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墓想造物茶会 Act 33

「“事情”って、なに?」
その言葉にナツィは少し顔をしかめる。
「…言わなきゃいけない?」
ナツィは渋るように言ったが、ピスケスは言った方がいいわよ〜と横から口を挟んできた。
「お前、好きな子にすら自分の秘密を言わないんだから」
「ちゃ、茶化すなよテメェ」
ピスケスに煽られるように覗き込まれて、ナツィは恥ずかしそうにピスケスから少し離れる。
ピスケスは、事実だものと手で口元を隠しつつ言った。
ナツィはそんなピスケスに恨めしげな目を向けてから、かすみに、なぁと向き直った。
「かすみは俺の昔話を聞いても、変な風に思わない?」
「…どうして?」
かすみが聞き返すと、ナツィは、いや、その…と恥ずかしそうに目を逸らす。
「だってなんか言いづらいし…」
「つべこべ言ってないで早く言った方がいいわよ」
「うっ」
ピスケスに横槍を入れられたナツィは気まずそうな顔をした。
しかしかすみは、別にいいよとにっこり笑う。

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春。

春ってさ
「出会いと別れの季節」
とかいうよね。

もし、この世に「出会い」というものがなかったら?
きっといつまでも孤独なんだろう。
周りは人で溢れているのに
孤独なんだろう。

もし、この世に「別れ」というものがなかったら?
きっといつまでも変われないんだろう。
新しい場所に踏み込まないで
閉じ込められてるんだろう。

もし、この世に「春」というものがなかったら?
矛盾する世界なんだろう。
出会わないのに別れないのなら
誰も存在しないんだろう。

春があるから
私たちは出会い、別れる。
そして、私たちは命の花を咲かせる。
地球という美しい草原に
命の花が咲き誇る。
命の花の水は
春。

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おはようって
今日を始める魔法なんだろうな~

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墓想造物茶会 Act 32

ナツィをかすみたちが見つけてから暫く。
ナツィ、かすみ、キヲン、露夏、ピスケスの5人は、ナツィと露夏がケンカをしていた公園のすぐ傍にある、鉄道の車両基地の上を通っている歩道橋の上にいた。
歩道橋の下にはさまざまな形式の鉄道車両が停まっており、キヲンと露夏は近くのコンビニで買ったアイスバーを片手に、歓声を上げながらそれらを眺めている。
その傍で、ナツィはぬいぐるみを抱えたままかすみとピスケスに挟まれて、歩道橋の柵を背に座り込んでいた。
「“学会”の結界監視システムを使って俺を探し出すとか、ズルすぎだろ…」
ナツィはうなだれつつ呟く。
ピスケスは仕方ないわよと笑った。
「かすみときーちゃんがお前を探したいって熱心にいうから、私も折れちゃったのよ」
「なんだそりゃ」
ピスケスの言葉にナツィは引き気味で答える。
「そもそもお前は俺の監視役とはいえ“事情”を知っているから見逃してくれると思ったのに…」
ナツィはがっくりとまたうなだれた。
ピスケスはそれを見てうふふと笑うが、かすみは不思議そうに、ねぇとナツィに話しかけた。

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でも

自分から連絡取るの
もうやめようって思うのに
忙しいとこ申し訳ないし
自立しなきゃだし
心配かけたくないし
めんどくさくなっちゃうのもやだし
子供っぽいって思われたくないし

でも寂しいもん
声聞きたいし
大好きなんだもん

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Broken

この世は常にバグってる
この世の定義は変わりすぎている
隠れたものは明日には消えてる
忘れ去ろうとする人が憎いの

所詮 同じ日々さ
そんな中でも人は
何かをおかしくして生きてる

「飽き」ってもんを
捨て去ろうとしてさ

また人はすれ違って
画面が狂う
鮮やかになるはずの愛も
違いが産まれはじめてる
スクリーンに映る景色は
どれもこれもが古くなってる
小さいはずのものは
膨らんでいき
見えないものに
潜んでる

