ベタなストーリー 後編
るなはかまわず、わたしを紹介すると、空いている席に着くよううながした。わたしが着席すると、扉が開き、生徒が三人、入ってきた。男子が二人、女子が一人。
るなの顔が恐怖にゆがんだ。
「先生、僕たちも紹介してください」
男子二人がユニゾンで言った。
「これは、あなたたちのしわざね」
るなが言った。
男子二人が何か言おうとするのを、るなは手で制した、ように見えた。
男子二人が口から血を吐いて倒れた。
女子が動いた。おそらく、るなと同じ能力を持っているのだろう。るなが倒れた。
女子がわたしにゆっくりと近づいてきた。わたしに手をかざす。わたしは目を閉じた。
目を開けると、るながわたしを混乱した目で見ていた。血を吐いて机に突っ伏す。
一度にふたつの能力を手に入れたわたしは、満足して学校をあとにした。