妄言
違います。違うんです。拒んでいるように思われるでしょう?それは事実そうなのですが・・・。僕があなたを拒むのは、あなたを受け入れたいと望んでいるから。分かります。あなたが分からないということが、僕にはよく分かります。それもこれも僕が、傷つくのを恐れるから。あなたは僕を傷つけます。いいえ、あなたが悪いと責める意味でなく、誰もが人を傷つけます。その意味で。僕はあまりに過敏なので、近づきたいと思うことに、これだけ苦しめられているのです。あなたに変に思われることを十分わかってそれでも、僕が打ち明けたのはもちろん、そうしなくては僕が身動きができないからです。こうしてあなたに距離を置かれなくては。拒みつつ与えるなんてこと、愛と呼べないでしょうから。けれどいまは、あなたに何となく敬遠され、距離をおかれていたほうが何倍も良かったかもしれないと、後悔もしているのです。ええ、幾分、悲劇の演者の歪んだカタルシスがあるかもしれません。そういってみせることに打算がないとも言えません。そう、そのことだって僕は言ってしまいます。そのことが僕の弱さの何よりの裏付けになるでしょう。本当は愛されなくても構わないのかもしれません。むしろ拒まれることを、僕の歪んだ内面性は望んでいるのかも。ああ、すみません。どんどん僕の一人芝居になって・・・。どうしたら・・・、どうしたら、よいのでしょうか?愛はほとんど病です。世界と関わる技術を持たぬ僕にとって。誰かを求めずにいられないということは。