この世は常にバグってる
この世の定義は狂ってる
大事なものは明日には変わってる
思い出せない人が憎いの

所詮 同じ場所さ
そんな中で人は
何かを変えようとして生きてる

「冷め」ってもんを
忘れようとしてさ

また人は擦れ合って
画面が壊れる
鮮やかになるはずの日々も
全て逆に映し出してる
スクリーンに映るものは
どれもこれもが分からなくなってる
気付けないはずのものは
吸い込んでいき
いつか全てを
知ってしまう

本物が映らなくなってしまったの
それは致命的すぎるの
変わり果てたこの世は
これ以上何が変わるというの?
嘘で覆われてしまっても
それには真が隠れてる
ただ一つのものを探すにも
これ以上何をすればいいの?

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終末

地底洞窟にて

ある石版が見つかった

それは人々にこれから起こる出来事を記した記録

いいや、大昔の出来事がこれから繰り返し起きるであろう記録だ

記録には大昔の出来事が繰り返されるのなら世界には終末が訪れると書かれてある

周りを見て欲しい

争いは絶えず続いている

この、何処に安住の地があるのだろうか

世界は再び滅びの道を辿るか

または、違う道を

世界がひとつとなり戦争が無くなり

再生の道を切り拓くかは

あなた次第だ

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心に傷を負ったことのある人は優しい

あなたの悲しみをいつも心に感じている

どことなく、私と似ている あなた

あなたは一切、悲しみを見せない

時折、懐かしく感じる



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ファースト・テンプレート 3

『おぉ済まんな中木』
「いいぇ、なにかあったんですか?」
迂回路はかなり正解だった、30分ほどで会社に戻れた。あとでこのSUVを洗車にでも連れてってやろうと思った。
会社に着くなり、私は会議室に来るよう言われ、数時間前のデジャヴのような感じがした。
本来私がいるべき場所ではない。私の地位は社内では上の方とは言え、次長。この社内で会社の重要なことを決める『本会議場』にいるはずがないのだ。
パンっ!
副社長の来栖が一つ手を叩く。
『今回、社長、専務、営業管理部長の三名をのぞいたみなさんに集まっていただきました。結論から言いますと、先の三名は来週書類送検される予定です。』
あまりに急すぎる、会議室がざわめき出した。
『緊急で先ほどここのメンバーでのグループLINEを作りました、そこに音声ファイルが共有されているはずです。』慌てて他の役員がスマホを取り出す。取り乱しているのだろう、普通は会議が終わった後に確認するはずだ。
ん?
なんだろうか、来栖が私に視線を送った。冷静だと思っていた自分が冷や汗をかいていたことには、そこで初めて気がついた。
走馬灯のようにめぐる思考。払い切れていないローンに、会社の規模からに起こる明らかなイメージ低下、それによる減給。転職か?それしかないだろ。どこに転職か?妻にはなんと言えば良い?
とりあえず、この会議、嫌な予感がする。私の転職を許さない何か、また、これからの現実を押し付けられら何か。

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墓想造物茶会 Act 31

「お、お前!」
このままでは魔術による攻撃を受けてしまうと察した露夏は後ずさる。
その光景を見てかすみとキヲンは凍りつくが、ナツィが火球を放つ直前でナツィの背後に人影が飛んできた。
そして人影はナツィの脇腹に手刀を叩き込んだ。
「うぎゅっ」
ナツィはそのまま地面に倒れ込み悶える。
その様子を見て露夏やキヲンは呆然とするが、かすみはすぐにその人物が誰であるか気づいた。
「ぴ、ピスケス…?」
かすみの言葉に、ナツィに手刀を叩き込んだ人影…ピスケスはにこりと笑ってみせる。
「危なかったわね」
「え、いや、危ないっていうか…」
ちょっとびっくり…?とかすみは目をぱちくりさせた。
ピスケスは少し不思議そうな顔をしてから、まぁいいわと言って足元のナツィを見やる。
ナツィは脇腹を押さえながら、ピスケスを恨めしそうに睨んでいた。
「ナハツェーラーも見つかったことだし、とりあえず事情聴取といきましょう」
ねぇ?とピスケスはナツィの顔を覗き込む。
ナツィは嫌そうに目を逸らした。

