日は舞踏会の日だろう?迎えはどのくらいによこそうか。」
朝食が始まり、お父様が話し始めました。
「お迎えは必要ありませんわ。ウィリーが送ってくださるはずなので。」
ウィリーは私の婚約者で、アフネル家と同様に上級貴族、チェチェリン家の嫡男です。
「そうか、なら安心だ。」
ウィリーと婚約したのは2歳のとき。国王陛下の意向で結ばれました。家族からは評価の高いウィリーだけれど、本当は、、、。
「旦那様、チェチェリン家のご子息様がお見えになられました。
「お迎えが来たようだぞ、愛しい娘よ。」
ふふっ。本当にお父様の親バカぶりには困りますわね。
太陽フレアが原因で全てストップすると月が教えてくれた。
当たり前だったことが、一気に不便になってしまう
あなたが呼んでる
そんな気がした
違うかもしれない でも行きたい
私は欲望と傲慢で満ちている
そんな汚い私を 情けない私を 呼んでくれた
あなたのところに 今 すぐに
向かう