はらりと何かを脱ぎ捨てて 私は一つ歩を進める はらりと何かを脱ぎ捨てて 私は一つ段を登る はらりと何かを脱ぎ捨てて 進んだ先は前進か はらりと何かを脱ぎ捨てて 登った先は進化であるのか?
何てことない顔をして 机の下で私に触れて
食い締めが治らなくって 治療したばかりの歯に響いて痛いの 原因も最中も覚えがあるのに 止められないだなんて嫌な気分ね クッション代わりに舌を挟んでいたら 血が滲んでしまって痛いの もしも今夜 貴方が訪ねてくれたなら 指を一本強請ろうかしら 貴方の指なら私の顎も 傷付けようとはしないと思うの
あなたの ひだりての くすりゆび ぴかっと ひかる その ぎんいろを わたしの じまんの やえばで かみくだいて かみくだいて そうして ごくり、と のみこんでしまえば その あい は わたしのものに なるのだろうか そうして ごくり、と のみこんでしまっても その あい は あのひとのもののまま いさんに やかれて しぬのだろうか
助けてが言えない君の 握り締められた白い拳 掌に浮かんだ三日月を 君は僕に見せてはくれない 助けてが言えない君の 握り締められた白い拳 1度だって解いてくれたら 僕がその手を引き寄せて 1度だって解いてくれたら 君の望みは叶えられる 握り締められた白い拳 たった1度の勇気で良いのに その指先に血を通わせるのが 君は如何しても怖いのだね 握り締められた白い拳 たった1度の勇気で良いのに そう思う僕はまだ 君の目線を知らないのだね
棺のようなベッド 目を閉じて 只管に追い掛けた声 ラジオのボリュームを2つ上げて 私は世界を遮断する 棺のようなベッド 手を組んで 慎重に吸い込んだ息 布団の中でケータイを開けば 私の世界は其処にある
憧れでいいの 自分が楽しむだけの 心拍数の上昇と親指の疼痛 誰も知らなくていいの 進展も後退もない 中途半端な幸福でいいの
焼き付けて、一瞬の光。 きらり、きみの瞳(め)も どろり、溶けた夕陽も ぜんぶ裏返したネガシート。 沈んでいく刻(とき)を引き伸ばして ひとつ、ひとつ、光の飴にしようよ (此処のみんなで同じ夕焼けや海を眺めて、) (写生会みたいな展覧会ができたら、なんて。) (実はこの頃、写真に凝っていたり。)
なぁ アッバ あんたが創造主を名乗る以上は 私のことだって あんたが創り上げたのに それなのにこの仕打ちは 一体どういったことなのだ? なぁ アッバ あんたが全知全能を謳う以上は 私のことだって エラーなわけがないのに それなのにこの仕打ちは 一体どういったことなのだ? 排除の為だけに創ったのなら どうしてあんたが愛の神なのだ? 手足を捥いで 生娘に踏ませる為だけに創ったのなら 回心の機会は与えたのだと 分からせるつもりのない骸だけ示して それでどうして あんたが愛の神なのだ?
冴えた銀糸に晒されて 凍える貴女の まあるい ほっぺた 僕が温めてあげたいと思うのは いけないことかしら 褪せた箱庭に へたり込み 翳る貴女の まあるい ほっぺた 僕が照らしてあげたいと思うのは いけないことかしら 今だけは その首輪を外して 僕へ身を委ねて みんな みんな 悪いのは僕 だから被害者の お面の下で どうぞ安寧を貪って 僕の腕の中では 薔薇色であってほしい 柔らかな貴女の まあるい ほっぺた