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心に

新しい空気を取り込もう。

ひんやりした空気ももう半月かな、

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notitle

街は静けさの中

朝焼けの海を歩く

あそこにもあそこにも生活と海と山があった

海があり、川があり、森があり、

世界は混沌へと向かう。

人間はたった5%。

この手で何が出来るというのだろう。

車の窓を開けて深呼吸をする。

この人間の営みを作っている母

感謝することを忘れている人間はどこに向かうというのだろうか。

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ピエロのように微笑み浮かべながら悪さをする人がいた。人は皆、その人に悪のレッテルを貼り蔑んだ。

しかし私には聞こえていた。
いいや、正確には分かっていたんだ。

誰かに操られてる、と

ピエロの苦しみや悲しみ、皆には理解されない痛みを私は知っているから。

だから手を差し伸べた。

そして時が過ぎ、

悪の軍団に私が操られた。

あの時助けたピエロは私を蔑んだ目で見てきた。

「違う!操られているだけだ!」と叫ぶ声も虚しく空に消えた。

私に悪のレッテルを貼られたのだった。


「あなたも、同じ経験したことあるでしょう?あなたまでもが私を嫌うの?」

許せないのは

不甲斐ない自分なのか、

助けた相手の裏切り行為なのか、

分からない

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墓想造物茶会 Act 30

「…お前、ホントになんできーちゃんやかすみにあんなこと言ったり急にいなくなったりしたんだよ」
「そんなのお前には関係ない」
「関係あるだろ!」
露夏とナツィがそう言い合ったのち、ナツィは黙れ‼︎と叫ぶ。
「テメェらには、テメェらにはなにも関係ないんだ!」
だから放っとけよぉぉぉぉぉ‼︎と声を上げながら、ナツィは短剣を構えたまま露夏に向かって駆け出す。
思わぬ動きに露夏は一瞬怯むが、咄嗟に包丁でナツィの短剣を防いだ。
「お前、なんでそんなに放っとかれたがるんだよ!」
「うるさい黙れ‼︎」
「黙ってられるかーっ‼︎」
露夏は自らの得物でナツィを押し切り、後方に飛び退く。
「1週間も家に帰らず、大好きな奴のところにも姿を見せない奴のことなんて放置したらマズいだろ‼︎」
露夏はそう叫ぶが、ナツィは短剣を向けたまま、そんなん知るか!と言い返す。
「俺はそこにいたくないからいなかっただけなんだよ‼︎」
テメェらの心配なんかいらねーし‼︎とナツィは短剣を構えた。
その切っ先からは紫色の火球が生成された。

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痛み止めがあるなら

この痛みを消せるとしたら

きっとそれは

あなたの優しさだ

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祈りを

あなたが奏でるメロディーは
争いを止めてくれます

あなたの笑い声は
誰かの心に安らぎを与えます

あなたの優しさは
この地球を癒します

これらについて
あなたは大袈裟だと仰っしゃいますが

それは、それは凄いことなのです

人の気持ちに寄り添うあなた

優しい人ですね(*^^*)

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あなたを好きになって初めて

あなたを好きになって
初めてメイク用品売り場に行った
初めて恋愛術の動画を見た
初めて失恋ソングを聴いた
初めて物語に共感を求めた
初めて普通の服着たいって思った
初めて不安で眠れない夜を過ごした

全部あなたに好かれたくて
あなたにとって恥ずかしくない存在になりたくて
気持ち悪いって思われたくなくてやったこと

意味ないのはずっと分かってたけど
でもそういうの気づかないふりして
必死に
盲目的に
頑張ってきた

全部私の財産になった
恋は実らないけど
努力した成果は残るから
別にいいよ

ありがとう

つらいことだけど

まだ大好きだよ

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百舌鳥と愉快な仲間たち__12

なんとか蠢くアリエヌスにレヴェリテルムを突き立てようとするユニシンクトゥスの視界の端に、アリエヌスの口と思しき場所からすぽんと何か転がり出て落ちていった様子がうつった。
「……脱出したか……」
呟くユニシンクトゥスの遥か下方でブケファルスとカウダが転がっている。
「うぉーなんとかなったー!!あのアリエヌス絶対潰す!!」
「…酔った…背中痛いし…あーもう帰りたい…」
「んなこと言ってる場合かよ!!」
ブケファルスは気色ばんでカウダを小脇に抱えてユニシンクトゥスのところまで這い上がった。
「…無事か」
「まあ、なんとか…ですけど」
ブケファルスに抱えられたままカウダは微笑む。

