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僕らのアオハル〜チャイム編〜

まだ鳴らないの?
気分はもう終わりの時間
なのに本当はまだ半分くらい。
早く鳴ってくれないかな…。
休み時間になったら
あの子と話したい。
また私のことを知ってほしい
どんな話をしようかな。
授業なんて聞いてられない
不意にチャイムが鳴った。
「終わった」って思ったのに…

あぁ、授業が長引いちゃったよ。

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百舌鳥と愉快な仲間たち_11

_アリエヌスの体外
「き、厳しい…傷はつくけどヒビすら入らない…」
「クソっ!硬い!!」
アリエヌスの目は凄まじい硬度だった。二人が任された潰れている方のアリエヌスが動いたり反撃しないのを良いことに、フスは少し休んだ。カメルスはというと悪態をつきながら一カ所に機関銃を撃ち続けている。
「…先輩の方はアリエヌスが動いてて大変そうだな…」
ユニシンクトゥスがレヴェリテルムを持って目に近づく様子をフスは眺めた。アリエヌスは鮮魚の如き動きで暴れてユニシンクトゥスを振り落とそうと必死になっている。
「うぅぅうわっ!!きた!おいフス、きたぞ!!」
カメルスの声に振り向くと、アリエヌスの目にヒビが入っているのが見えた。
「うわ、ほんとだ…!希望見えたな…!」
「おう!んじゃそろそろ休憩終わらせて協力してくんね?このままヒビ広げて押し切んぞ!」
フスは頷き、チェンソーを持ち直して、アリエヌスの目のヒビにねじ込むように突き立てた。

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雨乞い

恵の雨よ 命の雫よ

この地に潤いを

人々に安らぎを下さい

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言葉で伝えて

君に、伝えたいことがある
私に、分かってほしいことがある
って言ったけど、ホントは、分かってないんだ。
私の、味方っているのかな?私の、大事なものってなんだろうね?
でも、ひとつ、願いがある。
私の居場所を見つけて、私の大切なものを見つけて、この世界でのびのびと生きていきたいな
そして、最近、もうひとつ願いができた。
あなたを愛して、あなたに、愛されて、美しく生きていきたいな
味方は、大事なものは、きっと、この世界にあるから。

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墓想造物茶会 Act 6

「今ってナツィ寝てる?」
キヲンがそう尋ねると、かすみは、まぁ、多分そうだけど…と答える。
それを聞くとキヲンは、じゃ、起こしに行ってくる!と言って廊下に飛び出し、物置の3つ隣の部屋に向かった。
かすみは、あっちょっと…と引き留めようとするが、キヲンは気にせず扉を開け放つ。
「ナツィおっはよーっ‼︎」
バタン!という音とともにかすみの部屋にキヲンが飛び込むと、狭い部屋の窓際にベッドが置かれているのが見えた。
そしてその上には、ゴスファッションを着た黒髪のコドモ…ナツィが横になっている。
「…うるさい」
少しの沈黙ののち、鬱陶しそうにナツィが呟いた。
しかしキヲンはその言葉をものともせずにナツィに駆け寄る。
「ふへへ〜、ごろごろしてるナツィもかわい〜」
「う、うるさい」
にへへへへへ、とナツィに顔を近づけるキヲンに対し、ナツィはキヲンに背を向けるように寝返りをうった。
キヲンは、ナツィは照れ屋さんなんだから〜とベッドの端に座る。
ナツィは嫌そうな顔をした。
「…それにしてもナツィ」
不意にキヲンが呟いたので、ナツィは嫌そうな顔をしつつも目線だけキヲンの方に向ける。
キヲンはナツィの方に目を向けた。

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墓想造物茶会 Act 5

翌朝、辺りを明るい日の光が照らすころ。
人工精霊たちが集まる喫茶店の物置の扉が、おっはよー!という元気な声とともに開け放たれる。
物置にやって来た、金髪にツノの生えたコドモ…キヲンは、誰もいない物置を見て目を丸くした。
「…あれ、いない」
そうキヲンが呟くと、後ろからおはようきーちゃんと声がかかる。
キヲンが振り向くと、そこにはジャンパースカート姿にエプロンを身につけたかすみが立っていた。
「あ、かすみ」
ナツィは⁇とキヲンは首を傾げる。
かすみは、ナツィなら自分の部屋にいるよと笑った。
「かすみのお部屋?」
「うん」
ナツィがうちに泊まるとき、大体自分と同じ布団で寝るから…とかすみは苦笑いする。
それを聞いてキヲンは、えっいいな〜!と目を輝かせた。
「ナツィと同じおフトン!」
「そ、そう…?」
かすみはつい首を傾げるが、キヲンはだってさ!と飛び跳ねる。
「ナツィと一緒にねんねできるんだよ⁈」
うらやましいなーとキヲンは呟いた。
かすみは、きーちゃんにとってはそうかもね、と返すが、ふとここでキヲンが、あっじゃあ…と言い出す。

