どしゃぶりのバス停で 〜Episode of Yurika〜
「相沢のこと、ずっと前から好きでした。俺の彼女になってくれませんか?」
金曜日の放課後。
珍しくバレー部の部活がなくて、早く帰れると思っていたら、不意打ち。
靴箱の中にメモが入っていた。
『伝えたいことがあります。テラスに来てください。キムラ』
どきっとするのが自分でもわかった。
木村のことは、前から少し、かっこいいなって思っていた。
サッカーをする姿とか、人が変わったみたいで…
でも、好きとかそういうのはわかんないんだよね…
「あ、木村!」
「相沢!」
テラスにつくとこっちを向いて木村は、ちょっと目をそらした。
そしていまこの状況だ。
「えっと…」
「返事、今じゃなくていいから」
そう言って、走って行った。
足速いんだなぁ…
そんなくだらないことをぼうっと考えてた。