不意に、形容し難い甲高い音が鳴り響いた。音の方を見ると、ぐったりと倒れ込むアリエヌスの目にレヴェリテルムを突き刺した状態で揃って耳を塞いでいるカメルスとフスがいる。どうやら耳障りなこの音はアリエヌスの目から鳴っているらしい。勢いよく空気が漏れ出ているようだ。
「……先に倒したか…」
呆然と見ていた3人の足元の揺れが収まった。さっきまで鮮魚の如き動きをしていたアリエヌスがぴたりとその動きを止めていた。
「よくわかんないけど…ダメージ負ってんのか?」
「というか何かしようとしてるんじゃない?」
「…曖昧だな…どちらにせよ今がチャンスだ…」

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一つ、青い炎が消え
一つ、赤い炎が増え
一つ、赤い炎が青い炎になった。
それの繰り返し。
青い炎は完全燃焼しており思い残すことがない状態で
赤い炎は不完全燃焼していてまだまだ道は長い証拠。
わざとでも、そうでなくても、吹き消してしまったら
裁かれなくてはいけないの。それが人間なの。
どうせ消えるなら青い炎で消えたいね。
今は、多分まだ、赤い炎だね。
人間は、みな、炎を守りながら歩いてる。人生という名の道を。
吹き消されないように、自分の体で包んで守ってる。
心と同じように何処にあるかわからないけど、
一人ひとりの体の中に必ずあるはず。

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寂しい

寂しいときは寂しいって言おう

泣きたいときには泣こう

泣きついたら、気持ちが半分楽になった。

一緒に笑ったら2倍になる

一緒に泣いたら半分になる。

何処かで聞いた言葉。

あ、ほんとだったんだ。


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墓想造物茶会 Act 29

「ナツィ‼︎」
キヲンはそう言って全力で駆け出した。
その人影はキヲンに気づくと立ち上がって逃げようとする。
しかし急に走り出そうとしたからなのか、すぐに転んでしまった。
「つーかまーえた〜!」
地面から立ちあがろうとする人影…ナツィに、キヲンは後ろから抱きつく。
「ちょ、ちょっと離せって」
「うぇへへー、ナツィ久しぶり〜」
「だから離せって!」
ナツィはキヲンを振り解くと、よろよろと走り出そうとする。
だがいつの間にかナツィに追いついていた露夏がナツィの腕を掴んだ。
「げっ露夏!」
「テメェなーにかすみときーちゃん置いてほっつき歩いてたんだよ!」
「うっるせぇ‼︎」
露夏の手も引き剥がしたナツィは懐から黒い短剣を取り出し、露夏に向ける。
それを見た露夏はテメェ…‼︎と上着のポケットから魔術による改造済みの愛用の包丁を引っ張り出した。
それを見てキヲンはポカンとし、あとから追いついたかすみはあわあわし始める。
しかしナツィと露夏は気にせず睨み合った。

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皆さんに質問です!