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午前1時45分、ある庁舎にて

「今日の分、終わりました」
「ありがとう、こんな遅くまで」
「いえ、先輩1人に残業させるなんてできませんから」
「よくできた後輩だね」
「どうも、それにしても最近は多いですね、最適化対象の投稿文が……」
「やっぱり政治とか経済とか、社会の変わり目はね、どうしてもね、仕方ないよ」
「いちいち表現が過激ですよね。むやみに恐ろしく書いたり……そんな文章誰が読むんですかね」
「分からないけど、そういうのは考えたって仕方ないことだよ。社会に出ていく文章は全部ここで確認して、大筋は変わらないように言葉を整えて、当たり障りない形で発信する。それでオーケー」
「でもめんどくさくないですか?」
「めっちゃめんどくさい。でも、これ書いてる人たちの目的って内容を伝えることでしょ?大枠が伝わればいいの。というか、そうするしかない。ほら、多様性の時代だから」
「誰も傷つかないように、でも意見は尊重してって話ですよね」
「分かってるじゃん」
「でもこういう表現する人ってリアリティとか気にしてるんじゃないんですか?」
「ちゃんと作者欄見た?10代で、しかも女の子。戦争のリアルを知らない人が書いたんだから、別にいいよ。そりゃ体験者のノンフィクションならもっと尊重する」
「それって平等なんですかね……」
「別に平等じゃなくていいよ。意見には質ってもんがあるんだよ。そしてその質は『であること』で決まる」
「そんなことってまかり通っていいんですかね」
「少なくともそれが世論だよ。無意識かもしれないけど」
「デモクラシーの時代ですよ?」
「ポピュリズムの時代だよ」
「……」
「別に悪いことしてるんじゃないんだから、そんな顔しないでよ。この仕事って正しいデモクラシーの時代に戻そうっていってやってるんだよ」
「そう、ですよね」
「うん。じゃあ原本、保管庫に持ってっといて。こっちは鍵閉めてくから」
「……」
「何眺めてるの?それさっきまで編集してたやつの文章でしょ?」
「あ、ああ、はい、すいません、保管庫行ってきます」
「うん。終わったら外で待ってて。お礼にタクシー代出す」
「うわほんとマジでありがとうございます」

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墓想造物茶会 Act 4

「別にナツィは家に帰らないだけで、ここに泊まってくだけだからね?」
保護者の人もわかってるみたいだから、心配しなくていいよ、とかすみはキヲンをなだめる。
キヲンはでも〜、と口を尖らせた。
「一緒に帰りたいよ〜」
そう言って肩を落とすキヲンだったが、ナツィはお前とは帰りたくないしと頬杖をつく。
しかしここでピスケスが、きーちゃん、とキヲンに声をかけた。
「ナハツェーラーはかすみがいるから、あなたが心配する必要ないわ」
それより、寧依を心配させる訳にはいかないでしょう?とピスケスは微笑む。
キヲンは…うん、と不安げに頷いた。
「じゃあ、私たちは帰るわ」
また、明日ねとピスケスは小さく手を振って、キヲンや露夏とともに物置をあとにする。
かすみは笑顔で、うん、またねーと返したが、ナツィだけは黙って目を逸らしていた。

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墓想造物茶会 Act 3

「おれたちは遅くまでほっつき歩くわけにゃいかないからな〜」
露夏はそう言って立ち上がる。
「…じゃ、また明日〜」
そして露夏は椅子から立ったピスケスとともに物置部屋の扉の方へ向かった。
「あ、ボクも〜」
キヲンはそれを見て慌てて立ち上がる。
しかしふと気づいたようにナツィの方を見た。
「…そういえばナツィは?」
帰んないの?とキヲンはテーブルの上のトランプをケースにしまっているナツィに尋ねる。
ナツィはキヲンの方を見ず、少しの沈黙ののちにこう答えた。
「今日は帰らない」
「え?」
キヲンはついポカンとする。
物置部屋から廊下に出ようとしていた露夏やピスケスも立ち止まり振り向いた。
「どうして…」
「どうしてって、別にいいだろ」
ナツィはそっぽを向きつつ返す。
「俺は保護者のところに帰りたくないんだよ」
「えーそんな〜」
キヲンはナツィの傍に駆け寄る。
「ナツィのおじーちゃん寂しがるよ〜」
「別にそんなのどうでもいいし」
「ヒドい〜」
「お前には関係ないから」
キヲンとナツィは暫くそう言い合うが、それを見かねたのか、かすみがきーちゃん、とキヲンの肩に手を置いた。

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【最適化済】2頁目

【前頁から続く】

 ――やっぱり駄目そうだ。

 本能がそう囁きます。その瞬間気が楽になりました。やっと神仏が手を差し伸べた……今の男にはそれが天道神だろうと疫病神だろうと関係はありませんでした。ただ、やっとこの苦しみから逃れられると、一心にそう思っていました。

 ――ああ、最期に、最期に一口でいいから綺麗な水が飲みたかった。俺の末期の水はこんな泥水か……。

 霞む目を瞑る寸前、男の脳裏には諦念に混ざってそれとは別の感情がよぎりました。しかし正体に気づく前に男の意識は完全に途絶えてしまいました。
 

 どのくらい経ったのでしょうか、男は目覚めることができました。
 戻った聴覚に戦争の音が飛び込んできます。薄く開けた眼に容赦なく白い日光が木々の隙間から差し込んで、唐突に肌に張り付く暑さが襲ってきました。戦争で受けた傷がジンと痛みます。黄泉の国でないことは明白でした。

 ――ああ、そうか。

「み……ず、か」

 そうか。あれか。あれの所為か。

 どうせ後で苦しむことになるなら、あんな水は飲まなくても良かった。飲まない方が良かった。

 それなのに何故。

 理由は明白でした。身体が水を求めていたからです。自分の意思ではありません。しかしそれだけで、男の胸の奥底から、生きようという気持ちが湧出してきました。

 ……自分が死ねば兵士達の死は誰にも知られず異国の泥に埋まっていく。彼らと自分に報いずに、このまま死ぬことが許されるのだろうか。自分は許せるのだろうか。

 男は自分に問いかけました。

 明確に答えを言葉にはしませんでしたが、彼は投げ出していた銃を支えにして立ち上がっていました。

 倒れる直前の感情の正体が分かった気がしました。

【完】