LOST MEMORIES CⅨⅩⅡ
「この夢を踏まえて、質問があるの。答えてくれる?」
「答えられる範囲でなら。」
そう言うと思ったけども。そこははいでいいだろう。
瑛瑠はちょっと笑った。いつも通りだ。
「あまり困らせない質問をするよう善処します。」
共犯者のような微笑みを二人は交わし、瑛瑠が口を開いた。
「ジュリアさんたちのことが聞きたい。彼らは……?」
どうなったのか。生きているのか。
聞きたいのに、途中で切ってしまった。自分の言葉にくらい責任を持たなければならないと思うも、小さな勇気は最悪を想定して掻き消えてしまった。
瑛瑠は陰を落とした。そんな瑛瑠をチャールズは呼ぶ。
「お嬢さま、こっちを向いてください。」
声は柔らかい。
正面に座るチャールズは微笑んでいる。
「私の同級生は、みんな生きて帰ってきましたよ。」
その言葉に安堵する。ただ、引っ掛かりはまだ聞けない。