私は物語とか詩とか制作していて、掲示板にも時々載せてもらってます!
でも、最近ネタがなかなか思いつかない…!ネタ切れたか?みたいな(笑)
どうすればでてくるかなー?教えてください♡

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大丈夫

君がいるから

私は大丈夫

まだ言葉の力の存在を知らない時によく

あなたに「私の寿命を分けてあげるからね。」

と言ったことがあるけど、

たとえ言葉の力があると知っていても

同じことを言うよ

だって、君がいるから

私は大丈夫

君が生きていることが

私の安らぎなんだ

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踊り子

私は踊る

ときにドジョウ掬いみたいな

ときにはお猿さんみたいに

どうしても笑って欲しい人がいるから

でもね

私があなたを笑わせているのに

逆に私が笑顔になってしまうんだ

あなたのクシャクシャに笑った笑顔に

私の心は射止められちゃうんだ

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魔法

あなたの声は魔法のよう

心地よい響き

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形のないもの。

見えないものを創って
世界が広がる。
目に見えなくても
誰かには届くだろう?

形のないパターンは
思ったより多様で
限りはきっとない。

私が創り出せば
それは唯一無二だ。
あなたの音を
届けてよ。
私が生んだものは
消えないで。

見えない糸を繕って
また器用に編みだしていく
ただ1つの
価値は最高の
私の歌だ。
いずれ誰かには届いて
あなたのもとにも聞こえてくる
そう信じてる。

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愛と美学

君はとても優しいよね
その優しさに惚れちゃったんだ
私に見せるその笑顔は
変わらず在りたいよね

あぁ とても綺麗だね
あぁ ここに居たいよね

君が好きなんだ 今日もね
君と居たいんだ 明日もね
二人で入れる世界を 一緒に探したい
君が好きなんだ いつもね
君と居たいんだ 今もね
二人で居れたらなぁって思ってるんだ 本当だよ

君はとても優しいよね
その優しさが辛かったんだ
私にだけって思ったけど
変わらなかったんだね

あぁ とてももどかしい
あぁ ここに居たくない

君が向けている 笑顔は
君を守るもの なんだね
二人だけの世界に なってほしいよなぁ
君が好きだった 昨日はね
君と居たかった 今もね
二人で笑う日々 思い出しては 独りきり

本当に 私だけに
一回だけで いいから 愛を

君が好きなんだ ずっとね
君と居たいんだ やっぱね
二人の心の中は 同じだったのかな
君を愛してる ここでね
君が居てほしい ここにね
二人で居たいって 思っちゃうんだ ごめんね

本当に 好きだったよ

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おやすみ♪

今日も一日お疲れ様です。

くたびれたでしょう。

誰よりも頑張っているね。

今日はゆっくりおやすみ♪

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墓想造物茶会 Act 28

こうして、かすみたちはナツィを探しに出発した。
とりあえずナツィがいるとみられる海沿いの駅を目指して電車に乗り、ひたすら終点を目指すことにしたのだ。
しかし電車は各駅停車しかないため、かすみたちは退屈ながら時間をかけて電車に乗り続けたのだった。
「ねぇピスケス…この辺?」
終点の駅から少し歩いたところにあるひと気のない公園に着いて早々、キヲンはピスケスに尋ねる。
キヲンの後ろに立つピスケスはそうみたいね、と答えた。
「魔力反応があるからおそらくここよ」
ピスケスは手に持つ魔力の反応を調べる石ころのようなアイテムに目を落とす。
アイテムはぼんやりと光を放っていた。
「そんじゃ、みんなで手分けして探すしかないな」
ピスケスの隣で露夏は頭の後ろに両手を回す。
「そうだね」
ここ、そこそこ広いし…とキヲンの隣に立つかすみがそう答えつつ公園の奥を見ると、ベンチに座るぬいぐるみを抱えた見覚えのある人影が見えた。
「あ」
かすみが気づくより早く、キヲンが声を上げる。

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徒労ばっかり

たくさん頑張って
慣れないこといろいろして
失敗したりもして
人並みくらいにはなろうって
嫌われないように
ちょっとでも可愛いって思ってもらえるように
必死に努力するけど

たまにふと立ち止まる
正気に戻る


こんなことしても意味ないんだ


なんか自暴自棄になる
何やってもしょうがないならって
いっそ忘れたいなって
違うなんかで上書きできたらなって
自分のこと
粗末にしたくなる

でも
できない
自分を傷つける子は悪い子だから
悪い子じゃ好きになってもらえないから
まだそんなこと思う
まだ嫌われたくないって思ってる